名称:1,1,1-トリクロロエタン
CAS番号:71-55-6
物質ID: | 20A2377 |
分類実施者: | 厚生労働省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点なし(ホンメル(1991)Card No.196、Sax(8th、1992)p2287-2288)。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | Nonflammable.(Merck(Access on May 2005)) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | Nonflammable.(Merck(Access on May 2005)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属原子を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素またはフッ素を含んでいない。塩素を含むが、この塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値=10300mg/kg(PATTY(4th, 1994)、ATSDR(2004))、12996mg/kg(ATSDR(2004))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値=116000mg/kg(ACGIH,2001)および15800mg/kg(EHC 136(1992))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50(3時間)値=18000ppm(3時間)、18400ppm(4時間)、13000ppm(6時間)、14250ppm(7時間)、(EHC 136(1992))に基づき、蒸気圧からこれらのLC50値では本化合物の状態はほぼ気体相に近い蒸気であると判断されることから、蒸気の基準値を用いて区分した。4時間暴露LC50値は68.7〜102.7mg/Lであり、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
EHC 136(1992)およびATSDR(2004)のヒト暴露例で刺激性を示すとの記述、EHC 136(1992)およびATSDR(2004)のウサギで中等度の刺激性を認めたとの記述、ならびにACGIH(7th, 2001)およびATSDR(2004)のモルモットで中等度の刺激性を認めたとの記述から、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
EHC 136(1992)およびATSDR(2004)のヒト暴露例で軽度な刺激性がみられたとの記述、ならびにEHC 136(1992)、PATTY(4th, 1994)およびATSDR(2004)のウサギで軽度または中等度の刺激性が認められたとの記述から、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | アレルギー性接触皮膚炎の1症例の報告があるが添加されている安定剤が原因である可能性には触れられていない(ATSDR(2004))。また、本物質を含む洗剤にアレルギー反応がみられた1症例の報告があるが、原因物質は特定されていない(BUA 156(1994))。一方、50人のボランティアで3週間に18回の皮膚適用では皮膚アレルギー反応はみられなかったとの記述(BUA 156(1994))、ならびにモルモット試験で皮膚感作性はみられなかったとの記述(BUA 156(1994))があることから、皮膚感作性はないと判断し、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いる優性致死試験で陰性(EHC 136(1992))であること、およびin vivo体細胞変異原性試験(ラット骨髄染色体異常試験およびマウス骨髄/末梢血小核試験で陰性(EHC 136(1992)、IARC 71(1999)、NTP DB(Access on Aug 2005)、ATSDR(2004))であることから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
吸入によるがん原性試験の結果、ラットの雄に腹膜の中皮腫の発生増加、マウスの雄にハーダー腺の腺腫と脾臓由来の悪性リンパ腫および細気管支-肺胞上皮癌、マウスの雌に肝細胞腺腫と細気管支-肺胞上皮腺腫の発生増加が認められ、癌原性が示された(厚生労働省癌原性試験, 1996)。この結果に基づき厚生労働省より「1.1.1-トリクロルエタンによる労働者の健康障害を防止するための指針」(厚労省指針, 1997)が出されていることから区分2とした。なお、EPAでD、IARC 71(1999)でグループ3、ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されているがこれらの評価にはこの試験結果は含まれていない。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 136(1992)、PATTY(4th, 1994)、IARC 71(1999)、NTP DB(Access on Aug 2005)、ATSDR(2004)およびACGIH(7th, 2001)のラット、マウスまたはウサギを用いた交配前、妊娠中または授乳中投与試験、あるいはマウスの多世代繁殖性試験において、胎児/生後児に変異・化骨遅延および体重低値などの最小限な影響はみられるものの、生殖機能、生殖能力または発生に対する悪影響は報告されていないとの記述がある。一方、ATSDR(2004)に、ラット妊娠中吸入暴露試験で親動物に一般毒性が発現する用量で出生児死亡率の上昇や児の行動に変化が見られるとの報告があることから、区分2とした。なお、ATSDR(2004)に疫学調査の記述があるが、生殖毒性と暴露との明確な関連は示されていない。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、心臓)、区分3(麻酔作用、気道刺激性) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(中枢神経系、心臓) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 136(1992)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)、IARC 71(1999)、産衛学会勧告(1974)およびATSDR(2004)のヒト暴露例で中枢神経抑制作用がみられるとの記述、PATTY(4th, 1994)およびATSDR(2004)のヒト暴露例でアドレナリン作用に対する心臓の感受性亢進による不整脈等がみられるとの記述から、標的臓器は中枢神経系及び心臓と考えられ、区分1とした。また、ATSDR(2004)およびACGIH(7th, 2001)のヒト暴露例で麻酔作用が認められたとの記述、およびATSDR(2004)のヒト暴露例で軽度な気道刺激性がみられたとの記述から、区分3とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、肝臓、心臓)、区分2(肺) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、肝臓、心臓) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肺) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 136(1992)、ACGIH(7th, 2001)、PATTY(4th, 1994)、IARC 71(1999)、産衛学会勧告(1974)およびATSDR(2004)のヒト反復暴露で中枢神経症状がみられるとの記述、ATSDR(2004)のヒト反復暴露例で不整脈がみられたとの記述、ならびにEHC 136(1992)、IARC 71(1999)、ATSDR(2004)のヒト反復暴露例で肝障害がみられたとの記述から、標的臓器は中枢神経系、心臓および肝臓と考えられ、いずれも区分1とした。さらにACGIH(7th, 2001)の中等度濃度吸入でモルモットに肺への影響がみられたとの記述から、区分2とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - | - | - | - | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - | - | - | - | - | - |
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