名称:硫酸ニッケル(II)
CAS番号:7786-81-4
物質ID: | 20A2373 |
分類実施者: | 厚生労働省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2004))である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2004))であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC,2004)である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 金属化合物であるが、水溶解度40.4g/100g(25℃)(Lide(88th,2008))で水に対して安定である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | ニッケル及びイオウと結合する酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値46 mg/kg(雄)および39 mg/kg(雌)(区分2に該当)(ATSDR(2005))、500 mg/kg(区分4に該当)(ECETOC TR33(1989))、275 mg/kg(区分3に該当)(ECETOC TR33(1989))、325 mg/kg(区分4に該当)(ECETOC TR33(1989))から該当区分の多い区分4と判断した。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギのDraize試験報告(RTECS(2008))があるが試験結果の記載がなくデータ不足で分類できない。なお、EU分類ではR38でXiと分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EU分類R42/43であり、ニッケルないしニッケル化合物として日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2008)で気道感作性物質(第2群)に、DFG(MAK/BAT No43(2007))で気道感作性物質に分類されていることから、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
アレルギー性接触型アトピー性皮膚炎と疑われた4140症例のうち女性の23.8%、男性の5.2%にニッケル感作性が明らかであるとしている(DFGOTvol.22(2006))。また、EU分類R42/43であり、ニッケルないしニッケル化合物として日本産業衛生学会の許容濃度等の勧告(2008)で皮膚感作性物質(第1群)に、DFG(MAK/BAT No43(2007))で皮膚感作性物質に分類されていることから、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラット精原細胞を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)(EHC 108(1991))陰性、ラット骨髄細胞を用いたi染色体異常試験およびマウス骨髄細胞および末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(EHC 108(1991))であることから区分外と判断した。なお、in vitro変異原性試験:エームス試験は陰性(EHC 108(1991))、V79細胞を用いた突然変異試験は陽性(IARC 49(1990))、マウスリンフォーマ試験の結果は弱陽性(EHC 108(1991))である。 |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(1990)でグループ1(IARC 49(1990))、EUはカテゴリー1(EU-Annex I(2009))、日本産業衛生学会では第1群(産衛学会勧告(2008))、NTPではK(NTP RoC(11th, 2005))に分類していることより区分1Aとした。なお、可溶性無機ニッケルをACGIHはA4(ACGIH-TLV(2008))、EPAはD(IRIS(1991))に分類している。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの経口投与による2世代生殖毒性試験において雌雄ともに生殖器官への病理学的な変化および生殖能および性機能への影響は認められていない(ATSDR(2005))。また、他のラットの経口投与による生殖毒性試験においても生殖能および性機能への影響は認められていないが、仔の発生毒性についてはデータが不十分であり分類できないとした。 他のニッケル化合物(塩化ニッケル等)の有害性を相互参照のこと。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラット吸入試験においてガイダンス値の区分1に相当する36.5 mg Ni/m3(0.037mg/L/2h;4時間換算、0.018mg/L/4h)の用量で、肺に出血が認められた(ATSDR(2005))とあるが、症状の程度が不明であり、他にデータがない事から分類できないとした。 他のニッケル化合物(塩化ニッケル等)の有害性を相互参照のこと。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器、雄性生殖器) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器、雄性生殖器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの吸入暴露13週間投与試験で肺の慢性活動性炎症、好中球増加症などが用量>0.00006mg Ni/L(雌)、0.00022mg Ni/Lないし0.0004mg Ni/L(雄)が認められ、Lymphocytosis、リンパ節過形成、嗅上皮退行性変化などが0.0004mg Ni/Lおよび0.0004mg Ni/L(雌雄)が認められた(NTP TR454(1996))。また、ラットの吸入暴露2年間投与試験でも炎症性肺障害、肺線維症などの肺病変が用量0.00006mg Ni/Lおよび/または0.0001mg Ni/L(雌雄)(7ヶ月・15ヶ月・試験終了時)で認められ、リンパ節過形成や嗅上皮退行性変化が用量0.0005mg/L(雌雄)(試験終了時)で認められた(NTP TR454(1996))。これらの用量はいずれもガイダンス値区分1に該当し、鼻腔および肺への病変が認められたことから、区分1(呼吸器)とした。また、ラットの雄の120日間の経口投与試験のガイダンスの区分2に相当する25mgNi/kgの用量で精巣への影響、マウス雄の35日間の経口投与試験のガイダンスの区分1に相当する1.1mgNi/kgの用量において精嚢、精巣上体と中心部輸精管萎縮が認められている事から区分1(雄性生殖器)とした。 他のニッケル化合物(塩化ニッケル等)の有害性を相互参照のこと。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - | - | - | - | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - | - | - | - | - | - |
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