GHS分類結果

名称:四フッ化ケイ素
CAS番号:7783-61-1

結果:
物質ID: 21A3556
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 酸化および還元に安定で不活性(Silicon tetrafluoride is stable and inert to oxidation and reduction(Matheson 7th(2001))であるという情報と、UNRTDG(UN1859)でクラス2.3であり、2.1がついていないので区分外とした。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 酸化および還元に安定で不活性(Silicon tetrafluoride is stable and inert to oxidation and reduction(Matheson 7th(2001)))であるという情報から区分外とした。
5 高圧ガス 高圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度-14.15℃(Matheson)は-50℃と+65℃の間にあるので「高圧液化ガス」とした。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、水の存在下で分解してフッ化水素を発生し、多くの金属を侵す(ICSC 0576(1997))との情報がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。 [ 水の存在下でフッ化水素を発生するので、有害性についてはフッ化水素も参照のこと」
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。 [ 水の存在下でフッ化水素を発生するので、有害性についてはフッ化水素も参照のこと」
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類できない - - - - ラットLC50 = 2272 ppm(RTECS(2009;Journal of Toxicological Sciences vol. 18, 394, 1993)との情報があるが、暴露時間が不明で分類できない。 [ 水の存在下でフッ化水素を発生するので、有害性についてはフッ化水素も参照のこと]
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。 なお皮膚と眼に対し腐食性を示す(ICSC(J)(1997))との記述があり、また四フッ化ケイ素は水の存在下でフッ化水素を発生し刺激性を有する(PATTY 5th(2001))との記載があるので注意を要する。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。 なお皮膚と眼に対し腐食性を示す(ICSC(J)(1997))との記述があり、また四フッ化ケイ素は水の存在下でフッ化水素を発生し刺激性を有する(PATTY 5th(2001))との記載があるので注意を要する。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足。 疫学調査により、フッ化水素と四フッ化ケイ素が共存する職業暴露環境下で末梢血染色体異常や小核の発生頻度の増加の情報があるが、四フッ化ケイ素の寄与の程度が不明である。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足。 なお、List 3の情報として、RTECS(2006)にラットを用いた急性毒性試験(吸入暴露)で肺水腫、肺気腫等の記述が見られるが、曝露時間の記載がなく具体的な試験内容も不明である。また、EHC 36(1984)には「気道刺激性物質である」と記述され、HFの吸入暴露による症状が記載されている。また四フッ化ケイ素は水の存在下でフッ化水素に分解するので注意を要する。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。 なお、フッ素を含む飲料水による骨フッ素沈着症に関する情報がある(EHC 227(2002))。また四フッ化ケイ素は水の存在下でフッ化水素に分解するので注意を要する。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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