名称:過ホウ酸ナトリウム四水和物
CAS番号:10486-00-7
物質ID: | 21A3724 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団(-O-O-)を含むがデータがない。ただし、ICSCでUNRTDGをUN1479(OXIDIZING SOLID, N.O.S.クラス5.1)としており(ICSC(J)(2004))、また、1水和物もUN3377クラス5.1PGIIIであり、実際酸化性であると思われるので上位の火薬類には分類されないと判断される。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2004))である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団(-O-O-)を含むがデータがない。ただし、ICSCでUNRTDGをUN1479(OXIDIZING SOLID, N.O.S.クラス5.1)としており(ICSC(J)(2004))、また、一水和物もUN3377クラス5.1PGIIIであり、実際酸化性であると思われるので上位の自己反応性には分類されないと判断される。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2004))である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(2004))である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 金属(Na)および半金属(B)を含むが水溶解度について2.3 g/100 mL(20℃)(ICSC(2004))というデータがあり、水に対して安定であると考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、「強力な酸化剤(Strong oxidizing agent(HSDB(2006)))」で、「可燃性物質や還元性物質と反応する(ICSC(J)(2004))」という情報がある。また、UNRTDGではUN3377(過ホウ酸ナトリウム一水和物)でクラス5.1PGIIIと分類されている。以上により酸化性はあると判断されるがGHSの区分の判定には至らない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値 2100 mg/kg および2250 mg/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ダストによるラットLC50値として >0.074 mg/L(NITE初期リスク評価書(2008))が報告されているが、ばく露時間が不明であり、区分を特定できないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギおよびモルモットに4時間適用した皮膚刺激性試験において、両動物種とも刺激性なし(non-irritating)の結果(PATTY(5th, 2001))により、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405)において角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤、結膜浮腫および流出物が認められ、4/6では角膜混濁が21日後まで持続し、MMAS(Modified Maximum Average Score)= 30.5と報告され(ECETOC TR 48(1998))ている。また、ウサギを用いた別の眼刺激性試験では重度の刺激性(severe irritation)との結果(PATTY(5th, 2001))であり、かつ、EU分類ではR41(EU-Annex 1(access on Sep. 2009))に分類されていることから、区分1とした。なお、試験物質を希釈した試験では影響が軽減し、刺激性なし〜軽度の刺激性の結果(PATTY(5th, 2001)、ATSDR(2007))が得られている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに過ホウ酸ナトリウム四水和物を投与した試験で、限界用量で親動物の毒性影響に加えて?吸収の増加や心臓血管と骨格の奇形が見られたとの情報(Birth Defects(3rd, 2000))がある。親動物に毒性影響が発現する用量で催奇形性が見られていること、またEUでは「Repr.Cat. 2; R61、Repr.Cat. 3; R62」(EU-Annex I(access on Aug. 2009))に分類されていることから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットに1000 mg/kg/day(90日補正:311 mg/kg/day)を28日間経口投与した試験で、胃の中で生成する過酸化水素が原因とされる胃の組織学的変化が認められたとの記述(PATTY(5th, 2001))がある。また、ヒトにおける口腔洗浄剤としての反復使用や義歯洗浄用の錠剤または粉末摂取による傷害は、局所影響による変化と考えられる(HSDB(2006))ため特定標的臓器での分類対象としなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ニセネコゼミジンコ)の48時間EC50=6.98 mg/L(AQUIRE, 2010)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、無機化合物のため水中での挙動が不明であることから、区分2とした。 |
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