GHS分類結果

名称:ジ‐ターシャリ‐ブチルペルオキシド
CAS番号:110-05-4

結果:
物質ID: 20A2169
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点18.3℃(NITE総合検索, Access on October, 2008)は23℃以下であり、初留点 109-111℃(Chapman Ver.16:2, 2008)は35℃超であることから区分2とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 有機過酸化物に分類されている。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点230℃(NITE総合検索, Access on October, 2008)より70℃超である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立されていない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類できない - - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、その酸素がO-O結合しているが、データがなく、分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
15 有機過酸化物 タイプE 警告 H242: 熱すると火災のおそれ P411+P235: ...℃以下の温度で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P234: 他の容器に移し替えないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P410: 日光から遮断すること。
P420: 他の物質から離して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
UNRTDG分類5.2, UN3107であることより、「タイプE」である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50>25000 mg/kg(DFGOT vol.3(1992)より区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - マウスのLD50>10000 mg/kg(PATTY(5th, 2001)より区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分外 - - - - ラットの4時間吸入によるLC50>4103 ppm(LC50>24.5 mg/L)(DFGOT vol.3(1992))より区分外とした。なお、飽和蒸気濃度は25℃で197mg/Lであることから蒸気による試験とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験において、刺激性なし(DFGOT vol.3(1992))とあることから区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験において刺激性なしの記載(DFGOT vol.3(1992))より区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo変異原性試験および複数指標のin vivo遺伝毒性試験のデータがないことから分類できないとした。なお、エームス試験(in vitro変異原性試験)のデータは陰性である(NTP DB, Access on October. 2008; PATTY, 2001; HSDB, 2003)。
6 発がん性 分類できない - - - - マウスの19ヶ月以上の試験(投与経路不明)において35匹中7匹で悪性リンパ腫、1匹で肺腺腫が見られた(HSDB(2003))とのデータがあるが、データ不足により分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(グッピー)による96h-LC50>1,000mg/Lであることから(IUCLID 2000)、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性毒性区分外であり、生物濃縮性が低いと推定される(LogPow=3.45(PHYSPROP Database 2008))ことから区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る