名称:2-イミダゾリジンチオン
CAS番号:96-45-7
物質ID: | 21B3083 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:545, 900, 940, 1832 mg/kg(DFGOT vol.11(1998))は、全て区分4に該当している。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用い24時間閉塞適用した試験(DFGOT vol.11(1998))があるが、刺激の強さなどの記載がなくデータ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験で、24時間の適用で軽度の刺激性(NITE初期リスク評価書(2008))の記載に基づき、区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトへの影響で、手と腕にかゆみを伴う発疹を生じたゴム工場の女性労働者がパッチテストを行った結果、陽性の結果となった(DFGOT vol.11(1998))。また皮膚科の患者200人にパッチテストを行った結果、1人で陽性の結果が、また別の皮膚科では患者30人中2人で陽性結果が得られた(DFGOT vol.11(1998))。一方モルモットを用いたMaximizationTestで10匹中7匹が陽性の結果であった。以上に基づき区分1とした(DFGOT vol.11(1998))。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いた優性致死試験(経口投与、腹腔内投与)(生殖細胞を用いたin vivo経世代変異原性試験)で陰性(NITE初期リスク評価書(2008))に基づき、区分外とした。なお、マウスあるいはラットを用いた複数のin vivo小核試験(体細胞を用いたin vivo変異原性試験)で陰性(IARC79(2001)の情報、また、エームス試験で、陰性(厚生省報告(2004))及び陽性(NITE初期リスク評価書(2008)、厚生省報告(2004))、マウスのリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験で陰性(NITE初期リスク評価書(2008))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(NITE初期リスク評価書(2008))、雌チャイニーズハムスター肺由来(細胞株CHL/IU)を用いた染色体異常試験で陰性(厚生省報告(2004))、CHO細胞を用いた姉妹染色分体試験で陰性(NITE初期リスク評価書(2008))などのin vitroの試験報告がある。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC vol.79(2001)の分類:3に基づき、区分外とした。なお、ラットを用いた発がん性試験で、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん及びジンバル腺腫瘍や単核球性白血病(NITE初期リスク評価書(2008))が有意に増加した、またマウスの発がん性試験で肝がん及びリンパ腫(NITE初期リスク評価書(2008))、甲状腺の濾胞細胞腺腫/がん、肝細胞腺腫/がん、及び下垂体末端部の腺腫/がんが有意に増加した(NITE初期リスク評価書(2008))などの動物試験の報告がある。また、日本産業衛生学会では第2群B、NTPではRに分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口投与2世代試験で生殖毒性は見られなかった(DFGOT vol.11(1998))が、ラット用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠8-19日に単回投与)で親に毒性を示さない暴露量で、吸収胚の増加、水頭が見られ(NITE初期リスク評価書(2008))、ラット用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠6-15日)で親の毒性の記載はないが、水頭、欠指がみられ(NITE初期リスク評価書(2008))。また別のラットを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠7-21日)で親に毒性を示さない暴露量で水頭、親に毒性を示す暴露量で中枢神経系及び骨格の奇形、口蓋裂などがみられた(NITE初期リスク評価書(2008))。更に、ウサギを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠7-21日)で親に影響がない用量で吸収胚の増加(NITE初期リスク評価書(2008))、ハムスターを用いた経口投与試験(器官形成期:妊娠6-13日)親にに影響がない用量で用量依存的な胎児の死亡数増加や重量減少のほか, 骨格系および肺に奇形が見られ, 中枢神経系に影響が認められている(DFGOT vol.11(1998))。以上の情報に基づき、区分1Bとした。なお、EU分類はRepr.Cat.2;R61である。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(甲状腺)、区分2(下垂体) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(甲状腺) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(下垂体) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス、ラット及びイヌにおける主要な標的臓器は、甲状腺であるとの記述があり(DFGOT vol.11(1998))、ラットを用いた13週経口投与試験(混餌:0, 60, 125, 250, 500, 750ppm)で雌雄の60ppm(評価書換算値:3 mg/kg/日)以上の用量で甲状腺の濾胞上皮細胞の巣状及び、び慢性過形成が見られた(NITE初期リスク評価書(2008))。同様の所見がマウスの13週経口投与試験でも観察(NITE初期リスク評価書(2008))されている。ラットの所見は、ガイダンス値区分1の範囲で認められことから、区分1(甲状腺)とした。また同じ上記のラット13週経口投与試験で、250ppm(評価書換算値:12.5 mg/kg/日)以上の用量で下垂体の細胞空胞化も認められた(NITE初期リスク評価書(2008))ことにより区分2(下垂体)とした。なおラットを用いた飲水による28日間の試験で、18 mg/kg(90日換算値:6 mg/kg/日)以上の用量で、腎臓への影響として尿細管上皮細胞の空胞化や浮腫が認められているが(DFGOT vol.11(1998)雄のみを用いた試験であるため分類根拠としなかった。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間LC50 = 13.3 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 1982))ことから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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