GHS分類結果

名称:6-アセトキシ-2,4-ジメチル-1,3-ジオキサン
CAS番号:828-00-2

結果:
物質ID: 22A4049
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成22年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点 52℃ [不明](NITE総合検索(Access on June. 2010);元文献:アルドリッチ試薬カタログ)は測定法は不明であるが、所定の密閉式測定法でも>23℃≦60℃と判断できるため、区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素を含むが有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50値>2000 mg/kg bw(EPAテストガイドライン準拠)(EPA RED(1996))、1930 mg/kg(NTP TR354(1989))の2件のデータが得られたが、EPAテストガイドラインによる試験データを採用しJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットLD50値は>2000 mg/kg bw(EPAテストガイドライン準拠)(EPA RED(1996))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットLC50値は >4.0 mg/L/4h(EPAテストガイドライン準拠)(EPA RED(1996))との報告があるが、区分を特定できないため分類できない。なお、試験濃度(4.0 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(1.33 mg/L)より高いため粉塵/ミストの基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験で軽度の紅斑が生じたが、刺激性は1匹を除き48時間以内に全て消失し、軽度の刺激性(slight irritation)との評価(EPA RED(1996))に基づき、分類JISによる基準の区分外(国連分類による基準の区分3に相当)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギを用いた試験において、軽度かつ一過性の刺激性(mild transient ocular irritation)との評価(EPA RED(1996))に基づき、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットを用いた皮膚感作性試験において本物質が強い感作性物質である(EPA RED(1996))ことが示され、さらに職業的に本物質のばく露を受けていた織物工がアレルギー性皮膚炎を起こした症例報告(NTP TR354(1989))があることから区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - In vivo試験のデータがないので分類できない。なお、in vitro試験ではエームス試験において陰性(EPA RED(1996))およびTA100のS9存在下でのみ陽性であったが他の系および菌株では陰性(NTP TR354(1989))、CHO細胞を用いた染色体異常試験において陽性(NTP TR354(1989))の結果が得られている。
6 発がん性 分類できない - - - - IARCによる発がん性評価がグループ3(IARC Suppl.7(1987))であることに基づき「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスに2年間経口投与した試験において、ラットでは雌雄とも発がん性の証拠は認められず、マウスでは高用量群の雄で前胃の扁平上皮乳頭腫の発生率が統計学的に有意ではないが増加し、扁平上皮がんの存在も認められたことから、発がん性の証拠は雌ではないが、雄では曖昧であるとしている(NTP TR354(1989))。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験において、最高用量(900 mg/kg/day)で母動物に体重増加抑制や摂餌量低下の一般毒性が現れているが、発生毒性に関しては同用量がNOELとの記載がある(EPA RED(1996))ことから影響がなかったものと考えられる。しかし、親動物の性機能および」生殖能に及ぼす影響についてデータがなく不明のため「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットおよびマウスを用いた13週間経口投与試験において、試験物質による毒性影響は前胃の病変に限られ、重層扁平上皮の肥厚と角質増殖、潰瘍および炎症から成る(NTP TR354(1989))と述べられている。これらの病変はラットおよびマウスとも500 mg/kgで観察され、ラットの場合は雄で31 mg/kg、雌で125 mg/kg以下では認められず、マウスの場合は250 mg/kg以下では認められていない(NTP TR354(1989))。さらにラットおよびマウスの15ヵ月間経口投与試験でもガイダンス値範囲相当用量で前胃病変の発生率増加の記述はない(NTP TR354(1989))。したがって、経口投与では区分外に相当する。一方、ラットを用いた3ヵ月経皮投与試験では300〜1000 mg/kgで肝臓の壊死、炎症、出血を含む肝臓の変化の発生増加が記載されているが、NOELが100 mg/kgであった(EPA RED(1996))ことから経皮投与の場合も区分外に相当する。しかし、吸入ばく露に関してはデータがなく試験物質の影響は不明のため、本項目の分類としては「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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