GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 113-92-8
名称 マレイン酸クロルフェニラミン
物質ID 23A5052
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むがデータがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - 酸素と塩素を含むが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として3件のデータ(118 mg/kg、540 mg/kg、680 mg/kg(以上、NTP TR317(1986)))が得られ、1件が区分3、2件が区分4に該当することから、該当数の多い区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - マウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陰性の結果(NTP DB(1993))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB(1982))およびマウスリンフォーマ試験(NTP DB(Access on May 2011))で陰性、CHO細胞を用いた染色体異常試験(NTP DB(Access on May 2011))では代謝活性を伴う場合に陽性の結果が得られている。
6 発がん性 区分外
-
-
- - ラットおよびマウスを用いた103週間経口投与試験において、投与群で体重低下、また、試験終了時に高用量群の雌ラットおよび高用量群の雄マウスで生存率の低下が認められたが、両動物種の雌雄とも発がん性の証拠は得られなかったとの報告(NTP TR317(1986))により、区分外とした。なお、雌ラットと雄マウスの高用量群で死亡率低下に伴う発がん性の検出感度の低下、および雌マウスで甲状腺濾胞細胞の嚢腫および過形成の発生率増加に見られる増殖性変化が報告されている。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ラットを用い雄に交配前63日から交配期間を通じ、雌は交配前21日から妊娠14日または分娩後21日まで経口投与した試験で、性機能および生殖能に影響は認められなかったが、授乳期間中の死亡仔の割合が増加した(NTP TR317(1986))。さらに、マウスの妊娠期間中に経口投与により、高用量群で100%が流産または胚吸収を起こし、それ以下の用量では妊娠末期または分娩後に顕著な仔の生存率低下が見られた(NTP TR317(1986))ことに基づき、親動物の一般毒性に関する記述がないため、区分2とした。なお、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した試験では、催奇形性を含む仔の発生に対する悪影響は報告されていない(NTP TR317(1986))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317(1986))。医薬品添付文書に重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集(2010)、List1相当)。また、H1受容体拮抗薬の急性中毒では中枢神経興奮が非常に危険な状態をもたらしかねず、幻覚、興奮、運動失調、協調不能、アテトーシス、痙攣の症状を示す(HSDB(2003))。以上のヒトでの知見に基づき、区分1(中枢神経系)とした。なお、実験動物でもラットおよびマウスを用いた急性毒性試験における症状として、興奮、筋の振戦、運動失調、痙攣発作が報告されている(NTP TR317(1986))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質は抗ヒスタミン剤(H1受容体拮抗薬)として使用され、H1受容体拮抗薬は中枢神経系の興奮または抑制を起こすことが知られている(NTP TR317(1986))。医薬品添付文書で重大な副作用として、けいれん、錯乱、その他の副作用として精神神経系に対し、鎮静、神経過敏、眠気、めまい、振戦、協調異常などが記載されている(医療用医薬品集(2010))。また、動物試験でラットおよびマウスに2、13または104週間の経口投与により、運動亢進、過剰興奮、嗜眠が見られ、高用量では死亡に加え、痙攣、振戦、協調障害が報告されている(NTP TR317(1986))。以上の結果から標的臓器とし区分1(中枢神経系)とした。次いで、サルに104週間経口投与により、ガイダンス値区分1相当の10 mg/kg/day以上で心拍数減少および電気的収縮期の延長、15 mg/kg/dayでは不整脈および失神に加え、心不全に因る死亡が発生し(NTP TR317(1986))、ヒトでは医薬品使用による重大な副作用として、ショック、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状が記載されている(医療用医薬品集(2010))ことから、区分1(心血管系)とした。さらに、血小板減少性紫斑病、骨髄抑制、再生不良性貧血と関連性を示す症例報告があり(NTP TR317(1986))、かつ、重大な副作用として、再生不良性貧血、無頼粒球症が記載されている(医療用医薬品集(2010))ことから、区分1(造血系)とした。以上より、分類は区分1(中枢神経系、心血管系、造血系)となる。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-
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- - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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-
- - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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