名称:クロラムブシル
CAS番号:305-03-3
物質ID: | 21A3729 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、酸素および塩素を含む有機化合物であるが、この酸素およぴ塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。 なお、ラットLD50値 76 mg/kg(RTECS(2009))のデータがある。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスの腹腔内投与による骨髄と末梢血を用いた小核試験(NTP DB(access on Oct. 2009))、妊娠ラットの腹腔内投与よる胚を用いた染色体異常試験(IARC vol.26(1981))(体細胞in vivo変異原性試験)がいずれも陽性であることから、区分2とした。なお、in vitro試験では、エームス試験およびヒト末梢リンパ球を用いた染色体異常試験の陽性結果(IARC vol.26(1981)、NTP DB(access on Oct. 2009))が報告されている。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCによりグループ1に分類されている(IARC vol.100A(2008))ことから、区分1Aとした。なお、非悪性疾患として主に慢性関節リウマチ、膠原病、糸球体腎炎など、また、悪性疾患では主にホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病などの治療に本剤を使用してきた患者に白血病(主に急性非リンパ性白血病)の発症が数多く報告されている(IARC 26(1981))。一方、動物試験では、マウスに4週間腹腔内投与し39週目に観察した試験で肺腫瘍の発生増加が報告されている(IARC 26(1981))。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1A | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本剤で治療された男性患者に精子減少、無精子症、精巣の胚細胞消失が用量依存的に観察されていること(IARC 26 (1981))、本剤投与期間中に妊娠した女性がさらに2.5ヵ月投与継続、3.5ヵ月目に人口流産し、胎児の左腎と尿管の欠損が見られたこと(IARC 26 (1981))、妊娠3〜4ヵ月に本剤の治療を受けた女性の胎児に網膜欠損が見られたこと(Birth Defects (3rd, 2000))、正常分娩した女児が3日目に重度の心血管奇形のため死亡したが、母親が妊娠10週目に強皮症の治療のため本剤およびステロイドを処方されていたこと(Birth Defects (3rd, 2000))など、ヒトに対する生殖毒性を示すいくつかの証拠がある。さらに、動物試験では、マウスに反復腹腔内投与により精巣萎縮と精子形成能の低下が見られたこと(IARC vol.26 (1981))、ラットで腎臓と尿管の欠損を生じ強い催奇形性あると記述されていること(HSDB (2003))、マウスに経口投与により小頭症が発生し、頭蓋裂または脳ヘルニアとみなされた頭部奇形がしばしば観察されていること(HSDB (2003))など、本物質が生殖毒性、特に催奇形性を有することを示す明確な証拠が実験動物でも得られている。以上より、本物質はヒトに対する生殖毒性が既知である物質に相当すると考えられ、区分1Aとした。なお、本物質のヒト乳汁中への排出については不明と記述されている(PHYSICIANS' DESK REFERENCE (2010))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
クロラムブシルによる治療で誤って大量投与され2人を含む10人の子供で痙攣の報告がある(IARC 26(1981))こと、また、2人の事故例の子供における主な症状は中枢神経興奮であったとの記述に加え、5 mg/kg投与後の症状として痙攣と昏睡(DHP(13th, 2002))、約1.5 mgの単回用量で嘔吐、運動失調、発作的動作が報告されている(HSDB(2003))ので、区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(骨髄、神経系、免疫系、全身毒性) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨髄、神経系、免疫系、全身毒性) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本剤により慢性関節リウマチを治療された495人の患者の3分の2に骨髄抑制が見られたとの報告(IARC 26(1981))により、区分1(骨髄)とした。また、本剤による治療で誤って大量投与され2人を含む10人の子供に痙攣が報告されている(IARC 26(1981))ことから、区分1(神経系)とした。一方、上述の慢性関節リウマチ患者の約30%が免疫抑制に起因する感染症を発症した(IARC vol.26(1981))こと、本剤によるリンパ肉腫治療中に上皮型角膜炎を起こした1人の患者で剥脱性皮膚炎が認められ(HSDB(2003))、本剤投与が発疹、斑丘疹やじんま疹を含む皮膚炎、帯状疱疹の発生または悪化を来たす可能性があり、まれに多形紅斑、中毒性表皮性神経溶解やスティーヴンズ‐ジョンソン症候群に進行する発疹が報告されている(HSDB(2003))こと、さらに、本剤投与を中止すると回復し、再開すると再発する間質性肺疾患が報告されている(IARC 26(1981))ことなどに基づき、区分1(免疫系、全身毒性)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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