GHS分類結果

名称:ジエチレングリコールジエチルエーテル
CAS番号:112-36-7

結果:
物質ID: 22A4073
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成22年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 H227: 可燃性液体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点71℃ [密閉式](ICSC(2004))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点は174℃であり(ICSC(2004))、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットのLD50値 4970 mg/kg(ECETOC TR No.95(2005))に基づき、JIS分類による基準の区分外(国連GHS分類の区分5に該当)とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足。なお、List 3のデータとして、ウサギのLD50値 6700 μL/kg(6070 mg/kg)(RTECS(2008))との報告がある。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギに50 mgを点眼した試験で、中等度の刺激性(moderate irritation)との結果(ECETOC TR 95(2005))に基づき、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo 試験のデータがなく分類できない。なお、in vitroでは、エームス試験で陰性の報告(NTB DB(Access on July 2010))がある。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ウサギの器官形成期に経口投与した試験において、高用量群(400 mg/kg)で母動物の症状が最も強く現れたが、胎仔の生存に影響は見られず、吸収および胎仔死亡も群間で差はなく、その他の発生指標にも影響がなかった。さらに、外観、内臓および骨格の検査所見でも胚および仔の形態発生に著しい変化は見られなかった(NTP TER 87060(1987))。さらに、マウスの器官形成期に経口投与による試験では、用量の上昇とともに母動物の死亡が増加したが、仔の発生指標に投与の影響はなく、各群とも重度の奇形の発生率は低く、用量依存性も見られなかった(NTP TER 86059(1987))。以上の結果より、仔の発生に対する悪影響は認められないが、親動物の生殖能および性機能に及ぼす影響に関しては不明なため「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットに飽和蒸気として400 ppm/17hr/日を17日間吸入ばく露(1日6時間・90日補正濃度:0.844 mg/L)した結果、剖検では著しい変化は見られなかったが、症状として落ち着きのなさを呈した(ECETOC TR 95(2005))との情報があるのみで他に詳しい記載がないためデータ不足で分類できない。なお、妊娠動物の器官形成期に経口投与した試験で、ウサギ14日間投与で400 mg/kg/day(90日補正用量:62.2 mg/kg)で運動失調、昏睡、呼吸困難の毒性症状が現れ(NTP TER 87060(1987))、マウス10日間投与300〜4500 mg/kg/day(90日補正用量:33.3 mg/kg以上)では中枢神経系機能が非常に鋭敏になり、投与動物の大半に運動失調、昏睡、嗜眠の症状が見られた(NTP TER 86059(1987))など、中枢神経系への影響を示唆する報告があるが、試験は妊娠動物を使用しており、投与期間も短いため分類の根拠としなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 魚類(コイ科)及び甲殻類(カイアシ)による96時間 LC50 > 100 mg/L(HSDB, 2007)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性毒性区分外であり、難水溶性でない(水溶解度 = 1000 g/L(PHYSPROP Database, 2011))であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る