項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 97-54-1 |
名称 | イソオイゲノール |
物質ID | 23A5075 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点>100℃[密閉法](NFPA(13th, 2006))より、引火点が>93℃であると判断して区分外とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットLD50値は1560 mg/kg(PATTY(5th, 2001))および1290-1880 mg/kg(NTP TR 551(2010))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 |
警告 |
H312 |
P302+P352
P280 P312 P322 P363 P501 |
ウサギLD50値は 1912 mg/kg bw(HERA(2005)、List2相当)に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P264 P280 P321 P362 |
ウサギまたはモルモットの皮膚に本物質原液を24時間の閉塞適用により、強い刺激性(severely irritating)と結論された(HERA(2005))ことに基づき、区分2とした。なお、ヒトでは成人男子に本物質の32%アセトン溶液を48時間の閉塞適用した試験において、50人中1人に中等度の刺激性が見られた(HERA(2005))との報告がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギの眼に本物質の1%または1.25%アルコール溶液を適用し、1%で軽度の結膜刺激、1.25%で浮腫と分泌物を伴う強い結膜刺激を生じ、それぞれ4日または7日後に眼は正常に回復した(HERA(2005))が、試験物質が未希釈の場合は刺激性が強いことが見込まれる(HERA(2005))ため、区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
モルモットのマキシマイゼーション試験およびマウスの局所リンパ節試験でいずれも陽性の結果(ECETOC TR 77(1999), NTP TR 551(2010))が得られている。ヒトでは、本物質を含む化粧品や洗剤の使用により、アレルギー性接触皮膚炎の発生率が増加しており(NTP TR 551(2010))、化粧品などによる皮膚感作や皮膚炎を有する患者のパッチテストで陽性反応が見られた事例も多数公表され、本物質はヒトおよび動物とも皮膚感作性物質であると結論付けられている(ECETOC TR 77(1999))。さらに、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が感作性物質として認める物質一覧中に本物質の記載があり(Japanese standard allergens 2008、List1相当)、Contact Dermatitis(Frosch)にも接触アレルギー物質として掲載されている(Contact Dermatitis(Frosch)(4th, 2006)、List1相当)。以上の知見により区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスに90日間経口投与後の末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で雄で陰性、雌で陽性(NTP DB(Access on June. 2011))であったが、雌の陽性結果は最高用量群のみで有意差が認められ、この有意差は対照の小核の出現頻度の低さに起因したのもであり、生物学的意義を認めないと判断される。従って雄の陰性結果により区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(NTP DB(Access on June. 2011))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットおよびマウスに2年間経口投与による発がん性試験において、雌ラットでは発がん性の証拠は見出されなかったが、雄ラットでの稀に発生する胸腺腫と乳腺癌の発生率増加と雌マウスでの組織球性肉腫の発生率増加は、発がん性の曖昧な証拠であるとされた。一方、雄マウスでは肝細胞腺腫と肝細胞癌が認められた(NTP TR 551(2010))と報告されている。以上から、発がん性の明らかな証拠は雄マウスの肝腫瘍のみであり、本物質の明確な発がん性を示すには不十分であることから「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットに経口投与による三世代生殖試験(70~700 mg/kg/day)において、全用量で前胃の角質増殖と過形成、230 mg/kg/day以上の用量で体重抑制といった一般毒性の発現があり、F0世代の700 mg/kg/dayで雄同腹仔数の減少が報告されている(NTP RACB 97004(2002))が、影響はF0世代のみで、本文に「生殖毒性は軽度である(mild reproductive toxicity)」との記載(NTP RACB 97004(2002))もあり、明確な生殖毒性を示すには不十分であることから「分類できない」とした。なお、ラットの妊娠6~19日に経口投与による発生毒性試験(250~1000 mg/kg/day)では全用量で体重増加抑制がみられたが、仔の発生に及ぼす影響としては胎仔重量の低下と胸骨の骨化遅延のみで催奇形性は認められなかった(NTP TER 97006(1999))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) |
警告 |
H371 |
P309+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
ラットに経口投与によるLD50値は1560 mg/kgで、動物は昏睡状態となり衰弱が続き、1週間以内に死亡が発生した(PATTY(5th, 2001))。また、ラットに腹腔内投与した場合LD50値(261-309 mg/kg)に近い用量で麻酔作用や抗痙攣作用が報告されている(HERA(2005))。類縁化合物のオイゲノールは低用量で末梢神経活性を抑制し、高用量では神経毒性を引き起こす(HSDB(2010))との記述もある。以上のばく露後の症状に基づき、ラット経口LD50値はガイダンス値区分2に相当していることから、区分2(神経系)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(鼻腔) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
マウスに75、150、または300 mg/kg/dayの用量で2年間反復経口投与した試験において、全投与群で鼻腔に嗅上皮の呼吸上皮化生、萎縮及び硝子滴蓄積の発生率が溶媒対照群と比べ有意に増加し、軽微~顕著なボーマン腺の過形成の発生率も有意な増加を示した(NTP TR 551(2010))。ラットに75、150、または300 mg/kg/dayの用量で2年間反復経口投与した試験においても、150 mg/kg/day以上で呼吸上皮化生と萎縮、300 mg/kg/dayで嗅上皮変性の発生率の増加が報告されている(NTP TR 551(2010))。以上の嗅上皮に対する影響がマウスではガイダンス値区分2に相当する75 mg/kg/dayの用量で報告されていることから、区分2(鼻腔)とした。なお、ラットおよびマウスの14週間反復経口投与試験でもガイダンス値範囲の上限を超えた用量であるが、嗅上皮および嗅神経束の萎縮が報告されている(NTP TR 551(2010))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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