GHS分類結果

名称:1, 4-ジヒドロキシアントラキノン
CAS番号:81-64-1

結果:
物質ID: 21A3614
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含んでいるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50値は>2000 mg/kg、>5000 mg/kg、>10000 mg/kg、>20000 mg/kg(いずれもIUCLID(2000))であるとの報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットLC50値(4時間)は>1 mg/L(IUCLID(2000))と報告されているが、区分を特定できず分類できないとした。なお、毒性値(1 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(3.1×10^-7 mg/L)よりも高く、粉塵と判断し分類した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いたドレイズテスト、パッチテストおよびウサギに本物質を24時間半閉塞適用した試験において、いずれも「刺激性なし(not irritating)」との記載があり、その他ウサギを用いた試験においても同様に刺激性はみられない(いずれもIUCLID(2000))ことから区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いたドレイズテストにおいて「刺激性なし(not irritating)」との記載があり、その他ウサギを用いた2試験においても同様に刺激性はみられない(いずれもIUCLID(2000))ことから区分外とした。なお、ウサギに500 mg、24時間適用の試験で「軽度の刺激性(mild)」(RTECS(2003))の情報がある。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - List 2の情報(IUCLID (2000))として、モルモットを用いた試験で「感作性なし(not sensitizing)」との結果が報告されているが、試験法の記載がなく、また、マウスを用いたLLNA試験ではSI値が2.68であり、「感作性なし(not sensitizing)」とあるが、本物質1%濃度の1用量しか実施されておらず、いずれもデータ不十分のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivoでの試験データがないため分類できないとした。なお、in vitroのAmes試験で7試験中5試験で陽性である(IUCLID(2000))。また、当該物質は労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。なお、ラットを用いた経口投与試験において、用量10000 mg/kg(LD50値)で眠気(活動の低下)がみられる(RTECS(2003))との記載がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。なおラットを用いた30日間経口投与試験(用量:50000 mg/kg/30day)において「赤血球数の変化、ビタミン欠乏」(RTECS(2003))の記載がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50=0.029 mg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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