NITE-化学物質管理分野　GHS分類結果表示

GHS分類結果

名称：N‐ジクロロフルオロメチルチオ‐N',N'‐ジメチル‐N‐フェニルスルファミド（別名ジクロフルアニド）
CAS番号：1085-98-9

結果：


物質ID:	20A2130
分類実施者:	厚生労働省・環境省
分類実施年度:	平成20年度
使用マニュアル:	政府向けGHS分類ガイダンス（H20.9.5版）

物理化学的危険性

危険有害性項目		分類結果	シンボル	注意喚起語	危険有害性情報	注意書き	分類根拠・問題点
1	爆発物	分類対象外	-	-	-	-	爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2	可燃性／引火性ガス（化学的に不安定なガスを含む）	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
3	エアゾール	分類対象外	-	-	-	-	エアゾール製品ではない。
4	支燃性／酸化性ガス	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
5	高圧ガス	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
6	引火性液体	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
7	可燃性固体	分類できない	-	-	-	-	データなし。
8	自己反応性化学品	分類できない	-	-	-	-	自己反応性に関わる原子団（S=O）を含む化合物であるが、SADTまたは発熱分解エネルギーが不明であり、分類できない。
9	自然発火性液体	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
10	自然発火性固体	区分外	-	-	-	-	発火点が70℃（発火点：290℃（NITE総合検索（access on 8 2008）））より高い。
11	自己発熱性化学品	分類できない	-	-	-	-	融点140℃以下（105.3℃, Lide（88th, 2008））の固体に適した試験方法が確立していない。
12	水反応可燃性化学品	分類対象外	-	-	-	-	金属または半金属（B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At）を含んでいない。
13	酸化性液体	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
14	酸化性固体	分類できない	-	-	-	-	データなし。
15	有機過酸化物	分類対象外	-	-	-	-	分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16	金属腐食性物質	分類できない	-	-	-	-	固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性

危険有害性項目		分類結果	シンボル	注意喚起語	危険有害性情報	注意書き	分類根拠・問題点
1	急性毒性（経口）	区分外	-	-	-	-	ラットのLD50値 >5000 mg/kg bw（IUCLID（2000））より、区分外とした。
1	急性毒性（経皮）	区分外	-	-	-	-	ラットのLD50値 >5000 mg/kg bw（IUCLID（2000））より、区分外とした。
1	急性毒性（吸入：ガス）	分類対象外	-	-	-	-	GHSの定義における固体である。
1	急性毒性（吸入：蒸気）	分類できない	-	-	-	-	データなし。
1	急性毒性（吸入：粉塵、ミスト）	区分4		警告	H332: 吸入すると有害	P304+P340: 吸入した場合：空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん／煙／ガス／ミスト／蒸気／スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。	ラットのLC50値 1.25 mg/L（IUCLID（2000））は区分4 に分類され、EU分類 Xn; R20（EU-Annex I（access on 8 2008））も区分4に該当する。（被験物質の飽和蒸気圧濃度は 2.01E-006 mg/L であり、試験濃度1.25mg/Lは飽和蒸気圧濃度を超える値であるから、粉塵と判断した。）
2	皮膚腐食性／刺激性	分類できない	-	-	-	-	ウサギを用いた試験により「軽度の刺激性」（IUCLID（2000））とあるが、他に判断する十分なデータがないことから分類できないとした。
3	眼に対する重篤な損傷性／眼刺激性	区分2A		警告	H319: 強い眼刺激	P305+P351+P338: 眼に入った場合：水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合：医師の診断／手当てを受けること。 P264: 取扱後は．．．よく洗うこと。 P280: 保護手袋／保護衣／保護眼鏡／保護面を着用すること。	ウサギを用いた試験により「中等度の刺激性）」（IUCLID（2000））とあること、更に、EU分類が Xi; R36 であることから区分2A とした。
4	呼吸器感作性	分類できない	-	-	-	-	データなし。
4	皮膚感作性	区分1		警告	H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ	P302+P352: 皮膚に付着した場合：多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合：医師の診断／手当てを受けること。 P261: 粉じん／煙／ガス／ミスト／蒸気／スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋／保護衣／保護眼鏡／保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である（このラベルの．．．を見よ）。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物／容器を．．．に廃棄すること。	モルモットを用いた3種類の方法による試験（Maximization test, Draize test, Open epicutaneous test）で「感作性」（IUCLID（2000））」との結果に加え、EU分類が Xi; R43（EU-Annex I（access on 8 2008））であることから区分1とした。
5	生殖細胞変異原性	分類できない	-	-	-	-	in vivo変異原性試験の結果がなく、複数指標のin vitro変異原性試験の結果もないため分類できない。
6	発がん性	区分外	-	-	-	-	ラット（雄、雌）及びマウス（雄、雌）の2年間の混餌による発がん性試験において発がん性は認められていない（IUCLID（2000）、（HSDB（2003））の記述より区分外とした。
7	生殖毒性	区分2		警告	H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い	P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合：医師の診断／手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物／容器を．．．に廃棄すること。	ラットの経口投与（混餌）による3世代繁殖試験において、雌雄成体の性機能および生殖能に対する影響は確認されていない（IUCLID（2000））。また、ラットの妊娠後6～15日に強制経口投与した発生毒性試験（IUCLID（2000））、ウサギの妊娠後6～18日に強制経口投与した発生毒性試験において胎仔毒性、催奇形性は認められていない（IUCLID（2000））との記載があるが、ウサギの妊娠後6～18日に強制経口投与した発生毒性試験において胚および胎仔への毒性のNOAELが記載され、中間用量であることから何らかの影響が認められると考え区分2とした。
8	特定標的臓器毒性（単回暴露）	分類できない	-	-	-	-	データなし。
9	特定標的臓器毒性（反復暴露）	分類できない	-	-	-	-	判断する十分なデータがなく、分類できないとした。
10	吸引性呼吸器有害性	分類できない	-	-	-	-	データなし。

環境に対する有害性

危険有害性項目		分類結果	シンボル	注意喚起語	危険有害性情報	注意書き	分類根拠・問題点
11	水生環境有害性（急性）	分類できない	-	-	-	-	データ不足のため分類できない。
11	水生環境有害性（長期間）	分類できない	-	-	-	-	データ不足のため分類できない。

分類結果の利用に関する注意事項：

　政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
　本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報：

使用マニュアル
解説・用語集（エクセルファイル）
厚生労働省モデルラベル	職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS	職場のあんぜんサイトへ