名称:N‐ジクロロフルオロメチルチオ‐N',N'‐ジメチル‐N‐パラ‐トリルスルファミド(別名トリルフルアニド)
CAS番号:731-27-1
物質ID: | 20A2212 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 自己反応性に関連する原子団(S=O:ハロゲン化スルホニル類)を含んでいるが、データがないため分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値が >5000 mg/kg bw(JMPR(2002))により区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値が >5000 mg/kg bw(JMPR(2002))により区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLC50値 が0.16、0.20、0.38 mg/L/4h(JMPR(2002))であることから区分2とした。なお、被験物質の飽和蒸気濃度は 0.028 mg/L であり、試験濃度 0.16 mg/L は飽和蒸気濃度を超える値であるから、粉塵で試験されたものと考えられる。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた試験が2件あり、結果は重度な刺激性(JMPR(2002))と刺激性なし(1%水溶液)(JMPR(2002))とある。EU分類においてXi; R36/37/38であることを考慮し、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験において、重度又は中等度の刺激性(JMPR(2002))を示し、更にEU分類においてXi; R36/37/38であることから区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いたBuehler testで感作性なしの結果が得られている(JMPR(2002))が、モルモットを用いたMaximization testで感作性あり(JMPR(2002))、マウスを用いた2つの試験(Local lymph node assay)で感作物質の可能性、感作性物質との結果(JMPR(2002))が得られていること、EU分類がXi; R43であることから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの優性致死試験(生殖細胞 in vivo 経世代変異原性試験)、チャイニーズハムスターを用いたgerm-cell cytogenetic assay(生殖細in vivo 胞変異原生試験)マウスを用いたスポットテスト、マウス及びハムスターの骨髄細胞を用いた小核試験、ハムスターの骨髄細胞を用いた染色体異常試験(いずれも体細胞 in vivo 変異原性試験)の結果が全て陰性(JMPR(2002))であることから、区分外とした。なお、in vitro 変異原性試験(Ames test、V79、CHO細胞を用いる遺伝子突然変異試験)は陰性、V79細胞を用いる染色体異常試験は弱い陽性、マウスリンフォーマアッセイは陽性、ヒトリンパ球を用いるcytogenetic assayは陽性(JMPR(2002))である。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いそれぞれ2回実施された混餌投与による2年間経口ばく露試験において、体重増加抑制が認められたものの死亡率に用量相関性のある影響は示されていない(JMPR(2002))。先ず、ラットの一試験の各投与群で唯一子宮の悪性腫瘍の発生頻度が対照群に比べ高かったが、これは通常的に発生する腫瘍であり、対照群の発生頻度が低かったことによるとされた(JMPR(2002))。ラットを用いたもう一つの試験では投与に関連した腫瘍の発生は高用量(7500 ppm)での甲状腺濾胞細胞の腺腫であったが、おそらく甲状腺刺激ホルモン濃度の増加とフィードバック機構の変化に関連しており、ヒトで甲状腺に影響を及ぼさないような濃度では発がん性の懸念はないと考えられた(JMPR(2002))。一方、マウスにおいては肝臓と肺の腺腫が対照群を含めて認められたが、マウスの2試験ともばく露に関連する腫瘍発生頻度の増加は見出されなかった(JMPR(2002))。以上の結果から、ラットおよびマウスを用いた各2回の試験のいずれも発がん性の証拠を示さなかったことにより区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた世代繁殖試験3件においてはいずれも性機能や生殖機能に影響は認められず(JMPR(2002))、またラット及びウサギの器官形成期の経口暴露においても仔の発生には影響は見られていない(JMPR(2002))ことから、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに吸入単回ばく露(粉塵)によるLC50値は0.16〜0.20 mg/kgであり、死亡例で観察された気道の形態学的変化のみならず、ばく露後に極度の呼吸困難、呼吸音とくしゃみ、重度の鼻分泌物、チアノーゼを示した(JMPR(2002))ことから、区分1(呼吸器)とした。 一方、神経毒性学的検討を主な目的としラットに最高2000 mg/kgまでを単回経口投与した試験では、回復性のある一般毒性症状を認めたのみで特異的な神経毒性の発現はなく、病理組織学的にもばく露の影響は示されていない(JMPR(2002))。なお、ラットおよびウサギに500 mg/kgを単回経口投与した試験の結果でも両動物種とも重大な毒性影響は見出されていない(JMPR(2002))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに4週間吸入ばく露により0.05 mg/L/6hr(90日ばく露換算:0.015 mg/L/6hr)で呼吸困難、異常呼吸音等の症状とともに死亡例が発生し、また、病理組織学的には鼻腔前部の扁平化生と角化、喉頭の扁平化生、気管の上皮落屑と円形細胞浸潤、気管支周囲と肺の線維化等が観察され、一部の所見は0.01〜0.004 mg/L(90日ばく露換算:0.003〜0.001 mg/L)の用量まで認められた(JMPR (2002))。 これらの呼吸器系に対する影響はいずれもガイダンス値区分1に該当する用量で発現していることから区分1(呼吸器系)とした。 一方、経口ばく露ではラットに3ヵ月、13週、2年、105週混餌投与した4試験、イヌに92日(混餌)、52週(カプセル)、および52週(カプセル)経口投与した3試験、マウスに105週混餌投与した1試験があり、いずれの試験もガイダンス値範囲内に該当する用量では重大な毒性影響を示さず(JMPR (2002))、さらにラットの3ヵ月、13週および2年の各試験ではガイダンス値上限以上の用量で重大な毒性影響が認められていない(JMPR (2002))。なお、マウスの105週間投与試験のガイダンス値範囲を超えた用量で、肝臓における好塩基性核内封入体およびリンパ組織球増多、腎臓で尿細管上皮の空胞化が認められている(JMPR (2002))。 また、経皮ばく露ではウサギに3週間投与により、皮膚適用部位への影響を除き高用量群の300 mg/kg/day(90日補正:約70 mg/kg/day)でも全身毒性の発現はなかった(JMPR (2002))と報告されているが、この結果のみではデータ不足で分類できない。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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