名称:メチルジチオカルバミド酸ナトリウム(別名メタムソジウム)
CAS番号:137-42-8
物質ID: | 20A2113 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(Merck(14th, 2006))である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団、又は自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 自然発火しない(IUCLID(2000))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(Merck(14th, 2006))である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内にナトリウムを含むがデータなし。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、溶液は黄銅、亜鉛、銅を腐食する(HSDB(2003)の記載がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値1700-1800mg/kg(EHC 78(1988))に基づく。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値1300mg/kg(EHC 78(1988))に基づく。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50値>6.8mg/L [OECD Guideline 403](IUCLID(2000))に基づき区分外(国連GHSの区分5または区分外)とした。なお、飽和蒸気濃度は3.15×10(-6)mg/Lであることから粉塵によるばく露と考えられる。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた試験(OECD Guide-line 404)の結果として刺激性あり(irritating)と記述されている((IUCLID(2000)))。また、ウサギ皮膚に試験物質を希釈せず24時間適用した別の試験では、観察期間(7日間)を通して紅斑と浮腫が観察され、中等度の刺激性(moderately irritating)と判定されている((IUCLID(2000)))。以上の試験結果に基づき区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギ結膜嚢に滴下した試験で刺激性なし(not irritating)との報告(IUCLID(2000))もあるが、ウサギを用いた別の試験では24時間後に軽度の発赤を認めたが1週間後には消失し、軽度の刺激性(slightly irritating)と評価された結果(IUCLID(2000))に基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた皮膚感作性試験(Buehler test)で陽性(IUCLID(2000))を示し、かつEU分類がR43である(EU-Annex 1(access on 8 2008))ことから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | チャイニーズハムスターに経口投与後の骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)での陰性(IUCLID(2000))に基づく。なお、in vitroの試験ではエームス試験とHGPRTアッセイで陰性(IUCLID(2000))、染色体異常試験では陽性(IUCLID(2000))の結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの二世代にわたり経口ばく露した生殖試験において、体重増加抑制と摂餌量の低下をもたらしたが生殖能および出生仔に及ぼす影響は認められなかった(IUCLID(2000))。しかし、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した発生毒性試験で試験物質による影響が疑われる髄膜瘤の発生が見られ(IUCLID(2000))、特にウサギでは死亡着床数の著しい増加と生存胎仔数の減少とともに着床後胚損失率が増加し、かつ同一用量で体重増加抑制と摂餌量の低下が観察されている(IUCLID(2000))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(血液)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(血液) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットおよびネコに経口投与後の症状としてチアノーゼと呼吸困難が見られ、メトヘモグロビン産生がラット(42.2%製品、LD50= 1.21mL/kg)では3〜7%、ネコではLD0=90 mg/kgを投与後4〜6時間で20〜50%と記述されていることから区分2(血液)とした。また、ラットに吸入ばく露(OECD Guideline 403)により鼻腔と眼から分泌物を出し、呼吸音も聞かれ気道刺激性を示していると記述されているので、区分3(気道刺激性)とした。【特記】ネコの経口投与試験結果については、ガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List2のデータであって、判定基準1b 3)を満たさないため、本ガイダンスにしたがって区分2とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに1日4時間の3週間反復吸入ばく露により、1.54 mg/L以上で肺に病理組織学的変化として肺気腫や多発性の肺病変が現れ、4.53 mg/Lでは死亡に加え、気管炎、胸腺の萎縮、過形成なども認められた(IUCLID(2000))。しかし、これらの影響はいずれもガイダンス値範囲を超えた用量で発現しており、カットオフ値における影響が不明のため分類できない。その他にラットを用いた経口または経皮投与試験(IUCLID(2000))が行われているが、分類に適切な用量設定がなされていない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)でのLC50=0.175mg/L(測定値)(IUCLID 2000)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定される(SRC: BioWin V4.10)ことから、区分1とした。 |
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