名称:カフェイン
CAS番号:58-08-2
物質ID: | 20A2140 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性又は自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が540℃(IUCLID(2000))で、70℃を超えている。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に−O−O−構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
List 1の文献においてラットのデータが12件(261-383、200-400、192、483、233、355、247、344、421、700、50-500、261-383 mg/kg)あり、そのLD50が区分3に相当するものが7件、区分4に該当するものが5件であったことから(SIDS, Access on Sep. 2008)区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットにおける24時間経皮試験において、LD50>2000 mg/kg(SIDS, Access on Sep. 2008)であることから、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5又は区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットの4時間吸入試験においてLC50=4.94 mg/L 雄: 約 4.94 mg/L, 雌: 約 4.1 mg/L(SIDS, Access on Sep. 2008)であったことより区分4とした。なお、飽和蒸気濃度を超えていることから粉塵によるばく露と判断した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの試験(OECD TG 404)において50 %希釈溶液はウサギの皮膚に刺激性を示さなかった(刺激性指標: 0)(SIDS(Access on Sep. 2008)ことより区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた(OECD TG 405)試験において刺激性なしとされ、滴下後24時間以内に3匹中3匹が最も強い刺激性症状を示したが、そのスコアは角膜混濁=0.9、虹彩炎=0、結膜紅斑=1.6、結膜浮腫=0.6であり、8日後には軽度の角膜混濁と結膜発赤を示した1匹以外は回復が認められる(SIDS(Access on Sep. 2008))ことから区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vivo変異原性試験として、マウスとチャイニーズハムスターの経口投与による小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)においてLD50値の範囲内の投与量でのみ小核形成が見られたが(SIDS, Access on Sep. 2008)、その他のマウスおよびチャイニーズハムスターの小核試験そしてヒトリンパ球、ラット血液細胞を用いる染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)、マウス精巣細胞および卵母細胞における染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で全て陰性を示し(SIDS, Access on Sep. 2008)。さらにin vivo経世代変異原性試験としてラットを用いた優性致死試験において、着床前の初期胚の消失もしくは雌の繁殖能力の低下が見られたものの陰性の結果としている(SIDS, Access on Sep. 2008)ことから区分外とした。なお、in vivo遺伝毒性試験では、ラットの膵臓を用いた不定期DNA合成試験において陰性、マウス、チャイニーズハムスターを用いた姉妹染色分体交換試験において陰性(SIDS, Access on Sep. 2008)。in vitro変異原性試験では、エームス試験、マウスおよびヒトのリンパ球試験において陰性、ハムスターを用いた染色体異常試験では代謝活性化なしの条件において陽性(SIDS, Access on Sep. 2008)としている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットの78週間および104週間経口投与試験において腫瘍発生率は対照群と差異は見られなかった(SIDS, Access on Sep. 2008)。雌マウスの43週間経口投与試験において、乳腺がんの発生数が500 mg/L投与のグループのみで対照群との差異が見られたが、乳がん発生率および発生時間に対照群とは差異が認められていない(HSDB, 2006)。さらにIARCでGroup 3に分類されていることから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1A | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口投与による繁殖試験において、仔動物の出生率、出生数、生存率および性比に有意差は見られなかったが、親動物の精子の速度、半径、および運動性にわずかな低下が見られた程度であった(SIDS Access on Sep. 2008)。また、マウスの経口投与による繁殖試験においては仔動物の出生数、生存率、および体重減少に対照群と有意差がみられたことから、わずかな生殖毒性が示唆されている。一方、ラットおよびマウスの器官形成期に経口投与した発生毒性試験において発生毒性は見られていない(SIDS Access on Sep. 2008)。ヒトにおいて新生児体重の減少、流産および死産、受胎の遅延、生殖能力の減退についての疫学的報告が複数ある(Birth Defects 3rd, 2000)こと、マウスにおける繁殖試験において仔動物の出生数、生存率に対照群と有意差がみられたことからヒトに対する生殖毒性が疑われるため区分1Aとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 自殺を試み27 gのカフェインを経口摂取した症状として、再発性心臓停止、発作、後弓反張やミオクローヌス反射が見られた(HSDB, 2006)とされているが、このデータだけでは判断できず、他にデータが無いことからデータ不足により分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの90日間経口投与試験(飲水:188, 375, 750, 1500, 3000 ppm(雄: 19.7, 42, 85.4, 151, 272, mg/kg bw/day, 雌: 23, 51, 104, 174, 287 mg/kg bw/day)においてガイダンスの区分2に相当する1500 ppm/day(雄: 151 mg/kg bw/day, 雌: . 174 mg/kg bw/day)の用量まで臨床的兆候は見られていない。また、唾液腺の細胞肥大が用量に依存してみられた以外は有意な変化は観察されていない(SIDS access on Sep. 2008)。なお、NOAEL=151mg/kg/day(SIDS access on Sep. 2008)であり区分2のガイダンス値をこえているため区分外(経口)に相当するが他経路の情報がなく分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ゴールデンオルフェ)の96時間LC50=87mg/L(SIDS, 2002)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分3とした。 |
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