名称:2-シアノアクリル酸エチル
CAS番号:7085-85-0
物質ID: | 21B3036 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点は75℃(c.c).(ICSC(2001))で、60℃を超え93℃以下である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性の原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点485℃(有機化合物辞典, 1985))は、70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素、塩素を含まない。酸素を含むが炭素以外と結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットに5000 mg/kg投与により、6匹中の1匹の死亡が報告(CICAD(2001))されているので、LD50 >5000 mg/kgと推定される。よって「区分外」とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギに2000 mg/kg bw投与で死亡が報告されていない(CICAD(2001))。よってJIS分類区分外(国連GHS区分5または区分外に該当)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに21 mg/L/1h(= 5.25 mg/L/4h)ばく露(ミスト)で70%死亡のデータがあるが(CICAD(2001))、このデータのみでは分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギに24時間適用による皮膚刺激性試験で軽度の紅斑と軽度の浮腫が観察され、刺激性スコアが0.83との報告(CICAD(2001))、およびヒトデータによれば単回ばく露では本物質は刺激性を示していないとの記述(CICAD(2001))に基づき、区分外とした。なお、繰り返しばく露では可逆性の皮膚刺激が報告されている(CICAD(2001)、ACGIH(2001))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギの眼刺激性試験において、刺激性の平均スコア(EU方式)が結膜発赤1.37、角膜混濁1.00、虹彩炎0.48であったが、全て72時間の観察期間中に軽快したとの試験結果(CICAD(2001))、およびヒトの事故によるばく露で流涙、痛み、霧視、角膜上皮の損傷が見られたが、1週間後には角膜および視力とも完全に回復したとの報告(CICAD(2001))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトで主に職業ばく露により、咳、喘鳴、鼻炎などの呼吸器症状、あるいは喘息症状を呈し、強制呼気量の減少を示す症例報告(ACGIH(2001)、CICAD(2001)、DFGOT(1991))が目立ち、1件の報告には本物質の使用が気管支過敏反応を招いたことを示唆している(CICAD(2001))と述べられている。しかし、限られたデータから、喘息症状がアレルギー性または刺激性のいずれの機序によるものか結論できないとの記述(CICAD(2001))もあり、呼吸器感作性を起こすことを明確に結論付けている報告は見当たらないので、「分類できない」とした。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの職業ばく露で本物質により皮膚感作性が認められたとする症例報告が複数(別ーの施設からの2例以上)ある(CICAD(2001)、ACGIH(2001))ことから、区分1とした。なお、その他にも接触皮膚炎を発症しパッチテストの結果、本物質に陽性反応を示したとの症例も複数報告されている(CICAD(2001)、ACGIH(2001))。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに腹腔内投与後の骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、陰性結果(NTP DB(1994))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験ではエームス試験の結果が複数あり、全て陰性(DFGOT(1991)、CICADs No.36(2001)、NTP DB(1994))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトのばく露において、鼻腔の刺激、職業ばく露の場合に喘鳴、息切れ、胸部逼迫などの自覚症状が報告され(CICAD(2001))、さらに上気道への影響として強い局所刺激があるとも記述されている(ACGIH(2001))ことから、区分3(気道刺激性)とした。なお、ラットを用いた吸入ばく露で肺の出血など強い影響が見られた(CICAD(2001))が、いずれも死亡例の所見である。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足により分類できない。なお、ばく露を受けた労働者に対するアンケート調査によれば、自覚症状として喘鳴、息切れ、胸部逼迫などの呼吸器症状が明らかにされている(CICAD(2001))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 吸引性呼吸器有害性を示すデータは得られていないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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