GHS分類結果

名称:2-(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール
CAS番号:102-77-2

結果:
物質ID: 20A2157
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - データなし。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体の試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含んでいるが、その酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットの4つのLD50値(>7940 mg/kg, >5000 mg/kg , >10000 mg/kg, 1980 mg/kg(IUCLID(2000))のうち、3つが区分外に該当し1つが区分4に該当することから区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50が>7940 mg/kg(IUCLID(2000))とするデータに基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いたドレイズ試験において24時間適用で刺激性なし(IUCLID(2000))、他のウサギを用いた皮膚刺激性試験でも刺激性なし(IUCLID(2000))の結果に基づき区分外とした。なお、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で刺激性が認められたという情報(IUCLID(2000))がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギを用いたドレイズ試験において24時間適用で軽度の刺激性、他のウサギを用いた試験においても軽度の刺激性〜中等度の刺激性が認められることから区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトのパッチテスト(IUCLID(2000))や、モルモットを用いたBuehler法などの試験(IUCLID(2000), HSDB(2003))において、いずれも陽性との結果が得られていることから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - ラットを用いた優性致死試験(生殖細胞を用いるin vivo経世代変異原性試験)において陽性の結果が得られている(IUCLID(2000))が、1用量のみの試験であり記述が不十分であり評価が困難である。なお、in vitro変異原性試験においては、エームス試験(IUCLID(2000))、CHO細胞を用いる染色体異常試験(HSDB(2003))で陰性、マウスリンフォーマ試験において陽性(IUCLID(2000))、CHO細胞を用いる突然変異試験では陰性と陽性の結果(IUCLID(2000)、HSDB(2003))が得られている。以上の結果よりin vivo試験「優性致死試験」の陽性結果は妥当性が判断できず、in vitroでは、陰性/陽性の知見があるが確定的な結論は導けず「分類できない」とした(専門家判断)。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットを用いた2年間の経口投与(混餌)試験、マウスを用いる79週の強制経口投与試験、21ヶ月の経口投与(混餌)試験、18ヶ月の経口投与試験において発がん性は認められていない(IUCLID(2000))ことから区分外とした。なお。マウスの皮下投与においても発がん性は確認されていない(IUCLID(2000))。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットの雌雄を用いた繁殖試験において発情周期の変化、受胎の遅延、全胎仔死亡率の増加等の影響等は認められていない(IUCLID(2000))、また、複数のラットの器官形成期の経口投与試験において仔の奇形の発生等の影響、着床後死亡による胎仔数の減少も認められない(IUCLID(2000))ことより区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分外 - - - - ラットを用いた4週間の経口投与試験(用量:100, 200, 500, 1000 mg/kg)の1000 mg/kgの用量.、3ヶ月のによる経口投与(混餌)試験(用量:18, 69, 282, 1125 mg/kg)の1125 mg/kgの用量、21ヶ月間の経口投与(混餌)試験(用量:15, 150, 1500 mg/kg)の1500 mg/kgの用量、56日間の強制経口投与試験の(125, 250, 500 mg/kg)の125、250mg/kgの用量において臓器重量以外の変化は確認されていない(IUCLID(2000))。いずれもガイダンスの範囲内では影響が見られないことから区分外とした。なお4週間吸入ばく露試験(6時間/日・5日/週、用量:0.0044, 0.0098, 0.0102 mg/L)の最高用量においてわずかな体重減少、臓器重量、生化学値の変化以外に病理学的変化は確認されていない(IUCLID(2000))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ニジマス)の96時間LC50=1.3mg/L(IUCLID, 2004)から区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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