GHS分類結果

名称:石油留分
CAS番号:64742-52-5

結果:
物質ID: 20A2286
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの窒素・酸素のアンモニア・水としての解離、不飽和結合の飽和、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点が249℃(IUCLID(2000))で110℃以上である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの窒素・酸素のアンモニア・水としての解離、不飽和結合の飽和、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため爆発性・自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で金属分の触媒上への沈着分離が起こるため金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの酸素の水としての解離、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため酸素又はハロゲンを含まない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの酸素の水としての解離が起こるため分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50値が>15g/kgであるとの情報(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50値が>5 g/kgであるとの情報(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギを用いた皮膚刺激性試験で重度の刺激性(severe)のデータ(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギを用いた試験(OECD TG 405 GLP)(IUCLID(2000))において、軽度の刺激性(Slightly irritating)が認められ、7日以内に回復していることから区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットを用いたMaximization test(OECD TG 406 GLP))において皮膚感作性が認められない(IUCLID(2000)ことより区分外に該当するが、リスト2のデータであり他にデータが無いことから分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo試験のデータが無く、複数指標のin vitro変異原性試験強陽性のデータもないことから分類できない。なお、in vitro変異原性試験(Ames TestおよびMouse lymphoma assay)において陽性の結果が得られている(IARC vol.33(1984), IUCLID(2000))。
6 発がん性 区分1A 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCの分類がGroup 1であることから、区分1Aとした。なお、試験データとしては、マウスに80週間経皮投与した結果、31.0%(9/29)〜81.0%(34/42)に癌が発生したとの情報(IARC vol.33(1984))などがある。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ウサギに28日間経皮投与した試験(IUCLID(2000))において、区分2のガイダンス値を超える用量(1000mg/kg/28days, 90日換算値: 311 mg/kg)にてSGOT, SGPTの上昇が認められたとの情報があるものの、それ以外の情報はなく、データ不十分のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - 本物質は炭化水素であるが、40℃における動粘性率が20.5mm2/sを超えている(145mm2/s(40℃)(CONCAWE 1.product dossier no. 97/108(1997))。その他の分類に必要なデータはなく、分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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