名称:2-エチル-1-ヘキサノール
CAS番号:104-76-7
物質ID: | 22A4068 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点75℃ [密閉式](ホンメル(1996))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が231℃であり(HSDB(2003))、常温では発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及びハロゲンを含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値として8件のデータ(2053、3200、3250、,3730、3200-6400、3290、5000、7000 mg/kg)(JECFA 786(1993))、(DFGMAK-Doc 20(2003))があり、うち7件がJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値;>3000 mg/kg(SIDS(J)(Access on August. 2010))、ウサギLD50値;1986 mg/kg(2.38 ml/kg)、>2600 mg/kg(DFGMAK-Doc 20(2003))より、危険性の高いウサギのデータ(1986 mg/kg)に基づき区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。ラットLC50値は>0.89 および<5.3 mg/L/4h(DFGMAK-Doc.20(2003))と報告されているが、区分を特定できないので分類できない。なお、同一試験の情報として、0.89mg/Lはvapor, 5.3mg/Lは aerosol/vaporであったと記載されている(IUCLID(2000))。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギの皮膚に無希釈の試験物質を4時間適用した試験(OECD TG 404)で、紅斑、浮腫および瘢痕形成を伴う重度の刺激性を示し、皮膚刺激指数は6.75/8.0であった(DFGMAK-Doc 20(2003))。また、ウサギを用いた別の試験では20時間閉塞ばく露により、24時間後に軽度の紅斑と浮腫形成、8日後に顕著な落屑が見られた(DFGMAK-Doc 20(2003))。以上の結果から、ばく露による刺激性は重度であり、8日以後にも瘢痕や落屑が残ることから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギの眼に無希釈の試験物質を0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405)で、角膜、虹彩および結膜に中等度〜重度の刺激性を示し、眼刺激指数は28.59/110であった(DFGMAK-Doc 20(2003))。また、ウサギを用いた別の試験では無希釈の試験物質0.1 mLを結膜嚢に適用し、24時間に角膜混濁、虹彩炎、結膜の発赤と浮腫が見られ、眼刺激指数(MMAS)は51.3/110であり、10日〜14日後に回復した(ECETOC TR48(1998))。以上の結果から区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | 29人のヒトボランティアにKligman法(マキシマイゼーション法)による皮膚感作性試験において感作性は無かった(DFGMAK-Doc.20(2003))との報告、および、製造/加工工場の産業医学部門報告で本物質は皮膚感作性物質ではない(DFGMAK-Doc.20(2003))との記述に基づき、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの経口投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)(DFGMAK-Doc 20(2003))、ラットに経口投与による骨髄を用いた染色体異常試験ならびにマウスに腹腔内投与による骨髄を用いた小核試験(DFGMAK-Doc 20(2003))(体細胞in vivo変異原性試験)の結果、いずれの試験も陰性であったとの報告に基づき区分外とした。なお、in vitro試験では、エームス試験(JECFA 907(1998)、NTP DB(Access on August. 2010))、CHO細胞を用いた染色体異常試験(ECETOC TR48(2)(1998))、CHO細胞を用いた遺伝子突然変異試験(IUCLID(2000))、マウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験(JECFA 907(1998))は、いずれも陰性と報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに2年間、およびマウスに18ヶ月間経口投与による発がん性試験において、高用量(ラット 500 mg/kg/day、マウス 750 mg/kg/day)群で体重増加抑制などの一般毒性のみならず死亡率の増加(ラットでは雄のみ)が認められたが、本物質は両動物種おいて発がん性の証拠を示さなかった(JFCA 907(1998))ことから、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの妊娠12日目に経口投与により、母動物の毒性についての報告はないが、水腎、尾の異常、四肢奇形などの奇形胎仔の発生増加が見られ(DFGMAK-Doc.20(2003))、また、ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験では、母動物に死亡、一般症状、摂餌量低下および体重増加抑制が見られた用量で、吸収胚、着床後損失率の明らかな増加、腎盂拡張や水尿管症の胎仔増加に加え、骨格奇形の増加を示し、本物質は母体および胚・胎仔に毒性を生じる用量でのみ催奇形性を有すると結論付けされている(DFGMAK-Doc.20(2003))ことから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの職業暴露において重篤な影響は見られていないが、頭痛、眩暈、疲労感、腸障害、軽度血圧低下を起すと報告されており(PATTY(5th, 2001))、動物試験ではマウス、ラット、モルモットの単回吸入投与試験(1.8 mg/L/4時間、ミスト)で、死亡は無く、全ての動物に中枢神経抑制が見られ、眼、鼻、喉および呼吸経路の粘膜の刺激が認められたが、投与1時間後には回復した(JFCA 786(1993)、DFGMAK-Doc.20(2003))との報告に基づき区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの3ヵ月反復経口投与試験において、高用量群で前胃粘膜上皮の肥厚などの影響が認められたが、NOELは125 mg/kg/dayと報告されている(DFGMAK-Doc.20(2003))。さらに、ラットの90日間混餌投与試験のNOELは2500 ppm(167 mg/kg/day)、マウスの3ヵ月反復経口投与試験のNOELは125 mg/kg/dayであり(DFGMAK-Doc.20(2003))、ラットおよびマウスにそれぞれ2年間および18ヵ月間経口投与した試験では、ガイダンス値範囲内の用量で試験物質に起因する毒性影響は報告されていない(JECFA 907(1998))。以上より、複数の試験でNOELがガイダンス値を超え、ガイダンス値範囲内で毒性発現を示す試験報告がないことから、経口経路では区分外に相当する。一方、ラットの90日間吸入ばく露試験では最高用量 120 ppm(0.638 mg/L)の蒸気ばく露でも悪影響の報告はない(DFGMAK-Doc.20(2003))が、この用量はガイダンス値範囲内であり、ガイダンス値を超えた用量での影響は不明である。さらに、ラットに1.67 g/kg/day(90日換算:297 mg/kg/day)を16日間反復経皮投与した試験では、体重低下や肝臓、腎臓などの臓器で病理組織学的影響が認められたと報告されている(DFGMAK-Doc.20(2003))が、この用量はガイダンス値を超えており、ガイダンス値範囲内での影響は不明である。以上より、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)による96時間 LC50 = 10 mg/L(AQUIRE, 2011)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分2であるが、急速分解性があり(28日でのBOD分解度 = 79-99.9%(既存点検, 1977))、生物濃縮性が低いと考えられる(LogPow = 2.73(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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