名称:2-ヘキシルオキシエタノール
CAS番号:112-25-4
物質ID: | 20A2101 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点81.7℃(c.c.)(ICSC(2004), ICSC(J)(2004))であり、GHS分類基準に基づく区分4である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が220℃(ICSC(2004), ICSC(J)(2004))である。分類指針において発火点70℃以上は区分外である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた試験における、LD50: 739および1480mg/kg bw(SIDS(access on 8. 2008))より区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた試験における、LD50:721および792 mg/kg bw(SIDS(access on 8. 2008))に基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた吸入暴露試験(IUCLID, 2000)のLC50(4h) >0.5mg/L(換算値:>84ppm)は、飽和蒸気圧濃度(129ppm)の90%(116ppm)より低い濃度であるため、「ミストがほとんど混在しない蒸気」となるが、このデータだけでは区分2から区分外のいずれか特定できないことから、分類できないとした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた4時間暴露試験(SIDS, access on 8. 2008)において、観察1-7日目に3/6匹に壊死がみられたことから、区分1とした。EU分類においてもR34(区分1B又は1C相当)(EU-Annex1, access on 8. 2008)である。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギ眼を用いた試験において、可逆的な結膜浮腫(Draizeスコア:2 to 3)、虹彩炎(Draizeスコア:1)および角膜混濁(Draize スコア:1)がみられ、これら症状が7日のうちに回復された(SIDS, access on 8. 2008)ことに基づくと区分2Bであるが、皮膚腐食性物質であることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vivo小核試験における陰性結果(SIDS, access on 8. 2008)から区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの催奇形性試験(吸入暴露:妊娠期6-15日, 20.8, 41.4, 79.2ppm)において、黄体数、着床損失数、仔の雌雄率、骨奇形(malformation)および骨格変異(variation)などの異常は見られなかった。仔に肺拡張不全(atelectasis, a variation)が見られたが低濃度群のみで中高濃度群には見られなかった(SIDS(access on 8. 2008))。ウサギの催奇形性試験(吸入暴露: 妊娠期6-18日, 20.8, 41.4, 79.2ppm)においては、妊娠数および着床に異常はないが、再吸収(resorb)が低濃度群で2、高濃度群で1であった。以上の結果、ラットの仔に見られた肺拡張不全およびウサギに見られた再吸収が非用量依存性であること、また親の生殖能力に関する試験が無いため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(呼吸器) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口試験で、粘膜刺激性と呼吸障害がみられたと記述がある(ECETOC(TR95, vol.2, 2005)ことから区分2(呼吸器)、とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの13週間吸入試験(20, 41, 71ppm)(SIDS(access on 8. 2008))の高濃度群(換算値: 0.42 mg/L)において、雌では肝臓の酵素群に変化(AST, ALTおよびSDHの低値, ALPの高値)、腎相対重量の高値(0.76 v.s. control=0.69; p<0.01)および肝相対重量の高値(significant; p<0.01)が認められた。雄では肝臓の酵素群に異常はなく、腎臓の相対重量の高値(0.69 v.s. control=0.64; p<0.01)および肝臓の相対重量の高値が認められた。吸入暴露による肝臓および腎臓への影響が示唆されるが、肝臓の酵素群の変化はばらつき(3種類は低値、1種類は高値)があり不明瞭(unclear)であると記述があり、肝臓および腎臓に組織病理学的変化は認められていないことから分類できないとした。なお、中濃度群での雄の腎臓の相対重量の高値はno biologically significantであり、雌での肝臓重量の高値は適応による(adaptive)ものであると記載がある。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=145 mg/L(SIDS, 2004)から区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度:9900 mg/L(SRC, 2005))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |