名称:ピレトリンII
CAS番号:121-29-9
物質ID: | 20A2108 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 自己反応性に関わる原子団を含んでいるが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50 = 1.2 g/kg(HSDB(2005))により区分4とした。 ピレトリンIIはピレトラム(ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンの成分よりなる混合物)の1成分である。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)として、ラットLC50 = 3.4 mg/L/4h(HSDB(2005))であるが、ピレトリンIIとしてのデータがなく分類できない。(ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7参照) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)の1%水溶液を用いて200人に対しパッチテストを行った結果、刺激性は示さなかったとの報告がある(HSDB(2005))が、ピレトリンIIとしてのデータはないので分類できない。(ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7参照) |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ヒトにおいてピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)は一過性の結膜の浮腫と充血を引き起こす可能性があり眼および粘膜を刺激するが、ピレトラム関連物質による持続的な角膜障害は報告されていないようであるとの記述(HSDB(2005))によれば、影響は一時的、かつ可逆的であり区分2Bとした。ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照のこと。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 喘息の既往歴のある36歳女性が、ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)0.05%を含む犬用シャンプーを使用開始後5分で息切れ、直ぐに喘ぎ呼吸となり、さらに5分で心停止に至り死亡した症例報告(HSDB(2005))がある。また、感作された患者でのピレトリンばく露による喘息様症状(過敏性肺炎)の発生について報告されている(HSDB(2005))。しかし、いずれの場合も呼吸器感作性を陽性であると結論付けているわけではないので分類できない。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 除虫菊に対するアレルギー性皮膚炎の既往歴を有する患者が、除虫菊の花や抽出成分のみならず、ピレトリンIIに対してもパッチテストで陽性反応を示した症例報告(HSDB(2005))がある一方、ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)の1%水溶液を用いて200人に対しパッチテストを行った結果、感作性の証拠は得られなかったとの報告(HSDB(2005))もある。また、ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)の感作性が試験物質中の不純物に関連していることを示唆する報告(HSDB(2005))もある。以上のように、皮膚感作性に関して一定の結論が得られていないので分類できない。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照のこと。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ACGIHの分類で、ピレトラムとしてA4であり(HSDB(2005))区分外に該当するが、ピレトリンIIとして他に区分外を決定づける情報がなく、データ不足により分類できない。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでのピレトラム及び合成ピレスロイドの吸入ばく露による症状として、上気道では鼻炎、口腔粘膜の浮腫、喉頭粘膜の浮腫、また下気道では咳、息切れ、胸痛などが示され(HSDB(2005))、かつ皮膚・眼・気道の刺激性として、純品のピレトリンIIが粘膜を刺激する(HSDB(2005))との記載に基づき区分3(気道刺激性)とした。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ピレトリン混合物(ピレトリンI、ピレトリンII)による2年間の混餌投与試験(動物種の記載なし)において、肝臓の病変が報告されている(HSDB(2005))が、当該物質のデータではなく、また得られたデータ自体も不十分であり分類できない。[ID906(NITE)、ピレトラム、CAS8003-34-7を参照] |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50=0.017 mg/L(ECOTOX, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。 |
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