名称:ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
CAS番号:142-22-3
物質ID: | 22A4154 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点は192℃(密閉式)であり(NFPA(13th, 2006)、93℃超である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性の原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値として2件のデータ(350 mg/kg、515 mg/kg)(IUCLID(2000))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値;>3000 mg/kg bw(IUCLID(2000))に基づき、JIS分類基準の区分外(GHS分類基準の区分5または区分外に相当)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLCLo値;0.73 mg/L/1h(= 0.183 mg/L/4h)(IUCLID(2000))があるのみで、区分を特定できないので分類できない。なお、試験濃度(0.73 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.000954 mg/L)より高いのでミストとみなした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
レンズ製造のためジアリルグリコールカーボネートの液体モノマーをレンズ型に注入する作業に携わっていた19歳女性従業員が接触皮膚炎を発症した。作業中にこぼれたモノマーが時ー手や腕にかかったとのこと。2週間後に手の甲、前腕、膝などに水疱と浮腫が現れ、入院治療に至った(HSDB(2002))。その結果行われた10人のボランティアに対する1%溶液のパッチテストで軽微〜軽度の浮腫が見られ、本物質の刺激性が確認された(HSDB(2002))こと、かつ、前述の症例についてはアレルギー性接触皮膚炎と結論付けられたが、皮膚刺激性もあると記述されていること(HSDB(2002))から、区分2とした。なお、ウサギを用いた試験では、刺激性なし(not irritating)(IUCLID(2000))、または、List 3のデータであるが、刺激性は重度(severe)(RTECS(2010))との報告がある。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(Directive 84/449/EEC, B4, GLP準拠)で刺激性なし(not irritation)(IUCLID(2000))との結果に基づき区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | レンズ製造のため本物質の液体モノマーをレンズ型に注入する作業に携わっていた19歳女性従業員が接触皮膚炎を起こした。作業中にこぼれたモノマーが時ー手や腕に降り掛かかったとのこと。2週間後に手の甲、前腕、膝などに水疱と浮腫が現れ、入院治療に至った(HSDB(2002))。アレルギー性接触皮膚炎の可能性を否定するために実施したパッチテストでは、本物質に対し極めて過敏で0.001%の低濃度でも陽性反応を示し、その結果、アレルギー性接触皮膚炎の発症と結論付けられた(HSDB(2002))が、1症例のみのため「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠ウサギの器官形成期に経皮投与した試験において、高用量(1.0 mL/kg bw/day)群で母動物18匹中7匹が死亡、中用量(0.5 mL/kg bw/day)以上の群で体重減少、剖検で肝臓、腎臓および腸間膜のなどに淡色のフォーカス形成が見られ(HSDB(2002))、生殖への影響として中用量以上で胎児の小眼球発生率の有意な増加が認められた(IUCLID(2000)、HSDB(2002))ことから区分2とした。なお、高用量群の母動物で流産発生の有意な増加も認められている(IUCLID(2000)、HSDB(2002))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 本物質を扱っていた労働者25人中7人が肝疾患を発症したとの調査結果(IUCLID(2000))があるが、それ以上の情報はなくデータ不足のため分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ゼブラフィッシュ)での96時間LC50 = 0.15 mg/L(IUCLID, 2000)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分1であるが、急速分解性があり(BOD:74%、TOC:96%、GC:100%(既存点検, 2002))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 1.54(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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