名称:2‐(2,4‐ジクロロフェノキシ)プロピオン酸(別名ジクロルプロップ)
CAS番号:120-36-5
物質ID: | 20A2181 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及を含まず、塩素、酸素を含む有機化合物であるが、この塩素、酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50=825〜1470mg/kg(IUCLID(2000))、800mg/kg(IUCLID(2000))、344mg/kg(HSDB(2008))はいずれも区分4に該当する。 なお(+)体のみが除草剤としての生理活性を有していることから、ラセミ体(+/-)のデータは乏しい。従って、ラセミ体のデータがない場合は、(+)体のデータで評価した。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50 >4000mg/kgは区分外に該当する。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLC50値 >0.65mg/L/4h(HSDB(2008))のデータがあるが、このデータのみでは分類できない。なお、飽和蒸気濃度は0.2 mg/Lであることから粉塵で試験されたと考えられる。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いたドレイズ試験で刺激性(IUCLID(2000))、ラセミ体のウサギを用いたドレイズ試験においてMild〜Moderate(HSDB(2008))の結果と併せ、EU分類がR38としていることから区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギを用いたドレイズ試験で刺激性(IUCLID(2000))、ラセミ体を用いたウサギの試験においてsevere〜corrosive(HSDB(2008))の結果と、EU分類がR41であることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いたmaximization testにおいて感作性なし(IUCLID(2000))、ラセミ体を用いた感作性試験において感作性なしのデータ(HSDB(2008))から区分外に相当するがリスト2のデータであることから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | チャイニーズハムスターを用いたラセミ体の経口投与によるSCE試験(in vivo遺伝毒性試験)で陽性であったが、毒性用量でのみ陽性であるので判断できないとしている(HSDB(2008))。また、in vitro変異原性試験:エームス試験、CHL細胞を用いる染色体異常試験、V79細胞を用いる突然変異試験の結果は陰性(HSDB(2008))である。ラセミ体のin vivoデータはないが、チャイニーズハムスターを用いた(+)体の経口投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の結果が陰性(HSDB(2008))であるから区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(IARC(1987))でグループ2Bに分類していることより区分2とした。なお、ラットを用いた2年間の混餌試験、マウスを用いた18ヶ月の混餌試験において腫瘍の発生の増加は認められていない(IUCLID(2000))。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの2世代繁殖試験(OECD TG 416)で親の性機能および生殖能、仔の異常は見られていない(IUCLID(2000))。また、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した試験において、親の動物に毒性を示さない用量で、仔の臓器および骨格異常が認められている(IUCLID(2000))。また、マウスの発生毒性試験において口蓋裂を発生する(Birth Defects(3rd, 2000))。ラセミ体としてのデータはないが、(+)体のデータに基づき区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラセミ体での評価であるという確認が得られないが、ラットの経口投与において250 mg/kg bw 以上で神経作用(低体温、立ち上がり回数の減少、四脚の開き、立ち直り反応、握りの減少等)が見られるとの記載(HSDB(2008))より区分1相当であるがリスト2からのデータであることから区分2(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラセミ体でのデータではないが、ラットの90日間の経口投与試験(投与量:雄 7.2、36.7、193mg/kg、雌 8.3、41.4、208mg/kg)においてガイダンスの区分2を超える193、208mg/kgの用量で肝重量の変化、生化学、血液学的パラメータの変化、ガイダンスの区分2に該当する36.7、41.7mg/kgの用量で腎臓の重量変化以外に影響は認められていない(HSDB(2008))。ラットの13週間の経口投与試験(投与量:雄 20、224、683mg/kg、雌 33、380、1043mg/kg)におけるガイダンスの区分2を超える683mg/kg、1043mg/kgの用量で尿細管における好酸性の変化、肝重量の変化、生化学、血液学的パラメータの変化以外に影響は認められていない(HSDB(2008))。また、ラットを用いた13週間試験においても肝臓と腎臓に同様の変化が認められているだけであるが、いずれもガイダンスの範囲内での毒性発現の有無が明確でないことら分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)での96h-LC50=0.5mg/L(HSDB, 1998)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性が無い(SRC: BioWin V4.10)ことから、区分1とした。 |
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