GHS分類結果

名称:2-オクタノン
CAS番号:111-13-7

結果:
物質ID: 21A3593
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点52℃ [密閉式](HSDB(2006))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃であるため区分3に該当する。なお、引火点71℃[密閉式](溶剤ポケットブック(1994))というデータもあり、これは>60℃かつ≦93℃であるため区分4に該当するが低い引火点をとって区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点は295℃であり(GESTIS(access on 8. 2009))、70℃を超える。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素、塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、その酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50値 3.2 g/kg、>5 g/kg、9.2 g/kg(PATTY(5th, 2001))から区分5が1件および区分外が2件に基づき、JIS分類基準の区分外(国連GHS分類の区分5または区分外)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50値 >5 g/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足で分類できない。なお、ラットLC50値 >2132 ppm/6H(= 16.77 mg/L/4H)(RTECS(2006))のデータがある。 なお、毒性値(2132 ppm)が飽和蒸気圧濃度(1776ppm)を超えていることから、ミストとみなした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギの皮膚に500 mgを24時間適用し、軽度の刺激性(slight irritation)が認められたとの結果(PATTY(5th, 2001))、かつ、ヒト被験者を用いた48時間パッチテストにおける刺激なし(not irritating)の結果(PATTY(5th, 2001))に基づき、分類JISによる区分外(国連GHS分類の区分3)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギの眼に無希釈の試験物質を適用し、軽度の刺激性(slight irritation)との結果(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 25人の被験者を用いた試験(パッチテスト)において、皮膚感作性は認められなかったとの結果(PATTY(5th, 2001))、動物を用いたドレイズ試験変法で皮膚感作性の誘発はなかったとの情報(PATTY(5th, 2001))があるが、何れも試験法や結果の詳細がなく、データ不足で分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - In vivo試験のデータがないので分類できない。なお、エームス試験は陰性との結果(PATTY(5th, 2001))が得られている。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットを用いた吸入試験において、飽和蒸気圧濃度の10時間暴露にて中枢神経系の抑制が見られ、12時間暴露後には昏睡状態を示した(PATTY(5th, 2001))ことに加え、ヒトの吸入ばく露の情報として高濃度では中枢神経系の抑制をもたらす可能性があるとの記載(HSDB(2006))に基づき、区分3(麻酔作用)とした。また、モルモットの吸入ばく露で鼻腔の刺激、マウスの吸入試験で下気道の刺激が見られ、ヒトの吸入ばく露の情報として、低濃度で咽喉を刺激する可能性があるとの記述(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。なお、ラットの気管に投与した試験において、5匹中4匹が数分以内に死亡し、死亡したラットの肺の重量増加や出血が認められたとの情報(HSDB(2006))がある。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ファットヘッドミノー)による96時間LC50 = 36 mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分3であり、急速分解性に関するデータがないことから、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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