名称:硝酸アンモニウム
CAS番号:6484-52-2
物質ID: | 21B3065 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性原子団(N-O)を有するが、純物質はUN1942クラス5.1とされており火薬類は区分外とした。なお、炭素換算で0.2%以上の可燃物を含むものはUN0222等級1.1とされており、火薬類のGHS分類も等級1.1と判断される。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(2001)) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | UNRTDGで酸化性固体に分類されている。(UN1942クラス5.1PGIII) |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(2001)) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性である。(ICSC(J)(2001)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 | 警告 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
UNRTDGクラス5.1PGIIIに分類されている。(UN1942) | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値:2217 mg/kg、2800 mg/kg、2462 mg/kg、2950 mg/kg、5600 mg/kg、4820 mg/kg(IUCLID(2000))および4500 mg/kg(HSDB(2007))と7件のデータが全て2000 mg/kg超であるため、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5又は区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50(4時間)値:>88.8 mg/L(IUCLID, 2000)に基づき、区分外とした。無機物固体であることより粉塵であるとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECDTG404)で刺激性なし(notirritating)の結果(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。また、ウサギに適用して4時間後のドレイズ試験の平均スコアが紅斑と浮腫でそれぞれ0.1と0であり、適用後48または72時間には全ての動物で紅斑は見られなかった(IUCLID(2000))ことからも刺激性のないことが示唆される。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、適用24時間後に症状が最も強く現れた。また、角膜混濁と虹彩炎は24時間まで、結膜浮腫は4日目まで、発赤は7日目までに回復し、MMAS(ModifiedMaximumAverageScore)(23+19+12)/3=18.3であった(ECETOCTR48(1998))ことに基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vitro試験(エームズテスト)で陰性(IUCLID(2000))とのデータはあるが、in vivoのデータはなく、データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、硝酸アンモニウム/肥料の生産に携わった労働者の死亡パターンを調査するため行われたコホート研究では、癌の種別を含めいずれの死因についても有意な増加は認められなかった(HSDB(2007))と報告されている。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの妊娠期間中に経口投与した試験で催奇形性は認められなかった(IUCLID(2000))との報告はあるが、性機能および生殖能に関してはデータがなく分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(血液)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(血液) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
誤飲により強いチアノーゼを伴った錯乱状態で救急治療室に搬送された23歳女性におけるメトヘモグロビン血症の疑いの診断(HSDB(2007))、誤ってあるいは自殺目的で硝酸アンモニウムを摂取した患者にメトヘモグロビン血症が認められた報告(HSDB(2007))、過剰ばく露が血液の酸素運搬能を妨げ、メトヘモグロビン血症を起こす可能性があると記載(HSFS(2007))など、これらの知見に基づき区分2(血液)とした。一方、吸入ばく露が上気道粘膜に刺激性を及ぼし、肺のうっ血、咳、呼吸困難を起こす(HSDB(2007))、あるいは鼻、咽喉、肺を刺激し、咳やぜん鳴を起こす(HSFS(2007))などの記載に基づき、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 硝酸アンモニウムの生産に携わり職業ばく露を受けた労働者を対象とした調査研究(HSDB(2007))によれば、呼吸器と筋骨格系の病気が優位を占め、診察所見では気管支炎と神経根神経障害のケースがしばしば見られ、機能試験の結果から気道障害と心筋ジストロフィーが示されたと記述されているが、対象者数、症状・疾患の頻度も不明であり、さまざまな有害要因にさらされた労働者集団のデータと考えられることから分類に採用しなかった。なお、ラットおよびモルモットに0.001 mg/Lを4週間)吸入暴露した試験が行われているが、用量が低く影響は認められていない(EHC No.188(1997)。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(ニジマス)での96時間LC50 = 5657 mg/L(IUCLID, 2000)、甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=111-840 mg/L(IUCLID, 2000)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性ではない(水溶解度=2000g/L(SIDS、2007))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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