GHS分類結果

名称:石油留分
CAS番号:68476-31-3

結果:
物質ID: 20A2297
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの窒素・酸素のアンモニア・水としての解離、不飽和結合の飽和、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点が>54℃(EHC, ATSDR)、あるいは≧55℃(CONCAWE, ATSDR)であり、≧23℃および≦60℃の範囲である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの窒素・酸素のアンモニア・水としての解離、不飽和結合の飽和、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため爆発性・自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が254-285℃(ACGIH)、あるいは263℃(EHC, ATSDR)である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で金属分の触媒上への沈着分離が起こるため金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの酸素の水としての解離、さらに金属分の触媒上への沈着分離が起こるため酸素又はハロゲンを含まない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義による液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 水素化精製過程で炭化水素からの酸素の水としての解離が起こるため分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50値 7500mg/kg(EHC), 74000mg/kg(IUCLID), マウスのLD50値 >16000mg/kg(EHC)
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - マウスのLD50値 >16000mg/kg(EHC), >40000mg/kg(EHC) ラビットのLD50値 >5000mg/kg(EHC)
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類できない - - - - LD50値>NOAEL NOAEL(6hrs*10days)(ATSDR)の4hrs換算値は401.5*√60/√4≒1500ppmV JIS区分3相当〜区分外
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - LD50値>NOAEL NOAEL(6hrs)(ATSDR)の4hrs換算値は 2.7mg/L*6/4=4.05 JIS区分4相当または区分外
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - ラビットのGLP準拠試験で「重度な刺激性(severely irritating)」(IUCLID)のデータ(区分1あるいは2相当)があるも、ラットおよびラビットで「反応なし」(EHC, ACGIH)のデータ(区分外相当)がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ラビットでのGLP準拠試験でDraize score 0.0(not irritating)(IUCLID)
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 感作性なしとの記述あるも(EHC)、データがない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 感作性なしとの記述あるも(EHC)、データがない。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
生殖細胞 in vivo変異原性試験(Rodent dominant lethal test)は陰性(ATSDR)。体細胞 in vivo 変異原性試験(Mammalian bone marrow chromosome aberration test)で陽性(ATSDR)。生殖細胞 in vivo遺伝毒性試験データなし。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスへの経皮投与で、104週間でsquamous-cell(扁平上皮細胞)papillomas(乳頭腫)とcarcinomas(EHC)、およびHepatocellular adenoma(肝細胞腺腫)or carcinoma(ATSDR)が観察されたとの記載。 IARCはGroup2B:Marine diesel fuel is possibly carcinogenic to humans と記載。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 13週間の吸入(ミスト)投与で生殖器官の重量、組織に影響なしとしているが、仔の発生毒性のデータがない。(ACGIH) 妊娠6-15日での吸入(ミスト)暴露では親への一般毒性的影響のみで、仔の発生毒性、性比への影響なしとしているが、妊娠以前の暴露による性機能、生殖能への毒性データなし。(ACGIH)
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(循環器、呼吸器) 危険 H370: 臓器の障害(循環器、呼吸器) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
吸入(蒸気)暴露で気管支炎、心室性頻脈の発症(ACGIH)。経口暴露で肺臓損傷(toxic lung disease)(ACGIH)
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 経皮投与ではNOAEL 2000(ATSDR), 1000(EHC), <250(ATSDR)mg/kg/day(皮膚)、4000(ATSDR), <228(ACGIH), <250(ATSDR)mg/kg/day(腎臓)などバラツキあり。 吸入(ミスト)投与では、腎臓、神経系、全身を除き区分外相当。(EHC, ACGIH, ATSDR)
10 吸引性呼吸器有害性 区分1 危険 H304: 飲み込んで気道に侵入すると生命に危険のおそれ P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P331: 無理に吐かせないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの肺臓への重大な損傷について複数例の記載(ACGIH)がある。 動粘性率が45-125SUS(EU-Annex I)(換算値8.6-27.0mm2/s)(37.7℃)である。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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