名称:クロロアセトアミド
CAS番号:79-07-2
物質ID: | 22A4197 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず酸素、塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値 138 mg/kg(BUA Report 225(2000))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギ3匹に生理食塩水でペースト状にした試験物質500 mgを4時間適用した試験(OECD TG 404)で、パッチ除去後1時間〜3日に1匹が軽微な紅斑と浮腫、2匹目が中等度の紅斑と浮腫、残りの1匹が重度の紅斑と中等度の浮腫を示し、刺激症状はパッチ除去7日後には全て回復し、軽度の刺激性(slightly irritating)と評価された(BUA Report 225(2000))が、3匹のうち2匹でパッチ除去後1時間〜3日において中等度以上の紅斑が認められていることから、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギの結膜嚢に試験物質100 mgを適用した眼刺激性試験(GECD TG 405.)で、適用1〜7時間後に重度の結膜の発赤と浮腫に加え角膜混濁が認められた。症状の消失は非常に緩やかであったが、21日後には回復し、眼に刺激性あり(irritating to eye)との評価(BUA Report 225(2000))に基づき、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトで本物質による接触アレルギー性皮膚炎の誘発は、多数の症例報告とともに患者や健常被験者を用いたパッチテストでの陽性報告もある(BUA Report 225(2000)、HSDB(2006))。また、モルモットのマキシマイゼーション試験において、最初の惹起で陽性率60〜80%、再惹起で陽性率80%と動物で高率の感作が見られ、本物質は強い感作性を有すると結論された(BUA Report 225(2000))。さらに、本物質は切削油剤、塗料、接着剤などで防腐剤として、また、皮革の防腐剤として使用され、理髪師や製靴業者に接触皮膚炎を起こす可能性があり、皮膚感作性物質として掲載されている(Contact Dermatitis(Frosch)(4th, 2006))。以上の知見および情報に基づき区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの腹腔内投与による優性致死試験(生殖細胞 in vivo 経世代変異原性試験)、チャイニーズハムスターの経口投与による精原細胞および骨髄を用いた染色体異常試験(生殖細胞および体細胞 in vivo 変異原性試験)、マウスに経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞 in vivo 変異原性試験)の各試験において、いずれも陰性結果が報告されている(BUA Report 225(2000))ことに基づき区分外とした。なお、in vitro 試験では、Ames試験で陰性(BUA Report 225(2000))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
2系統(CDおよびBDIX)のラットを用い、妊娠13、14日目に50 mg/kgを皮下投与した試験で、出生前の仔の発生に及ぼす影響は見られなかったが、2系統共に出生後に仔の約半数に死亡をもたらしたと報告されている(BUA Report 225(2000))ことに加え、EUではGHS Repro cat. 2としていることから区分2とした。なお、ラットの妊娠、7、11、12日目に20mg/kgを腹腔内投与した試験において、仔への影響は認められない(BUA Report 225(2000))との報告もある。また、カナダでは本物質は2009年に使用禁止となっており、再度市場に出す場合は評価が必要としている。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた3ヵ月混餌投与による2件の試験において、いずれも最高用量の50 mg/kg/day以上で精巣重量の有意な低下と精子形成能の障害が報告されている(BUA Report 225(2000))が、別に生殖毒性の項で有害性として分類されているので、本項では分類対象としなかった。その他の影響については悪影響の報告はなく、ガイダンス値範囲上限(100 mg/kg/day)またはそれ以上の用量での影響は不明である。また、ウサギを用いた30日間経皮投与試験において、100 mg/kg/day(90日換算:33.3 mg/kg/day)以上で肝臓と心臓の脂肪浸潤、脾臓のヘモジデリン沈着が報告されている(BUA Report 225(2000))が、血液等の検査で影響が見られず、病理学的変化の程度および意義の詳細不明のため、「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 14 mg/L(BUA 225, 2000)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(BIOWIN)、かつ生物濃縮性が低い(Log Kow = -0.53(PHYSPROP Database, 2011))と推定されることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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