名称:(RS)‐アルファ‐シアノ‐3‐フェノキシベンジル=2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(別名フェンプロパトリン)
CAS番号:39515-41-8
物質ID: | 20A2275 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が325℃(農薬安全情報(住友化学 1989-II))と>70℃である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下(45-50℃:(Howard(1997)、有機化合物辞典(1985)、PM(14th, 2006))の固体の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点55℃以下であるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの試験でLD50値は雄で60mg/kg bw, 164mg/kg bw(農薬安全情報(住友化学 1989-II))、雌で70mg/kg bw, 107mg/kg bw(農薬安全情報(住友化学 1989-II))と全て区分3に該当することから、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットの試験でLD50値は雄>5000mg/kg bw, 雌>5000mg/kg bw であり、区分外(国連分類基準:区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの試験でLC50値は雄で>0.072mg/L(農薬安全情報(住友化学 1989-II)、雌で>0.072mg/L(農薬安全情報(住友化学 1989-II)のデータがあるが、この結果から区分2〜区分外のどの区分か判断できないので、このデータのみでは分類できない。(飽和蒸気圧濃度は0.000103mg/Lである) |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験で、刺激性なしのデータ(農薬安全情報(住友化学 1989-II))に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験で、軽度の刺激性(結膜に浮腫あるいは充血が観察され、刺激性ありと判断されたが、ごく軽度の、実際には問題にならない程度のものであった。)(農薬安全情報(住友化学 1989-II))に基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギを用いたBuehler testで陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-II))のデータから、区分外に該当するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いたin vivo 小核試験(骨髄)で陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-II))の結果から、区分外とした。なお、in vitro変異原性試験として、Ames試験及び染色体異常試験(チャイニーズハムスター卵巣培養細胞)で陰性(農薬安全情報(住友化学 1989-II))のデータがある。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラット(CD系)の2年間の経口投与試験(male : 0, 1.93, 5.71, 17.06 and 22.8mg/kg/day ; female : 0, 2.43, 7.23, 19.45 and 23.98mg/kg/day)で、ばく露量に相関した影響としては振せんが発現した。その他被検物質に関連した影響やばく露量に相関した病理的な異常は認められなかった(IRIS(2002))。前記と同じ試験と推定される、ラット(CD系)を用いた慢性毒性・発がん性併合試験(0, 50, 150, 450, 600ppm 混餌)で、血液学的、血液生化学的及び病理組織学的検査等を実施し、投与に関連すると思われる一貫した変化は認められなかった。また、観察されたいずれの腫瘍においても、その発生率は対照群と投与群との差はなく、発がん性は陰性であった(農薬安全情報(住友化学 1989-II))。また、マウスの2年間の経口投与試験(male : 0, 3.9, 13.7 and 56mg/kg/day ; female : 0, 4.2, 16.2 and 65.2mg/kg/day)で雌に軽微な過敏が見られたが、その他ばく露量に関連した毒性は認められなかった(IRIS(2002)。前記と同じ試験と推定される、マウス(CD-1系)を用いた慢性毒性・発がん性併合試験(0, 40, 150, 600ppm 混餌)で、病理組織学的検査の結果、非腫瘍性変化、腫瘍性変化のいずれにおいても投与に関連した変化はなく発がん性は陰性あった(農薬安全情報(住友化学 1989-II))。以上の情報から区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた2世代経口投与試験で、親に毒性を示すばく露量(6.0, 18mg/kg/day)で妊娠率、出産率、交配率などの繁殖能力に関する各パラメーターにばく露による影響は認められず、繁殖性に影響はなかった(農薬安全情報(住友化学 1989-II))。一方、3世代経口投与試験で、親に毒性を示すばく露量で生殖毒性に影響はなかったが、F2bの仔に振せんや死亡率の増加が認められた(IRIS(2002))。ラットの発生毒性試験(妊娠6-15日:0, 0.4, 1.5, 2, 3, 6 or 10mg/kg/day)で親に毒性を示すばく露量で骨格異常等は認められず、NOELは最高ばく露量以上(10mg/kg/day)と考えられた(IRIS(2002))。ウサギを用いた発生毒性試験(妊娠7-19日:0, 4, 12, 36mg/kg/day)で、親に毒性を示すばくろ量でばく露量に関連付ける異常や奇形は認められなかった(IRIS(2002))。以上の情報から、3世代試験で親に毒性を示すばく露量で仔に振せん死亡率の増加が認められたことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの急性毒性試験で中毒量で筋痙攣、振せん、失調性歩行、呼吸不規則などが観察された。(農薬安全情報(住友化学 1989-II))LD50値が60-164mg/kg bwであることから、ガイダンス値区分1(≦300mg/kg bw)の範囲のばく露量で筋痙攣、振せん、失調性歩行、呼吸不規則の発現が推定される。ガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List2 のデータであることから、ガイダンスにしたがって区分2(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの3ヶ月間の経口投与試験(0, 0.1, 0.5, 2.5 and 12.5 mg/kg/day)でばく露に関連した毒性影響はみとめられず、NOELは12.5 mg/kg./day以上であった(IRIS(2002))。一方、ラットの3ヶ月間の経口投与試験(0, 0.15, 1.5, 15 and 30 mg/kg-day))で雌の高用量群(30 mg/kg-day)に投与5週目に振せんの発現が認められ、11週目に観察されなくなったとあり(IRIS(2002))、イヌの13週の経口投与試験(0, 250, 500 and 750 ppm(0, 6.25, 12.5 and 18.75 mg/kg bw/day)で運動失調、振せん、嗜眠、あえぎが発現が観察された。特に、ガイドライン値区分2に該当する用量群(18.75 mg/kg bw/day)で振せん(IRIS(2002))が認められることから区分2(神経系)とした。なお、イヌの13週の経口投与試験で血液検査のパラメータの低値(hematocrit、hemoglobin、erythrocyte)、ラットの吸入試験(露時間の記述がない)で正球性貧血、血液成分の変化(e.g. TP, bilirubin, cholesterol)、コリンエステラーゼの変化等が発現したデータがある(RTECS(2007))。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.00053 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性でない(急速分解性推定結果(BIOWIN))ことから、区分1とした。 |
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