名称:ベータ-フェニルエチルアルコール(別名:フェネチルアルコール)
CAS番号:60-12-8
物質ID: | 22A4113 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点96℃(CC)(Lide(90th, 2009))は93℃超である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は410℃(IUCLID(2000))であり、常温では発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値のデータとして、1800、1500、1800、2500、1700 mg/kg(以上 JECFA(2003))、2509 mg/kg(PATTY(5th, 2001))の6件が報告され、うち4件が区分4に該当することから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値:805 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001))に基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLC50値は>1.38 mg/L/4h((IUCLID(2000))との報告があるが、区分を特定できないので「分類できない」とした。なお、"aerosol"にばく露との記載((IUCLID(2000))により、ミスト/粉塵の区分基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に試験物質原液0.5 mLを4時間適用した試験(OECD TG404)を2回繰り返した結果、一次刺激性指数(PII)は2.22および0.92であった(ECETOC TR66(1995))こと、およびヒト被験者20人に試験物質原液を24時間適用し刺激性なし(not irritating)との結果(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギの眼に試験物質原液0.005 mLまたは5-15%のpropylene glycol溶液0.5 mLを適用し、いずれも重度の角膜刺激と虹彩炎(severe corneal irritation and iritis)の結果(PATTY(5th, 2001))に基づき区分2とした。なお、ヒトの眼に0.75及び0.6%水溶液の適用により刺激性(PATTY(5th, 2001))が報告されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験の結果として、Optimization testで感作性あり、Open epicutaneous testでは感作性なしと報告され(IUCLID(2000))、相反する結果であり、また、いずれもOECDで承認された試験法ではない。一方、ヒトでは、25人の被験者による皮膚感作性試験で当該物質は陽性反応を示さなかった(PATTY(5th, 2001))と報告されている一方、種ーの皮膚症状を有する患者で感作性を示す局所反応が認められた(PATTY(5th, 2001))との報告もある。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | In vivo試験データが無いので分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験で陰性結果(JECFA(2003))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠ラットの器官形成期に経口投与した試験において、母動物の一般毒性について記述はないが、仔に対して、眼の変化、神経管欠損、水腎、四肢欠損を主とする奇形発生率の用量依存的な増加が報告されている(JECFA(2003))。また、妊娠ラットの器官形成期に経皮投与した試験においては、高用量群では死亡を含む体重増加抑制など母動物の一般毒性の発現とともに、吸収、胚損失、同腹仔数の低下、内臓と骨格の広範囲の変化に見られる胚・胎児毒性が現れ、形態学的変化は母体毒性の二次的影響の発生範囲を超えるものである考えられた(JECFA(2003))との記述があり、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(肝臓、腎臓)、区分3(麻酔作用) | 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓) H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの急性経口毒性試験(LD50値は650-1430 mg/kg)において、肝臓および腎臓の変性が観察され、肝臓では、充血および軽度の脂肪変化、一方、腎臓では、髄質で尿細管壊死、皮質で尿細管細胞の混濁腫脹と円柱形成が認められた(IUCLID (2000))。LD50値からガイダンス区分2に相当する用量での所見であることから、区分2(肝臓、腎臓)とした。また、マウスの急性経口試験では、1〜2 mg/kgの用量で1〜5分以内にほとんどの動物に麻酔が生じた(IUCLID (2000))ことから区分3(麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに51 mg/kg bw/dayを4ヵ月間反復経口投与により、コリンエステラーゼとALT活性の増加、血清蛋白量の減少などが報告され(JECFA(2003))、また、ラットの30日間反復経口投与試験の所見では、200 mg/kg bw/day(90日補正:66.7mg/kg bw/day)で内臓障害、ヘモグロビン量および白血球数の減少などの記載がある(IUCLID(2000))。しかし、これらの試験はいずれも病理組織学的影響に言及されず、結果の詳細も不明なためデータ不足である。また、ラットに13週間経皮投与した試験において、2040 mg/kg/day群の雄でヘモグロビン濃度および白血球数の低下が観察されたが、投与に関連する病理組織学的な変化はなく、その他に悪影響も認められていない(PATTY(5th, 2001))ので、経皮投与では区分外相当となるが、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 287 mg/L(IUCLID, 2000)から区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性ではない(水溶解度:22200 mg/L(PHYSPROP Database, 2011))ことから区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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