GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 111-36-4
名称 1-イソシアナートブタン
物質ID 23A5006
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点19℃ [密閉式][ホンメル(1996)]は < 23℃ であり、かつ、初留点116℃[Ullmanns(E)(2003)]は >35℃ であることから、区分2に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が425℃[ホンメル(1996)]であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ステンレス鋼、ニッケルおよびアルミニウムは容器として耐久性がある(ホンメル(1996))。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
分類対象の3件のラットLD50値(360, 600, 400-1600mg/kg)(SIDS(2005))はいずれも区分4に該当する。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - ウサギの試験で、死亡が認められた最低用量は700 mg/kg(SIDS(2005))と報告されているが、このデータのみでは区分を特定できないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値は0.059 mg/L/4h(14.55 ppmV/4h)(OECD TG403; GLP準拠)(SIDS(2005))に基づき、区分1とした。なお、毒性値(14.55 ppm)が飽和蒸気圧濃度(23158 ppm)の90%より低いので、気体の基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギの耳に試験物質原液0.5mLを15分または30分間の閉塞適用後、症状はより重度となり、1~2日目に皮膚の穿孔が見られた。7日目の観察期間終了時には皮膚の落屑が観察され、強い腐食性(highly corrosive)との評価(SIDS(2005))に基づき区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギの結膜嚢に0.1mLを適用直後から明瞭な結膜水腫を伴った強い発赤が現れ、7日間の観察期間終了時まで持続した。散在性の角膜混濁が見られた観察期間の初日を除き、その後は結膜浮腫のため角膜と虹彩の検査は実施できず、強い腐食性(highly corrosive)との評価(SIDS(2005))に基づき区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。なお、モルモットに吸入ばく露し、ウシ血清アルブミンとブチルイソシアナートの抱合体で誘導後、惹起反応は一過性であり強いものではなかった(SIDS(2005))と報告されているが、現状では呼吸器感作性試験として設定された適切な動物モデルはないとされているので、分類に採用しない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
モルモットのマキシマイゼーション試験において、惹起後15匹全例に明瞭な紅斑、一部の動物では軽度の浮腫も認められ、陽性率100%(15/15)で感作性あり(sensitizing)との報告(SIDS(2005))に基づき、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験で陰性、およびマウスリンパ腫L5178Y を用いた遺伝子突然変異試験では陽性(SIDS(2005))が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットに吸入ばく露により、0.007 mg/L/4h(蒸気)以上の濃度で徐呼吸、呼吸困難、努力性呼吸、チアノーゼなどの気道刺激性を示す症状が用量依存的に現れた。0.056 mg/L/4h(蒸気)以上では死亡の発生に加え、剖検により肺水腫や水胸などが観察され、投与後の観察期間終了時において肺の明瞭な剖検所見が肉眼的に確認できた唯一の影響であった(SIDS(2005))と記載されている。また、ラットに0.008~0.050 mg/L/4h(蒸気)を吸入ばく露した別の試験では、主に気道に影響が見られ、0.050 mg/L/4hでは気道の病変により動物が死亡し、0.025 mg/L/4h以上の濃度では組織学的変化としてマクロファージの増加、脈管周囲の円形細胞浸潤、限局性線維増殖反応、気腫、隔壁肥厚、膿瘍性肺炎が見られ、0.008 mg/L/4hでは徐呼吸、粘膜刺激が観察された(SIDS(2005))と報告されている。以上より、標的臓器は気道および肺を含む呼吸器系であり、試験濃度はガイダンス値区分1の範囲にあることから、区分1(呼吸器系)とした。なお、ラットに単回経口投与した試験でも呼吸器系に関連する症状として、200 mg/kg以上で努力性呼吸、チアノーゼなどが観察されている(SIDS(2005))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ばく露期間が5日間と短いため反復ばく露の根拠としないが、雄ラットに1~25 mg/m3の濃度を吸入ばく露により、5 mg/m3で重大な毒性影響は見られなかったが、5 mg/m3以上では気道炎症の証拠として気管支肺胞洗浄液の生化学的、細胞学的変化が認められた(SIDS(2005))と報告されている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
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H402 P273
P501
加水分解物(n‐ブチルアミン)における魚類(インランドシルバーサイド)の96時間LC50 = 24mg/L(SIDS, 2008)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
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- - 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(OECD TG302Dにおける分解度:62%、加水分解生成物のOECD TG301Cにおける分解度:85%(SIDS, 2005))、かつ加水分解性により生物蓄積性が低いと推定され(SIDS, 2008)、加水分解生成物も生物蓄積性がない(BCF:4.1(SIDS, 2008))ことから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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