名称:4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド
CAS番号:80-51-3
物質ID: | 22B4502 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団として隣接した窒素原子(スルホニルヒドラジド類)を含み、酸素収支は-116.06で、判定基準の-200より高く、火薬類から除外されないが、UNRTDGで100%品がUN3226(自己反応性タイプD)となっていることから、火薬類には該当しないため区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J)(1998)という情報があるが、可燃性(combustible)(ACGIH(2001))という情報もあり、国連危険物輸送の所定の試験データがなく、分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプD | 危険 | H242: 熱すると火災のおそれ |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P234: 他の容器に移し替えないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P411: ...℃以下の温度で保管すること。 P420: 他の物質から離して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
爆発性に関わる原子団として連続N原子(スルホニルヒドラジド類)を含み、UNRTDGでは100%のものが クラス4.1(UN3226)タイプD に分類されている。 | |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点について「The more recently calculated value of 78℃ for critical ignition temperature is appreciably lower than the previous value of 90℃.(Bretherick(7th, 2007))」という記述があり、常温では発火しないと考えられるので「区分外」とした。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 炭素および水素以外の元素と化学結合した酸素を含むが、データがないため分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値 >2000mg/kg(厚労省報告(Access on May 2009))、2300mg/kg(ACGIH(2001))に基づき、分類JISによる基準の区分外(国連GHS分類による基準の区分5に相当)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | ウサギLD50値 >200mg(ACGIH(2001))のデータがあるが、このデータのみでは区分が特定できず、データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験で皮膚刺激性なし(not irritating)(ACGIH(2001))との報告に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験で、軽度の眼刺激性あり(slight irritant)(ACGIH(2001))との報告に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの腹腔内投与による赤血球を用いた小核試験(体細胞 in vivo 変異原性試験)において、陰性との報告(ACGIH(2001))に基づき、区分外とした。なお、in vitro の試験では、Ames 試験で陽性(厚労省報告(Access on May 2009))(ACGIH(2001))及び陰性(ACGIH(2001))、チャイニーズハムスター培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験で陽性(厚労省報告(Access on May 2009))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与簡易生殖毒性試験(OECD TG 421:GLP)で、親動物の生殖能および次世代の発生・発育については投与の影響が認められなかった(厚労省報告(Access on May 2009)と報告されているが、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響に関してはデータ不足のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口投与試験(OECD TG 401: GLP)において、1500 mg/kgおよび2000 mg/kgでは死亡が発生し、1000 mg/kgの雌、1500および2000 mg/kgの雌雄に爪先歩行、麻痺性歩行などの神経症状が見られたとの記述(厚労省報告(Access on May 2009))に基づき、ガイダンス値から判断して区分2(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、血液)、区分2(腎臓、肝臓) |
危険 警告 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、肝臓) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系、血液) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた28日間の経口投与試験(OECD TG 407: GLP)において、30 mg/kg(90日補正:9.3 mg/kg/day)以上で後肢の握力低下および麻痺性歩行や末梢神経線維の変性等の神経毒性と、雌の100 mg/kg(90日補正:31.1 mg/kg/day)以上でヘマトクリット値とヘモグロビン量の低値を伴う貧血傾向、30 mg/kg(90日補正:9.3 mg/kg/day)以上で貧血に対する反応と思われる網赤血球数の高値や脾臓の髄外造血が認められた(厚労省報告(Access on May 2009)ことから区分1(神経系、血液)とした。また100 mg/kg(90日補正:31.1 mg/kg/day)以上で無機リンあるいは尿素窒素の高値、クロールの低値に加え近位尿細管上皮の脂肪変性等の腎毒性、ならびにグルコースの低値と総コレステロール、トリグリセリドの高値、肝重量の増加に加え小葉中心性肝細胞肥大あるいは小葉周辺性脂肪化等の肝毒性が認められた(厚労省報告(Access on May 2009)ことにより区分2(腎臓、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=2.9mg/L(環境省生態影響試験、2002)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存点検, 1994))ことから、区分2とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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