名称:3,4-ジクロロ-1-ブテン
CAS番号:760-23-6
物質ID: | 22A4048 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点33℃ [密閉式](IUCLID(2000))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団(不飽和結合)を含むがデータがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | Flammability:2(This degree includes materials that must be moderately heated before ignition will occur)(HSDB 2003)という記載があり、常温で自然発火はしないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 塩素を含んでいる有機化合物であるが、この塩素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、943 mg/kg(雄)および946 mg/kg(雌)(厚労省報告(1996))、879 mg/kg(SIDS(2001))、577-1153 mg/kg(SIDS(2001))が得られ、いずれも区分4に該当する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギのLD50値 は、>2000 mg/kg(SIDS(2001))であり、かつ死亡例はなかったことから区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 |
ラットのLC50値 2100 ppm/4h(SIDS(2001))に基づき区分3とした。なお、LC50値(2100 ppm)が飽和蒸気圧濃度(28816 ppm)の90%より低いので気体の区分基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ3匹に本物質原液0.5 mLを4時間適用した試験(OECD TG404、GLP)において、3匹全例がパッチ除去後72時間までグレード1または2の紅斑を示し、軽度の刺激性(slightly irritating)と評価され、パッチ除去後24、48および72における紅斑または浮腫の平均スコアも2.3未満である(SIDS(2001))ことから、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ3匹に本物質原液0.1 mLを結膜嚢に滴下した試験(OECD TG 405、GLP)で、滴下後1〜48時間に1匹がグレード1の角膜混濁とグレード1の虹彩炎、1時間後に3匹全例がグレード1の結膜発赤を示し、軽度の刺激性(slightly irritating)と評価され、滴下後24、48および72における平均スコアは、角膜混濁および虹彩炎とも3匹中2匹は0であり、結膜発赤と浮腫は3匹とも2未満である(SIDS(2001))ことから、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた試験で感作性なし(not sensitizing)とする報告(SIDS(2001))があるが、試験方法を含む詳細が不明のため「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの吸入による骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)での陽性結果(SIDS(2001))に基づき区分2とした。なお、in vitro変異原性試験としてエームス試験(厚労省報告(1996))およびCHL/IU細胞を用いた染色体異常試験(厚労省報告(1996))でいずれも陽性、CHO細胞を用いたHGPRTアッセイ(SIDS(2001))で陽性の結果が報告されている。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422;GLP)において、親動物の交尾率、受胎率、妊娠期間、分娩率、分娩および哺育状態など性機能および生殖能に影響は認められず、また、仔動物にも、出産仔数、生仔数、性比、出生率および形態などに、被験物質投与の影響は認められなかった(厚労省報告(1996))が、仔の発生に及ぼす影響に関しては妊娠末期の胎仔検査が行われていないので、データ不十分のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(肝臓) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに単回吸入ばく露(蒸気)により、3000 ppm/4h(15.3 mg/L/4h)でばく露当日の死亡例が肝細胞小葉中心のグリコーゲン低下と脂肪変化を示し、ガイダンス値範囲の区分1相当の濃度である1000 ppm/4h(5.11 mg/L/4h)をばく露した動物で1日後に小葉中心性の壊死に至る病変の進行が見られたとの報告(SIDS(2001))により、区分1(肝臓)とした。また、ラットの急性経口毒性試験(LD50 = 943〜946 mg/kg)の投与後の症状として、自発運動低下、呼吸深大、眼瞼下垂、流涎、筋弛緩、腹臥姿勢、立毛など(厚労省報告(1996))、ラットの別の急性経口毒性試験(LD50 = 577〜1153 mg/kg)では、脱力、麻酔症状が報告されている(SIDS(2001))。経皮投与試験(LD50 >2000 mg/kg)では聴覚刺激や触覚刺激に対する応答低下、吸入ばく露(蒸気)試験(LC50 = 2100 ppm/4h(10.7 mg/L/4h))では、協調不能、無反応が報告(SIDS(2001))されていることから、区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、50 mg/kg/day(90日換算:約23 mg/kg/day)で肝臓重量の有意な増加と肝細胞腫大が認められ(厚労省報告(1996))、また、ラットに6ヵ月間経口投与試験の所見には肝臓の変性が記載されている(SIDS(2001))。さらに、ラットに1.037 mg/L/6h(90日換算:0.161 mg/L/6h)を2週間吸入ばく露(蒸気)の影響として、肝臓の相対重量の増加と肝細胞の形態学的変化が見られ、主な毒性は肝細胞の肥大であると記述されている(SIDS(2001))。以上の知見に基づき、吸入ではガイダンス値範囲の区分1に相当する用量であることから、区分1(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミジンコ)による48時間 EC50 = 10 mg/L(環境庁生態影響試験, 1996)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(28日間BOD分解度 = 1-28%(既存点検, 1979))ことから、区分2とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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