名称:ガンマ-ブチロラクトン
CAS番号:96-48-0
物質ID: | 22A4075 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点98℃[密閉式](ICSC(J)(2000))は93℃超えである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は455℃(ICSC(2000))であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいなく、酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、800-1600 mg/kg(IARC 11(1976))および1800 mg/kg(NTP TR 406(1992))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | モルモットのLD50値:約5600 mg/kg(IARC 11(1976))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットに5.1 mg/Lをばく露した試験(GLP準拠)で死亡はなく(0/10)、LC50値は>5.1 mg/Lとの報告(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。なお、試験濃度(5.1 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(2.08 mg/L)を超えるので、ミストの区分基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギに無希釈の試験物質を20時間適用し刺激性なし(non irritating)の評価(HSDB(2008))、およびウサギを用いた試験で、軽微、ほとんど識別できない程度および中等度の紅斑とほとんど識別できない程度の浮腫を生じ、軽度の刺激性(mildly irritating)との評価(HSDB(2008))に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、ウサギを用いた粗製品の試験では無希釈の試験物質を適用72時間目に4匹中3匹に浮腫を伴う中等度〜重度の紅斑、残りの1匹に浮腫を伴わない明らかな紅斑が認められ、中等度〜重度の刺激性(moderately to severely irritating)が報告されている(HSDB(2008))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験で複数のデータがあるが、唯一List 1のデータとして、ガイドライン(OECD TG 405)およびGLPに準拠した試験で、無希釈の試験物質 0.1 mLを適用による刺激性の最大平均スコア(MMAS)が43.9(最大値110)(ECETOC TR 48(1998))であり、AOI 30-80に相当することから区分2Aとした。なお、ウサギを用いたその他の試験としては、炎症性の刺激と軽度の角膜混濁が見られ刺激性ありとの結果(HSDB(2008))、結膜の壊死を含む重度の刺激性、虹彩の傷害、角膜の混濁と潰瘍が認められ腐食性との結果(HSDB(2008))、結膜、虹彩および角膜に刺激性を認めたが7日間までに6匹中5匹が回復したとの結果(HSDB(2008))が報告されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた試験で皮膚感作性を示す証拠は得られなかった(KemI-Riskline(2004))とあるが、試験法および結果について詳細な記載がなく「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)が2件あり、いずれも陰性の結果(IARC 71(1999))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験としてはエームス試験で陰性(IARC 71(1999))、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた染色体異常試験では陽性(NTP DB(Access on July 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | IARCの評価によりグループ3に分類されている(IARC suppl. 7(1987))ことから「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスの2年間経口投与試験において、ラットでは雌雄とも投与に関連する腫瘍性病変の発生頻度の増加はなく、当該物質の発がん性の証拠は見出されなかったが、マウスでは低用量群の雄で副腎髄質の過形成、褐色細胞腫の発生頻度が僅かながら増加し、発がん性の曖昧な証拠とされたが、雌では発がん性の証拠は得られていない(NTP TR 406(1992))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験で胎芽毒性は認められず(NTP TR 406(1992))、また、妊娠ウサギの器官形成期に吸入ばく露した試験(OECD TG 414;GLP)では母動物の毒性および胚・胎児毒性を認めず、試験物質投与に起因すると考えられる催奇形性の証拠も見出されなかった(IUCLID(2000))が、性機能および生殖能に対する影響についてはデータがなく不明のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系)、区分3(麻酔作用) | 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの事例に基づく急性の毒性影響として、徐脈、低体温、中枢神経系抑制、持続性の意識喪失、錯乱、攻撃性、鈍麻、運動失調が記載されている((KemI-Riskline(2004)))。実際に本物質あるいは本物質を含む生産物を摂取したヒトが意識喪失を起こしたとの報告は多く、併せて昏睡、麻酔、痙攣、呼吸低下も認められている(KemI-Riskline(2005)、HSDB(2000))。動物試験でもラットに経口投与(LD50 = 1800 mg/kg)後の症状として鎮静および正向反射の消失が記載されている(NTP TR 406(1992))。以上の結果により、ヒトについてはList 2の情報であり、ラットの所見はガイダンス値範囲の区分2相当であることから、区分2(中枢神経系)とした。また、麻酔作用もみられることから区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスの13週間反復経口投与試験において、両動物種とも最高用量(ラット 900 mg/kg/day、マウス 1050 mg/kg/day)で死亡例が発生し、ラットで450 mg/kg/day以上、マウスで525 mg/kg/day以上の用量で体重増加抑制や横臥位が認められたが、ラットで225 mg/kg/day、マウスで262 mg/kg/dayの用量では軽度または中等度の不活発が現れた以外は毒性影響は見られない(NTP TR 406(1992))。また、ラットおよびイヌの90日間混餌投与試験のNOELは両動物種とも0.8%(400 mg/kg/day)と報告され(IUCLID(2000))、ガイダンス値範囲を超えている。以上のデータから、経口経路では区分外に相当するが、他経路(吸入、経皮)についてはデータ不十分なため、特定標的臓器毒性(反復ばく露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 藻類、甲殻類、魚類の急性毒性試験において、LC50およびEC50が全て100 mg/Lを超えていることから(IUCLID, 2000)、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性でない(水溶解度 = 1000 g/L(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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