名称:クロロ酢酸メチル
CAS番号:96-34-4
物質ID: | 21A3580 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点52℃ [密閉式](IUCLID(2000))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は465℃(ホンメル(1996))であり、70℃を超える。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、酸素、塩素を含む有機化合物であるが、これらの酸素、塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値107 mg/kgおよび140 mg/kg(DFGOT Vol.9(1998))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットについては、LD50値137 mg/kg(DFGOT Vol.9(1998))および470 mg/kg(DFGOT Vol.9(1998))に より感受性の高い区分2となる。ウサギについては、LD50値318 mg/kg(DFGOT Vol.9(1998))により区分3となる。両動物種のうち危険性の高いラットのデータに基づき区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLC50値約 300 ppm(DFGOT Vol.9(1998))および210-315 ppm(OECD TG 403: GLP)(IUCLID(2000))に基づき、区分2とした。なお、毒性値が飽和蒸気圧濃度(10039 ppm)の90%以下のため、気体の基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに 0.5mL(約300 mg/kg)を閉塞適用した試験で浮腫と腐食性が認められ、2〜8時間で全例が死亡した(DFGOT Vol.9(1998))。用量を下げて125 mg/kgを24時間閉塞適用した場合も重度の皮膚損傷と腐食が現れた(DFGOT Vol.9(1998))。さらに、別にウサギを用いた試験(FDA guidelines)では、壊死を伴う重度の紅斑と浮腫を示し、皮膚一次刺激指数が6.6〜6.8との報告(BUA 150(1994))もある。以上のように複数の試験で不可逆的な損傷が認められていることから、区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの結膜嚢に適用した試験で、重度の刺激性(severe irritation)及び不可逆的な角膜損傷(血管新生、剥離、瘢痕)と虹彩炎が観察され(DFGOT Vol.9(1998))、ウサギを用いた別の試験(FDA guidelines)では、72時間後の最大刺激指数64で重度の粘膜刺激物との結果(BUA 150(1994))により、区分1とした。なお、EU分類はXi; R41(EU-Annex 1(access on Aug. 2009)である。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットのマキシマイゼーション試験で対照群の陽性率は0 %(0/10)に対し、陽性率65 %(13/20)と陽性の結果(DFGOT vol.9(1998))を示したことに基づき、区分1とした。なお、ヒトでも事故によるばく露後にパッチテストで強い陽性反応を示した28歳男性の事例(DFGOT vol.9(1998))が報告されている。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)で陰性(DFGOT Vol.9(1998))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験としてはAmes 試験で陰性結果(DFGOT Vol.9(1998))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。マウスに8週間腹腔内投与後、16週間の追跡期間を経た後に観察した試験で肺腫瘍の発生増加が認められなかった(DFGOT Vol.9(1998))との報告がある。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性) 区分3(気道刺激性) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの急性経口毒性試験において、呼吸困難、不活動、鈍麻、うずくまり、体位異常、平衡障害、下痢、被毛の乱れなどの症状、死亡例の剖検では肝臓、脾臓、腎臓の暗色化、心臓の拡張と充血、出血性腐食性胃炎などが観察された(BUA 150 (1994))。ラットの急性吸入毒性試験では、呼吸、協調運動および反射の障害、身づくろい増加、鼻腔痂皮形成、チアノーゼなどの外に、腹臥位や平衡障害などの非特異的症状を示した(DFGOT Vol.9(1998))。死亡例の剖検所見は肺と消化管の変化であった(BUA 150 (1994))。ラットおよびウサギの経皮投与試験では紅斑や浮腫の皮膚症状に加え、死亡例の剖検で血管の充血を伴う小腸の発赤、肝臓の暗色化などが示された(BUA 150 (1994))。生存例の剖検所見では経口および経皮投与で異常はなかったが、吸入ばく露では肺の肥大と色調変化が認められた(BUA 150 (1994))。以上の毒性影響は、LD50値(経口:107〜140 mg/kg、経皮:136〜318 mg/kg、吸入:0.945〜1.418 mg/L)を考慮に入れると、ガイダンス値区分1相当であるが、標的臓器の特定が困難、かつリスト2のデータであることから区分2(全身毒性)とした。また、210ppmまたはそれ以上のばく露で気道に重度の刺激性との記載(DFGOT Vol.9 (1998))があることから区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに28日間蒸気による吸入ばく露した試験において、高用量群の100 mL/m3(0.45 mg/L:90日補正0.14 mg/L)でうずくまり、不規則呼吸、歩行失調、体重増加抑制、肺の相対重量増加などが観察された(DFGOT Vol.9(1998))が、これらの影響にはある程度の回復性があり、剖検および組織学的検査では変化が認められていない(BUA 150(1994))ことから、重大な毒性影響とは見なせない。また、設定された用量が低く、全てガイダンス値範囲内にあるため、この試験の結果のみではデータ不足であり、分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ゼブラフィッシュ)での96時間LC50 = 1.13 mg/L(IUCLID, 2000; BUA 150, 1994)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(4週間でのBOD分解度=32, 29, 75%、(既存点検, 1989))ことから、区分2とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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