名称:メチル=(E)‐2‐{2‐[6‐(2‐シアノフェノキシ)ピリミジン‐4‐イルオキシ]フェニル}‐3‐メトキシアクリラート(別名アゾキシストロビン)
CAS番号:131860-33-8
物質ID: | 20A2326 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 自己反応性に関わる原子団を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 塩素及びフッ素を含まず、酸素を含むが、この酸素は水素、炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラット:LD50>5000mg/kg(GLP対応)(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))により区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラット:LD50>2000mg/kg(GLP対応)(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))によりJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
粉塵の平均粒子径1.13-1.35umにおけるラット:LC50=0.926mg/L/4h(雄)、LC50=0.698mg/L/4h(雌)(GLP対応)(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))、粉塵の平均粒子径14.6umにおけるラット:LC50>4.7mg/L/4h(GLP対応)(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))のデータがあり、毒性の強いほうを採用し区分3とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験(GLP対応)において、4時間適用で、観察期間中の紅斑及び浮腫のDraizeスコアの平均は、24時間後0.4、48時間後0.4、72時間後0.4であり、7日後には炎症は消失した(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。以上の結果により区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた眼一次刺激性試験(GLP対応)において、適用24時間後のDraizeスコアの平均は1であり、2日後には完全に回復した(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。以上の結果により区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 20匹のモルモットを用いたMaximisation test(Magnusson & Kligman)(GLP対応)において、惹起後24時間後の感作反応動物数0匹、同じく48時間後も0匹であり、結果は陰性であると思われるとの報告がある(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。以上の結果は区分外に相当するが、リスト2のデータであり分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原生試験)(GLP対応)において陰性の結果であるため区分外とした(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。なお、ラットの肝細胞を用いた不定期DNA合成試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)においても陰性である。in vitro変異原性試験:ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験は何れも陽性であるが、エームズ試験では陰性である(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | マウス及びラットを用いた混餌投与による104週の発がん性試験(GLP対応)において、いずれの種においても腫瘍性病変の発現頻度に投与の影響は見られず、催腫瘍性はないと判断される(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))との記述より区分外に該当するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口による2世代繁殖試験(GLP対応)において、F0、F1親動物で胆管炎などを含む一般毒性が示された用量で、繁殖能に関わる影響はなかった(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。ラットを用いた器官形成期の経口投与試験(GLP対応)において、親動物に一般毒性が示された用量で催奇形性は見られなかった(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。また、ウサギを用いた器官形成期の経口投与試験(GLP対応)においても、親動物に一般毒性が示された用量で、子宮内の胎児数、発育、生存率及び発生に対する当該物質の影響は見られず、奇形及び変異の発生頻度に対する影響も見られなかった(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))ことから区分外に該当するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与による神経毒性試験(GLP対応)において、2000mg/kg投与群の雌雄共に中枢及び末梢神経組織に関連した変化、神経行動毒性所見及び神経系の病理組織学的所見は認められなかったとの記述がある(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))が、その他にデータがなく、データ不足により分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた90日間の混餌による反復曝露試験(GLP対応)において、4000ppm(雄444mg/kg/day、雌449mg/kg/day)でGGT活性の顕著な増加及び肝重量増加を含む肝臓への影響が認められ、病理組織学的所見として、肝内胆管/細胆管及び卵円形細胞の増生、肝外胆管の胆管炎が見られた(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。またラットを用いた104週の混餌投与による慢性毒性/発がん性併合試験(GLP対応)において、雄1500ppm(108.6mg/kg/d)投与群の途中死亡動物で、投与に関連した総胆管の拡張がみられ、この変化に伴い、肝で胆管上皮過形成および胆管炎の発現頻度増加が見られた。主要な標的臓器は胆管であると考えられ、雄のみに限定しており、雌では見られなかった。この試験は途中で、1500ppm(108.6mg/kg/d)群で雄の死亡例が増加したため最大耐量を上回ると判断し、雄のみ53週に750ppm(34mg/kg/d)に引き下げられた。投与量を引き下げた以降、投与に関連した影響は見られなかった。(農薬抄録(2008), 農薬評価書(2006))。両試験とも胆管への影響が認められているが、90日の反復曝露試験では区分2のガイダンス値を超えており、また104週の慢性毒性/発がん性併合試験では死亡動物にのみ影響が見られているため区分には採用しなかった。以上、経口投与試験のみのデータしかなく、21日間の経皮曝露試験に関してはNOAELが1000mg/kg/dayの記述はあるが(Pesticide Fact Sheet(1997))試験の詳細はない。また吸入曝露試験においてはデータがないため以上により分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=0.056 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
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