名称:オルト-ニトロフェノール
CAS番号:88-75-5
物質ID: | 22A4085 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性の原子団(N-O)を含むが、UNRTDG(UN1663)でクラス6.1(III)に分類されており、上位の火薬類には該当しない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG | - | - | - | - | 分子内に爆発性の原子団(N-O)を含むが、UNRTDG(UN1663)でクラス6.1(III)に分類されているため、タイプGと判断した。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は485℃であり(ホンメル(1996))、常温では発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素および水素以外の元素と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃以下の固体ではあるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値;2830 mg/kg bw(ATSDR(1992))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値;>5000 mg/kg bw(CICAD 20(2000))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG 404)で軽度の刺激性(slightly irritating)(CICAD 20(2000))、50 mgを24時間適用した別の試験で刺激性スコアが1.4/8.0で軽度の刺激性(slightly irritating)との結果(IUCLID(2000))に基づきJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG 405)で刺激性なし(not irritating)の結果(CICAD 20(2000))に基づき区分外とした。なお、ウサギに30 mgを適用した別の試験では軽度の刺激性(slightly irritating)との評価であったが、刺激性スコアは10.8/110で15以下であった(IUCLID(2000))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験(ビューラー試験 OECD TG 406)において、感作性なし(no skin-sensitizing effects)との評価結果(CICAD 20(2000))に基づき、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo試験のデータがないので分類できない。なお、in vitro変異原性試験として、エームステストで陰性(NTP DB(Access on Aug. 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験において、母動物が一般毒性として一過性かつ用量依存的な体重増加抑制を示した用量で、軽度ではあるが統計学的に有意な着床後胚損失率および早期吸収率の増加が認められている(CICAD 20(2000))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液) | 危険 | H370: 臓器の障害(血液) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
芳香族アミン化合物は一般にヒトおよび実験動物でメトヘモグロビン生成を起こすことが知られている(ATSDR(2000))。ネコに50〜250 mg/kgを経口投与により用量依存的なメトヘモグロビンの生成が認められ(CICAD 20(2000))、ガイダンス値から判断すると区分1相当であるることから、区分1(血液)とした。なお、ラットおよびマウスを用いた急性経口毒性試験(LD50値:ラット 2830-5376 mg/kg bw、マウス 1300-2080 mg/kg bw)において、症状所見として呼吸困難、歩行失調、震え、傾眠、無気力、痙攣、剖検では高用量で肝臓と腎臓のうっ血、および胃の潰瘍が報告されている(CICAD(J)20(2004))。症状はマウスの場合にはガイダンス値の区分2に相当以上の用量で見られているが、いずれも不明確であると記述(CICAD(J)20(2004))されている。なお、メトヘモグロビンの生成は大きく2群に分けられ、ラット/マウス/モルモット/サルは、メトヘモグロビン生成の影響を受けづらく、一般的には誘導されたメトヘモグロビンをヒト/イヌ/ネコよりも効果的に低減させることができる(Blom, 2000)。ネコはメトヘモグロビン生成の影響を最も受けやすく、これはヘモグロビンの種類が異なることが最大の原因とされている(EU-RAR(J)(Vol. 65, 2006))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた28日間反復経口投与試験(OECD TG 407)において、副腎重量の変化が示されているのみで、主要臓器の病理組織学的検査では投与に関連する変化はなく、高用量群の200 mg/kg/day(90日換算:62.2 mg/kg/day)まで重大な毒性所見は認められていない(CICAD 20(2000))。また、ラットを用いた4週間蒸気吸入試験では、高用量群の60 mg/m3(90日換算:0.018 mg/L)における顎甲介と鼻甲介に沿う上皮の扁平化生の所見を除き、病理組織学的検査によりばく露に関連する影響は見られず、11回目のばく露後に測定されたメトヘモグロビン濃度にも明らかな影響は認められていない(CICAD 20(2000))。以上の結果はいずれもガイダンス値範囲内に相当する用量であり、ガイダンス値上限付近での影響は不明である。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)による72時間 ErC50 = 6.0 mg/L(環境省生態影響試験, 2008)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(14日でのBOD分解度 = 0%(既存点検, 1978))ことから、区分2とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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