名称:ノルマルヘプタン酸
CAS番号:111-14-8
物質ID: | 20A2175 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点118℃(closed cup)(Sax(11th, 2004))であり、93℃以上であるためGHS区分に入る引火性液体ではない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が380℃(Sax(11th, 2004))である。分類指針において発火点70℃以上は区分外である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットにおけるLD50値 7000 mg/kg(JECFA No.906, access on 11. 2008)に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギにおけるLD50値 >5000 mg/kg(HSDB, 2008)に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットにおけるLC50値>4.6mg/L/4h(HSDB(2008))は、飽和蒸気圧濃度(0.07-0.035mg/L)以上で「ミスト」である。得られた情報は1試験のみで、区分4または区分外で特定ができず分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに、4時間暴露した結果、全個体において皮膚一次刺激指数5.6/8を示し、「腐食性」を示した(PATTY 5th, 2001)ことから区分1とした。EU分類においてR34(区分1Bまたは1C相当)である(EU-Annex I, access on 11. 2008)。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
皮膚腐食性物質(ウサギの皮膚刺激性試験に基づく(PATTY 5th, 2001)であることから、区分1とした。眼刺激性試験のデータなし。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivoのデータがなく、in vitro変異原性試験(エームス試験)の陰性結果(NTP Database, access on 11. 2008)のみで分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスを用いた18-20ヶ月間経皮試験において、皮膚がんはみられていない(PATTY(5th, 2001))。また、マウスを用いた経皮生涯試験 および80週間経皮試験においても、発がん性は認められていない(HSDB, 2008)。以上、得られたデータは1つの種および経皮投与試験のみであることから、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた催奇形性試験において、発生毒性に影響はみられていない(PATTY 5th, 2001),(HSDB(2008))。また、ラットの雌を用いた生殖・発生毒性試験でも影響はみられていない(HSDB, 2008)が、雄の生殖能力への影響が不明であるため、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験(1350-15380mg/kg 体重)において、不活発、流涎、呼吸困難、筋肉の衰弱および平伏などの症状が用量依存性を示したが、発生濃度は特定できなかった(HSDB, 2008)。以上の結果から区分3(麻酔作用)とした。なお、ウサギを用いた皮下投与試験(0.5ml投与、比重換算値460mg/kg)では、腹部の変色、肺、肝臓、脾臓および副腎に色素変化、右腎臓および胃内壁に濃紅色の病巣、腸に血管新生がみられたが、単一用量の試験であるため分類根拠に採用しなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットによる混餌試験(4週間、3400mg/kg: 90日補正1058mg/kg)で認められた症状は体重減少のみである(PATTY(5th, 2001))。ラットによる強制経口試験(27日間、0, 875, 1750, 3500mg/kg)において、875および1750mg/kg(90日補正262.5, 525mg/kg)に本物質に起因する顕著な毒性症状は認められないと記述がある(HSDB(2008))。以上の結果から、区分外(経口)に相当するが、他経路でのデータが不十分であることから分類できないとした。なお、ウサギによる経皮投与試験(2週間、500mg/kg: 25%溶液)においては、組織病理学的検査での結果は不明瞭(unrevealing)と記載されている(PATTY(5th, 2001))ことから分類根拠に採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchn eriella subcapitata)による72h-ErC50=60mg/L(環境省生態影響試験, 2001)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性分類は区分3であるが、甲殻類(オオミジンコ)による21d-NOEC=18mg/L(環境省生態影響試験, 2001)であることから、区分外とした。 |
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