項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 8001-54-5 |
名称 | 塩化ベンザルコニウム |
物質ID | 23A5054 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 塩素を含む有機化合物であるが、4級アンモニウムとイオン結合した塩素イオンである。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として2件のデータ(304.5 mg/kg(EPA RED(2006))および240 mg/kg(PIM G022(1999)、List1相当))のうち、1件が区分3、1件が区分4に該当することから、危険性の高い方の区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P280 P312 P322 P361 P363 P405 P501 |
ラットのLD50値として2件のデータ(930 mg/kg(EPA RED(2006))および1560 mg/kg bw(PIM G022(1999)))のうち、1件が区分3、1件が区分4に該当することから、危険性の高い方の区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値は53 mg/m3/4h = 0.053 mg/L/4h(HSDB(2010))に基づき区分2とした。なお、"aerosol"にばく露との記述(HSDB(2010))により、粉塵/ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギを用いた試験で腐食性(corrosive)との結果(EPA RED(2006))、さらに、ウサギおよびモルモットに水溶液を適用した試験では、1%以上の濃度で壊死が観察されたとの報告(HSDB(2010))により、区分1とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギ3匹の結膜嚢に本物質10%液を0.1 mL適用した試験(OECD TG 405; GLP)において、各動物とも角膜、虹彩および結膜に重度の傷害を引き起こし、角膜と虹彩については21日後の観察期間終了時まで重度の傷害が持続し、MMAS(刺激性スコア:AOIに相当)が108(最大値110に対し)であった(ECETOC 48(1998))ことから、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
2人の医師が本物質を含む消毒液に浸した器具を扱うことにより本物質に感作され、本物質を含む目薬によりアレルギー性結膜炎を発症したとの報告(PIM G022(1999))、また、本物質はアレルギー性皮膚炎の原因とされており、本物質を含む皮膚軟化薬の使用歴を有し、屈面性湿疹を発症した6人の患者全てがパッチテストによりIV型アレルギーであったことが判明したとの報告(HSDB(2010))、さらに本物質は感作性物質として「Contact Dermatitis(Frosch)(4th, 2006)」(List1相当)に掲載されており、区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスを用いた小核試験(in vivo変異原性試験)の陰性結果(EPA RED(2006))(EMEA(1997)、List2相当)に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験としてエームス試験(NTP DB(1984)、EPA RED(2006)で陰性、ヒトリンパ球を用いた小核試験で陽性(HSDB(2010))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 区分外 |
- |
- | - | ラットおよびマウスに混餌投与による発がん性試験において、両動物種とも発がん性の証拠は見出されなかった(EPA RED(2006))。また、本物質に関するデータベースは完備しており、ラットとマウスの試験に基づき発がん性はないと結論付けられている(EPA RED(2006))ことから、区分外とした。なお、ラットに2年間、およびモルモットに1年間混餌投与による試験で発がん性の証拠は得られず(EMEA(1997))、マウスおよびウサギに80週間の経皮投与でも腫瘍の発生は見られなかった(HSDB(2010))と報告されている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
マウスの妊娠0日~6日に経口投与した発生毒性試験において、3 mg/kg bw/day以上で妊娠率、着床数、胎仔数が有意、かつ用量依存的な減少を示した(EMEA(1997))が、母動物の一般毒性について記載がないことから区分2とした。なお、ラットの妊娠1日目に膣内投与により100 mg/kg以上で母動物の体重低下に加え、統計学的に有意、かつ用量依存的な平均胎仔数の減少が認められ、さらに高用量群(200 mg/kg)で着床数が有意な減少を示した(HSDB(2010))が、混餌投与によるラットの二世代試験では性機能および生殖能に対する悪影響は報告されていない(USEPA/HPV(2001))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(肺) |
警告 |
H371 |
P309+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
ラットに0.03 mg/L(ミスト)を6時間(4時間換算値:0.045 mg/L)吸入ばく露により、肺における重量増加、強い炎症ならびに刺激性が認められた(HSDB(2010))。ガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List 2のデータであって、判定基準1b3)(一定の評価を受けたGLP適合のOECD TG試験)を満たさないため、ガイダンスにしたがって 区分2(肺)とした。なお、2ヵ月半の双子が誤って本物質の11%溶液を経口摂取し、2人とも24時間に以内に発熱、脱水、咳、流涎、口腔および咽頭の多数の病変が生じ、うち1人は化学性肺炎を発症したが、2人とも治療により回復したと報告されている(PIM G022(1999))。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ラットに12週間反復経口投与した試験において、ガイダンス値範囲上限(100 mg/kg/day)付近で2匹の死亡と体重増加抑制が観察されたが、病理学的検査を含む他の検査指標に悪影響は報告されていない(HSDB(2010))。このデータは雄のみの試験であり、死亡例の原因についても言及がないため分類できない。また、イヌに12.5~50 mg/kg/dayを52週間経口投与した試験では、局所影響としての胃腸の充血、炎症など消化管以外は全身性の影響は認められなかった(HSDB(2010))が、ガイダンス値範囲内の用量のため(区分外の)分類根拠とならない。一方、ラットに10 mg/kg/dayを3ヵ月間経皮投与した試験で血球指標の変化、肝臓や腎臓の傷害が記述されている(EMEA(1997))が、それ以上の詳細は記載がなく不明である。さらに、ラットに0.0099mg/Lを14週間吸入ばく露した試験でも影響は認められなかったと報告されている(HSDB(2010))が、ガイダンス値範囲内の濃度のため(区分外の)分類根拠にできない。以上より、経口、経皮および吸入の各経路ともデータ不足であり、「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.018 mg/L(AQUIRE, 2012、HSDB, 2011)から、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BIOWIN)、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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