名称:1, 4-ジエチルベンゼン
CAS番号:105-05-5
物質ID: | 21A3627 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点56℃ [密閉式](ホンメル(1996))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。なお、UNRTDG(UN2049)はクラス3PGIIIである。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は430℃であり(Lide(88th, 2008))、70℃を超える。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 >2000 mg/kg(厚労省報告(access on Sep. 2009))に基づき、分類JISによる区分外(国連GHS分類の区分5または区分外に相当)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギに原液を適用し、中等度の刺激性とわずかな壊死(moderate irritation, slight necrosis)(PATTY(5th, 2001)の所見に基づき区分2とした。なお、ヒトでジエチルベンゼンとの接触により皮膚障害の記述(HSDB(2003))がある。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ジエチルベンゼンをウサギの眼に滴下し一過性の刺激症状を引き起こしたが、フルオレセイン染色で見分けられない程に軽度であった(HSDB(2003))。また、ヒトでエチルベンゼンを1000 ppmの吸入ばく露により眼の刺激が生じたが、ばく露継続中に速やかに軽減した。2000 ppmのばく露では即時に重度の刺激と流涙が見られたと報告されている(HSDB(2003))。加えて、ジエチルベンゼンは眼刺激物であるとの記載(HSDB(2003))に基づき、区分2とした。(ジエチルベンゼンのデータであるが、異性体による違いがないと判断して使用した。) | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo 試験データがなく分類できない。なお、in vitro試験ではAmes 試験で陰性(厚労省報告(access on Sep. 2009))、チャイニーズハムスターのCHL細胞を用いた染色体異常試験 で陰性(厚労省報告(access on Sep. 2009))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422)において、交尾能、受胎能および性周期観察で被験物質投与の影響はなく、分娩時観察では妊娠動物の全例が正常に分娩した(厚労省報告(access on Sep. 2009))ことから、親動物の性機能、生殖能に悪影響は認められなかったが、催奇形性を含む仔の発生に関してはデータ不十分なため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの急性経口毒性試験(OECD TG 401 GLP準拠)において、2000 mg/kgの用量で自発運動の低下と流涙が観察されたのみで体重に変化はなく、剖検時の病理学的検査により試験物質投与に帰せられる異常が認められなかった(厚労省報告(access on Sep. 2009))ことから、経口では区分外に該当するが、他経路(吸入、経皮)のデータがないので、「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422, GLP準拠)において、150 mg/kg/day(90日補正:75 mg/kg/day)および750 mg/kg/day(90日補正:375 mg/kg/day)群で尿素窒素およびGPT活性の増加、750 mg/kg群で総蛋白、アルブミン、クレアチニンおよび総ビリルビンの増加、および雄の750 mg/kg群では肉眼所見として肝臓の褐色化あるいは肥大に加え、病理学検査では小葉中心性肝細胞腫脹が認められている。肝臓の形態学的変化はガイダンス値範囲を超えた高用量群(90日補正:375 mg/kg/day)での影響であるが、肝酵素の上昇など一部の生化学検査値の変化がガイダンス値範囲内の中用量群(90日補正:75 mg/kg/day)で見られ、カットオフ値(100 mg/kg/day)における有害影響の有無がはっきりしないので、データ不足のため「分類できない」とした。以上は、いずれも厚生労働省の報告(厚労省報告(access on Sep. 2009))による。なお、1, 2-ジエチルベンゼン(CAS135-01-3)の情報も参照のこと。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質は炭化水素であるが、40℃における動粘度が不明のため、分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(メダカ)による96時間LC50 = 1.8 mg/L(SIDS, 1994)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(既存点検, 1988)ことから、区分2とした。 |
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