名称:ノルマルブチルエーテル
CAS番号:142-96-1
物質ID: | 20A2202 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点が37℃(closed cap)(Merck(14th, 2006))で、≧23℃および≦60℃である。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が175℃(Ullmanns(E)(2003))で、70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含まず、酸素を含んでいるが、炭素以外の元素と化学結合しているものがない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有しない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値7.40 mL/kg(密度0.7684に基づき5686 mg/kg相当)(PATTY(5th, 2001))は区分外に該当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値10.08 mL/kg(密度0.7684に基づき7745 mg/kg相当)(PATTY(5th, 2001))は区分外に該当する。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラット吸入試験において4000 ppmで死亡率2/6であったが(PATTY(5th, 2001))、情報不足で分類できない。なお、飽和蒸気圧濃度は16447 ppmVであり、その90%値よりも低いため気体のカットオフ値を用いて評価した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギでの試験で刺激性のスコアが4(PATTY(5th, 2001))であり、また別の試験で壊死を伴わない重度の刺激炎症(HSDB(2008))が認められ、さらにEU分類がXi R38(EU-Annex I(2008))であることから区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギでの試験で角膜傷害の刺激性のスコアが1(PATTY(5th, 2001))であり、また、EU分類でXi R36であることから区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、Ames試験では陰性の結果だった(NTP DB(Access on November 2008))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器、肝臓)、区分3(麻酔作用) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(呼吸器、肝臓) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスの経口投与試験において、ガイダンスの区分2に該当する576mg/kgおよび457mg/kgの用量で脂肪肝が認められ(RTECS(2007))、ラットの吸入ばく露試験において、ガイダンスの区分2を超える20.2mg/L4時間の用量で、肺、気道の影響と脂肪肝が認められ(RTECS(2007))、さらに、マウスの区分1のガイダンス値に相当する10mg/L/30分(4時間換算:1.25mg/L)の用量で運動失調、肺、気道の影響(RTECS(2007))、10mg/L/75分(4時間換算:3.13mg/L)の用量で麻酔作用、肺、気道の影響と脂肪肝(RTECS(2007))、169mg/L/15分の暴露で麻酔作用が認められる。リスト3からのデータではあるが複数の試験において症状が共通して認められる事より区分1(呼吸器、肝臓)、区分3(麻酔作用)とした。なお、ヒトが200 ppm, 15分の蒸気にばく露すると眼と鼻に刺激性を生じるとの記述がある(HSDB(2008))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた4週間(5日/週)の強制経口投与試験で、甲状腺の軽度の組織変化が認められているが、circulating thyroxin(T4)or triiodothyronine(T3)レベルに変化は認められていない(HSDB(2008))。また、異物代謝酵素の活性亢進が区分2の用量に相当する200 mg/kg(90日換算:47.6mg/kg)の用量で認められている以外に影響は認められていない(HSDB(2008))。他のラットを用いた2つの4週間の経口投与試験においてもガイダンスの区分2を超える400mg/kg(90日換算:133mg/kg)または4000mg/kg(90日換算:1333mg/kg)の用量で異物代謝酵素の活性亢進以外に顕著な影響は認められない(RTECS(2007))ことから区分外(経口)に相当するが、他経路の情報がなく分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 26 mg/L(AQUIRE, 2008)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:3%(既存点検, 1986))ことから、区分3とした。 |
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