名称:しょう脳
CAS番号:76-22-2
物質ID: | 21B3039 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分2 | 警告 | H228: 可燃性固体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
国連危険物輸送勧告でクラス4.1、III(UN No.2717)に分類されている。 | |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性又は自己反応性に関連する原子団を含んでいない物質。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点460℃(ホンメル(1991))で、70℃を超えている。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送でクラス4.1PGIIIに分類されているため上位のクラス4.2には該当しないので区分外と考えられる。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素、塩素を含まず、酸素原子を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素原子以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、マウスのLD50値1310 mg/kg(HSDB(2005))のデータがある。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、ばく露時間が不明であるが、ラットのLC50値0.5 mg/L(RTECS(2008))の報告がある。なお、飽和蒸気濃度は5.3 mg/Lであることから蒸気と考えられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 20%アルコール溶液としてボランティアの皮膚に適用した結果、皮膚の刺激感と痛みを生じたとの報告(HSDB(2005))があるが、分類にはデータ不足。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
しょう脳は眼に対して重篤な損傷は報告されていないが、刺激性があるとの記載がある(ACGIH(2001)、PIMs(1988))。またACGIHでは「Eye irr」と分類されている(ACGIH-TLV(2005))ため区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 慢性ばく露により接触性皮膚炎のほかにアレルギー反応も惹起される可能性があるとの報告もある(HSDB(2005))が、それ以上の情報はなく分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 90日間経皮投与後のマウスの骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo 変異原性試験)で陰性の結果(NTP DB(Access on Apr. 2009))により、区分外とした。なお、腹腔内投与による姉妹染色分体交換試験(in vivo遺伝毒性試験)で陽性(HSDB(2005))、エームス試験(in vitro変異原性試験)で陰性(HSDB(2005))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIHの評価でA4に分類されている(ACGIH-TLV(2005))ことから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトへの影響として、しょう脳は流産誘発に使われた経緯があり、胎児や新生児の死亡に関連しているとの報告(PIMs : Camphor(PIM 095))があるが、詳細は不明である。またラットおよびウサギの器官形成期に経口投与して催奇形性を示さないことは報告されているが(HSDB(2005))、親動物の性機能および生殖機能への影響についてはデータない。以上の情報だけではデータ不足のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
しょう脳の摂取により重篤な症状を呈し、死亡あるいは入院に至った症例が多数報告されている(PIMs(1988)),(HSDB(2005))。嘔吐、痙攣、昏睡、発作または大発作、てんかん状態、視力障害などが特徴的な症状であり、時には情緒不安、錯乱、譫妄が見られている(HSDB(2005))。本物質が中枢神経系の刺激と大脳の興奮もたらすとされており(PIMs(1988))、先の諸症状はその結果と考えられ、区分1(中枢神経系)とした。また、少量の摂取で腎障害を生じるおそれがあるとの記載(PIMs(1988))もあるが、ヒトでの症例報告または動物試験結果などにおける詳細なデータがないため分類の根拠としなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
一定期間ばく露を受けた後、昏睡と肝腫とともに臨床的にライ症候群類似の症状を呈した小児の症例報告(PIMs(1988)、HSDB(2005))がある。また、規則的に摂取していた女性では肝生検で肉芽腫、壊死、好酸球を認め肝腫が判明した(HSDB(2005))。一方、職業ばく露における症状として頭痛、呼吸困難、昏睡が報告されている(ACGIH(2001))。ばく露による影響としてライ症候群類似の症状、昏睡などが報告され、さらに肝腫、肝生検における肉芽腫、壊死、好酸球の所見と合わせて区分1(神経系、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ゼブラフィッシュ)での96時間LC50 = 35 mg/L(HSDB, 2005)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(BODによる分解度:94%(既存点検, 1994))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.36(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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