名称:砒酸
CAS番号:7778-39-4
物質ID: | 20A2340 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液は不燃性(HSDB(2006)では0.5水和物を不燃性としている)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液は不燃性(HSDB(2006)では0.5水和物を不燃性としている)。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液は液体であり、液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外(水溶液) | - | - | - | - | 水に対して安定(水溶液中でのみ存在する(Lide,84th,2003))。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む無機化合物であり、ICSC(2004)では80%水溶液を強力な酸化剤としているが、データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1553(液体))。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 水溶液はGHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外(水溶液) | - | - | - | - | 有機化合物でない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1(国連番号1553(液体))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50 48, 48-100 mg/kg(HSDB(2003))から、区分2とした。 なお、ヒ酸は水溶液中でのみ存在する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 無機ヒ素化合物として刺激性を示すとの記述(DFGOT vol.21, 2005)があるがデータ不足で分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
無機ヒ素化合物はヒトに眼刺激性を示すとの記述(HSG 70, 1992; PIM 042, 1996)より、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質自身のデータはないが、無機ヒ素化合物としてヒトに皮膚感作性を示す可能性があるとしているが確定的な結論ではないこと(ATSDR, 2007; HSG, 1992)、加えて、EHC 224(2001)のヒトにおける記述”無機ヒ素の皮膚感作性の発現はまれである”ことから、データ不足のため分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vitro 染色体異常試験では陽性である(NITE初期リスク評価書(2008))が、データ不足で分類できない。 |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NTP(2005)でK(Arsenic Compounds, Inorganic)、IARC(1987)でGroup 1(ARSENIC AND ARSENIC COMPOUNDS)、ACGIH(2001)でA1(Arsenic and inorganic compounds)、日本産業衛生学会で1(ヒ素およびヒ素化合物(Asとして))に分類されていることから、「区分1A」とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 224(2001)、NITE初期リスク評価書(2008)の記述から、マウス、ラット、ウサギ経口投与試験で母動物に一般毒性影響のみられる用量で、吸収胚の増加や胎児体重の減少がみられたことにより区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(消化器系、循環器系、神経系、血液系、呼吸器、皮膚、腎臓、肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(消化器系、循環器系、神経系、血液系、呼吸器、皮膚、腎臓、肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の単回暴露による致死性以外のデータは見つからなかったがヒトでは、「ヒ素化合物のヒトでの急性毒性としては消化管、心血管系、神経、血液系の症状、結膜炎及び皮膚炎を生じさせるとともに鼻粘膜、咽頭、気管への刺激、ヘモグロビン塊の尿細管遮断による頻尿もしくは無尿症」(IARC 23(1980))、「骨髄機能抑制、肝臓肥大」(EHC 224(2001))等の記載があることから、消化管、循環器、神経、血液系、呼吸器、皮膚、腎臓、肝臓が標的臓器と考えられた。以上より区分1(消化器系、循環器系、神経系、血液系、呼吸器、皮膚、腎臓、肝臓)に分類した。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(消化器系、循環器系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、呼吸器系、皮膚) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(消化器系、循環器系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、呼吸器系、皮膚) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質の反復暴露によるデータは見つからなかったが、ヒ素及び無機ヒ素化合物に関するEHC 224(2001)のヒトにおける記述”胃腸管障害、神経障害、血液系への影響、心血管系、腎臓、肝臓の異常が見られた。標的臓器は胃腸管、心臓、脳及び腎臓である。皮膚、骨髄及び末梢神経系も影響を受ける”、加えてACGIH(2001)の上部気道及び肺への影響との記述より、区分1(消化器系、循環器系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、呼吸器系、皮膚)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - | - | - | - | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - | - | - | - | - | - |
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