名称:2-2(メトキシエトキシ)エタノール
CAS番号:111-77-3
物質ID: | 20A2176 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
密閉式で測定した引火点データが91℃(IUCLID(2000))、あるいは93 ℃(Merck 14th(2006))と、60℃超、93℃以下である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が215℃(ICSC(J)(2004))、あるいは245℃(IUCLID(2000))と70℃を超えている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含むが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 区分外 | - | - | - | - | 鋼およびアルミニウムは容器として耐久性があるとの情報(ホンメル(1996))により、区分外とした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値として、9210 mg/kg(ECETOC TR95(2005)), 6900 mg/kg(EU-RAR vol.1(1999)), 5500-7000 mg/kg(PATTY(5th, 2001)), 7100-12400 mg/kg(PATTY(5th, 2001))を含め多数の報告があるが、いずれも5000 mg/kgを超えている。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値として、9284 mg/kg(EU-RAR vol.1(1999)), 9400 mg/kg(PATTY(5th, 2001)), 8980 mg/kg(PATTY(5th, 2001))の他複数報告されいずれも5000mg/kgを超えている。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに大気中飽和濃度で6時間ばく露し、死亡例がなかったとの報告(EU-RAR vol.1(1999))があるが、常温での飽和濃度は260ppm [1.3mg/L]程度と推定され、用量としては低すぎるので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットに200mg/Lを1時間ばく露して死亡例がなく、LC50 > 200mg/L [4時間換算 >100mg/L](EU-RAR vol.1(1999))に基づいて区分外とした。なお、試験条件は推定飽和蒸気濃度(1.3mg/L)に比べてかなり高いので、ミストと推測される。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験で適用後3日目までの各観察時間でいずれも刺激性なし(no irritation)の結果(EU-RAR vol.1(1999))、およびヒト25人に25%ワセリンのパッチテストにより刺激性がなしの結果(not irritating)に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ眼に試験物質原液0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405)において、一次刺激スコア0.53で眼に対し刺激性なしとされた結論(EU-RAR vol.1(1999))に基づき区分外とした。なお、ウサギを用いたその他の眼刺激性試験の結果として、刺激性なし(not irritating)、軽度の刺激性(slightly irritating)、または中等度の刺激性(moderately irritating)が報告されている(IUCLID(2000))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたマキシマイゼイション試験(OECD TG 406)で陽性率0/10(EU-RAR vol.1(1999))の結果、およびヒトボランティアを用いたマキシマイゼイション法による試験でも感作性を認めなかった(EU-RAR vol.1(1999))ことから区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo のデータがないので分類できない。なお、in vitroではエームズ試験およびチャイニーズハムスターのV79細胞を用いた染色体異常試験で陰性結果 (EU-RAR vol.1 (1999)) が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験の高用量(1800 mg/kg/dayまたは2165 mg/kg/day)で、母動物の体重増加抑制と併せ同腹胎児数の減少、吸収胚の増加、奇形発生の増加が見られた(EU-RAR vol.1 (1999))。観察された奇形は全身水腫、尿閉、皮下血腫のような外表奇形に加え、重複大動脈弓、右側大動脈弓、心室中隔欠損の心臓血管系の内臓奇形が主であった(EU-RAR vol.1 (1999))が、内臓奇形に関しては用量依存的な増加を示し、母動物の一般毒性が現れなかった用量(600 mg/kg/dayまたは700 mg/kg/day)でも明らかに増加が認められた(EU-RAR vol.1 (1999)、HSDB (2007))ことから区分1Bとした。なお、仔の発生に及ぼす影響については、マウスでは大半の器官で奇形の発生(Teratogenic 12th(2007))が、またウサギでは影響が弱いものの吸収胚の増加(PATTY (5th, 2001) )としてそれぞれ報告されている。EUでは生殖毒性:カテゴリー3:R63に分類されている。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
経口投与により死亡前の症状であるがラットで平衡消失とめまい、マウスで傾眠の記載がある。ウサギに経皮投与後、めまい、不安定歩行、虚脱があり、ラットに吸入ばく露した場合には死亡の発生はなく、症状として麻酔、鈍麻が観察されていることから区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた20日間反復経口投与試験において、2000 mg/kg/dayで肝臓と精巣の重量減少、体重減少、胸腺の組織学的変化を示したものの、NOAELは500 mg/kg/day(90日補正:約111mg/kg/day)と報告されている(EU-RAR vol.1(1999))。また、ラットに6週間経口投与した試験では、3600 mg/kg/dayで肝臓、腎臓などの重量減少、特に精巣の萎縮、精巣上体における精子の変性と精子減少が観察されたが、NOAELは900 mg/kg/day(90日補正:約415mg/kg/day)と報告されている(EU-RAR vol.1(1999))。さらにラット1.016 mg/L/6hを90日間吸入ばく露した試験では、病理組織学的検査を含む各試験項目ともばく露の影響は観察されず、NOAELは1.016 mg/L/6h以上と報告されている(EU-RAR vol.1(1999))。以上のようにラットに反復ばく露した3試験において、いずれもNOAELがガイダンス値範囲の上限を超えていることから区分外(経口、吸入)に該当するが、経皮経路でのデータが不十分であるのでデータ不足で分類できないとした。なお、モルモットを用いた90日間経皮投与試験での全投与群(40〜1000 mg/kg/day)で肝細胞の軽度脂肪化が認められた(EU-RAR vol.1(1999))が、他の関連する検査項目に変化がなく、また反復投与試験ではモルモットの使用が稀なため背景データもなく、本所見の評価は難しいと述べられいる(EU-RAR vol.1(1999))。したがって分類には採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 藻類(セネデスムス)の96時間EC50>500mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=1192mg/L、魚類(ファットヘッドミノー)の96時間LC50=5700mg/L(いずれもEU-RAR, 1999)から区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度:1,000,000 mg/L(SRC, 2005))、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
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