名称:デカン
CAS番号:124-18-5
物質ID: | 21A3579 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点が46℃(密閉式)(NFPA(13th, 2006))で、23℃以上および60℃以下であるため区分3とした。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が205℃(Ullmanns(E)(2003))で70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS の定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 >5000 mg/kg(OECD TG401)(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 > 2000 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | マウスのLC50値 72.3 mg/L/2h(= 51.1 mg/L/4h)(PATTY(5th, 2001))に基づき区分外とした。なお、LC50は飽和蒸気圧濃度(11.0 mg/L)以上であり、ミストと判断した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG404:GLP準拠)において軽度の刺激性(slightly irritating)の結果(IUCLID(2000))、ウサギを用いた別の試験(Directive 84/449/EEC, B.4)で最大平均スコアは72時間後の紅斑についての1.5であり、軽度の刺激性(slightly irritating)との結果(IUCLID(2000))により、JIS分類基準の区分外(国連GHS分類の区分3に相当)とした。なお、ヒト被験者の皮膚に30%溶液を24時間適用した試験では刺激性なし(no irritation)と報告されている(HSDB(2003))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG405:GLP準拠)において、刺激性の最大平均スコアは24および48時間後の結膜についての1であり、刺激性なし(not irritating)の結果(IUCLID(2000))、およびウサギを用いた別の試験(Directive 84/449/EEC, B.5)では最大平均スコアは24時間後の結膜についての1であり、刺激性なし(not irritating)の結果(IUCLID(2000))より、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivoの試験データが無く分類できない。なお、in vitro試験として、Ames試験で陰性の報告(NTP DB(access on June 2009)がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた急性毒性試験の所見として、経口投与(OECD TG 401: GLP)の場合5000 mg/kgで死亡なしの記述のみ(IUCLID(2000))、経皮投与(OECD TG 402: GLP)の場合は2000 mg/kgでは死亡はなく、最終の剖検所見は正常であったと記述され(IUCLID(2000))、吸入投与(OECD TG 403)においては8 mg/L/8h(ミスト)で死亡または特別な症状はなかったと報告されている(IUCLID(2000))。以上の3経路の用量はいずれもガイダンス値範囲を超えており、ガイダンス値範囲内では重大な毒性の発現が認められない。しかし、マウスにガイダンス値範囲内の540 ppm(3.14 mg/L/3.75h)の蒸気ばく露で死亡例があり、死因は報告されていない(HSDB(2003))。以上より、経口および経皮ばく露では区分外に相当するが、吸入ばく露で蒸気の場合にはデータ不足のため分類できない。したがって、特定標的臓器(単回ばく露)の分類は総合的に「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに540 ppm(3.14 mg/L/18h)を57〜123日間蒸気によるばく露試験で総白血球数の減少などが認められ(PATTY (5th, 2001))、マウスに0.1-0.15 g/匹の用量を50週間経皮投与した試験では肺と腎臓への影響が観察されたとの記載(PATTY (5th, 2001))があるが、いずれもガイダンス値範囲を超えた高用量での所見のため、データ不足で「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、本物質の動粘性率は1148 mm2/s(25℃)、819 mm2/s(50℃)である。また、デカン0.2mlをラットに吸引暴露させた結果、肺水腫と出血を起こし、24時間以内に死亡した。デカンは脂溶性であり吸引により肺炎を起こすとの報告(PATTY (5th, 2001))がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 0.029 mg/L(IUCLID, 2000)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、LogPow=5.01(PHYSPROP Database, 2010)より生物濃縮性が高いと考えられることから、区分1とした。 |
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