名称:ジシクロヘキシルカルボジイミド
CAS番号:538-75-0
物質ID: | 20A2205 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含んでいない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50: 400 mg/kg(NTP DB(access on Nov. 2008))及び雌雄とも1110mg/kg(厚労省報告(Access on Nov. 2008))に基づき区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | モルモットLD50:10 mL/kg(換算値9200 mg/kg)(NTP DB(access on Nov. 2008))は区分外である。なお、EUリスク警句R24(Toxic in contact with skin)が付けられている。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50: 159 mg/m3(0.159mg/L)/6時間の4時間換算値: 0.2385 mg/Lは区分2に該当する。なお37.65mg/m3が飽和蒸気濃度なので粉塵での暴露と考えられる。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
モルモットでは中等度から重度の刺激性(GESTIS(Access on Nov. 2008))及びマウスでは重度の刺激性(RTECS(2007))の記載がある。モルモットの所見は、投与24時間以内に重度紅斑及び中等度浮腫が見られたが1週間後には軽減し、2週間後には軽度紅斑のみであったが完全に脱毛が見られたと記載されている。これらに基づき区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの所見は投与1時間後で眼瞼、瞬膜及び結膜の軽度〜中等度発赤が見られ、24時間後では角膜の発赤及び退色が増強され、48時間後では虹彩の中等度発赤、軽度浮腫及び血管新生が見られた。14日後では角膜、角膜混濁及び瞬膜の変化は見られなかったが眼瞼肥厚及び部分的瘢痕ならびに眼周囲の脱毛が未だ観察された(GESTIS(Access on Nov. 2008))。この所見から投与後14日でも完全に回復が見られず、またEUリスク警句R41(Risks of serious damage to eyes)が付されている(EU-Annex I(2008))ことから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
パッチテストを含む複数のヒト(合成研究者及び製薬会社従業員)の症例が報告され(NTP DB(Access on Nov. 2008))、また、ドイツ学術振興会(DFG)において感作性物質にリストされている(List of MAK and BAT value(2007))。更にEUリスク警句R43(EU-Annex I(2008))が付されていることに基づき皮膚感作(区分1)とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo変異原性試験であるラット腹腔内投与骨髄小核試験は陰性であった(NTP DB(Access on Nov. 2008))との記載に基づき区分外とした。なお、マウス92日間経皮投与末梢血小核試験の結果小核赤血球が弱いながら有意に増加し弱陽性であったとの記載もある(NTP DB(Access on Nov. 2008))。なお、in vitro試験のエームス試験及び培養細胞染色体異常試験はいずれも陰性であった(厚労省報告(Access on Nov. 2008))(NTP DB(Access on Nov. 2008))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 遺伝子改変マウス(Tg.AC hemizygous mice)を用いた経皮投与試験の結果、投与部位に用量相関を伴ってsquamous cell papilloma(扁平上皮乳頭腫)の発生頻度が増加した(GESTIS(Access on Nov. 2008))。一方、p53ノックアウトマウスの試験では発がん性は認められていない(GESTIS(Access on Nov. 2008))。遺伝子改変していない通常の実験動物を用いる発がん性試験報告ではないことから、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラット単回投与繁殖試験の結果、着床前、着床後の仔の生存率、出産動物の生存率への影響が認められたと記載されているが(NTB DB(Access on Nov. 2008))仔の発生毒性の情報もなく、また試験方法も不明であるので分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(肝臓、腎臓) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた単回経口投与試験(OECD TG 401: GLP準拠)で500, 700, 1000, 1400, 2000 mg/kgを投与した結果、700 mg/kgで一般症状である自発運動量減少、呼吸緩徐、流涎が見られた。ガイダンス値の区分2相当である1000及び2000 mg/kg投与群の死亡動物の肝臓及び腎臓の病理組織学的検査を行ったところ肝臓小葉辺縁性肝細胞空胞化、壊死及びグリソン鞘結合織内出血が認められ、腎臓では尿細管上皮細胞硝子滴変性が認められたほかに暗赤色尿貯留動物には腎乳頭管内ヘモグロビン円柱が認められた(厚労省報告(Access on Nov. 2008))との記述により、区分2(肝臓、腎臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラット28日間反復経口投与試験、投与量15, 100, 500 mg/kg/dayの結果500 mg/kg/day(90日補正値156mg/kg/day)群で死亡例が見られ、病理組織学検査ではグリソン鞘周囲肝細胞壊死が見られ死因は肝障害によるものと推察された。自発運動量減少、流涎、体重増加抑制等の一般症状が見られ、肝臓重量増加、グリソン鞘周囲肝細胞腫大/細胞質好酸性化、十二指腸拡張/粘膜肥厚が見られた。検体投与中止により肝臓及び十二指腸の病理組織学的変化は消失し、その他の変化も消失/回復傾向が見られている。なお、十二指腸粘膜の病理組織学的変化は被験物質の有する刺激性により生じたものと推察されている厚労省報告(Access on Nov. 2008))。本試験条件下における無影響量は雌雄とも100 mg/kg/day(90日補正値31mg/kg/day)とされ(厚労省報告(Access on Nov. 2008))、ガイダンスの区分2を超える用量で認められた病理学的変化も投与の中止により消失することより区分外(経口)に該当するが、他経路でのデータがなくデータ不足で分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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