項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 624-18-0 |
名称 | パラ-フェニレンジアミン二塩酸塩 |
物質ID | 23A5115 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | 塩素を含む有機化合物であるが、この塩素はアミンとイオン結合しており、他の物質の酸化には寄与しないと考えられる。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値は147 mg/kg(BUA 97(1992))に基づき区分3とした。なお、EUではT; R25(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))に分類されている。 なお、健康有害性に関しては、本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミン(CAS:106-50-3)も参照のこと。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。なお、EUではT; R24(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))に分類されている。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。なお、EUではT; R23(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))に分類されている。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - |
データなし。なお、EUではXi; R36(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))に分類されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 |
危険 |
H334 |
P304+P341
P342+P311 P261 P285 P501 |
本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンの情報として、職業ばく露によりアレルギー性喘息の発症、直接的な刺激により咽頭に炎症を起こした労働者の報告があり、僅かな量のでも、3ヶ月~10年のばく露により喘息を起こすおそれがあるとの記載(ACGIH(2001))や、本物質は皮膚および気道に対し感作を示し、喘息になるおそれがあるとの記載(PATTY(5th, 2001))もあることから区分1とした。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
パラ-フェニレンジアミン塩酸塩についてモルモットのビューラー試験で全例に陽性反応が見られたとの報告(CERIハザードデータ集 2001-31(2002);List 3)があり、かつ、本物質がEU分類でR43である(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))こと、さらに本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンは日本産業衛生学会で感作性物質「皮膚・1群」(産衛学会勧告(2010))、ACGIHでは「skin sens」(ACGIH-TLV(2011))に分類されていることも考慮に入れ、区分1Aとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | 本物質のin vivo試験のデータはないが、遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンを用いた試験で、ラットの腹腔内投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性(NTP TR 174(1979))、ラットの経口およびマウスの腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(IARC 16(1978)、DFGMAK-Doc.6(1994))で陰性であることから区分外とした。なお、本物質のin vitro試験のデータとしては、エームス試験、チャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた染色体異常試験、およびマウスリンフォーマ試験でいずれも陽性(NTP DB(Access on July. 2011))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンが、IARCでグループ3(IARC suppl.7(1987))、ACGIHでA4(ACGIH(2001))分類されていることから分類できないとした。なお、本物質を用いたラットおよびマウスに2年間混餌投与による発がん性試験において、雌雄ラットおよび雌マウスで軽度の体重増加抑制が観察されのみで、両動物種の雌雄とも死亡率に投与の影響はなく、いずれの部位においても試験物質投与と腫瘍発生率との間に統計学的に有意な関連は認められず、その結果、ラットおよびマウスでは、本物質の混餌投与により発がん性の確かな証拠は得られなかった(NTP TR 174(1979))と結論付けられている。一方、職業ばく露を受けたヒトおよび染毛剤の使用者を対象にした疫学調査で、発がんとの関連性を示す報告がいくつかあるが、含有成分の識別が不明瞭であり、パラ‐フェニレンジアミンの発がん性に関する証拠の重みの評価は困難であると記載されている(ACGIH(2001))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。なお、本物質の遊離体であるパラ-フェニレンジアミンについては、妊娠ラットの器官形成期に経口投与により、親動物が一般毒性を示した用量で仔の奇形または変異の増加は見られなかった(ACGIH(2001))と報告されている。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(心臓、筋肉、腎臓) |
危険 |
H370 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンの情報として、ヒトで摂取により、呼吸困難から、顔面、首、舌または咽喉に浮腫を生じ、時に血中CPKの上昇、乏尿、尿細管変性がみられ、横紋筋融解症となり最終的に急性腎不全に至った症例が、死亡例を含め複数の報告がある(DFGMAK-Doc.6(1994))。マウスにパラ‐フェニレンジアミンを70 mg/kg bwを経鼻胃管投与後、24時間以内に血中CPKの有意な上昇、24時間後に急性横紋筋融解と骨格筋の極細線維の壊死が観察された(DFGMAK-Doc.6(1994))。以上からヒトおよび動物の知見に基づき、区分1(心臓、筋肉、腎臓)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
本物質の遊離体であるパラ‐フェニレンジアミンを含む染毛剤を使用したヒトの症例として、肝腫大と脾臓肥大および進行性神経障害の発症(ACGIH(2001))、5年間に亘る職業ばく露で、黄疸と肝臓の亜急性萎縮により死亡した例(ACGIH(2001))、消化器と神経症状が観察された例、中枢神経系に病理学的変化が認められた例(DFGMAK-Doc.6(1994))、その他に慢性腎不全、尿毒症、腎臓の極小化、糸球体の硝子化を伴い死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))や、乏尿、脈管炎、筋痛、腎臓肥大、糸球体腎炎を発症し死亡した症例(DFGMAK-Doc.6(1994))などの報告から区分1(肝臓、神経系、腎臓)とした。また、動物試験では、ウサギにパラ‐フェニレンジアミンを90日間の経口投与し、10 mg/kgの用量で心筋実質の変化(浮腫、筋線維の膨化、細胞質の均質化、横紋の消失)が認められ(ACGIH(2001))、2塩酸塩としても用量は区分2のガイダンス値内相当であると思われることから区分2(心臓、筋肉)とした。以上より、分類結果は区分1(肝臓、神経系、腎臓)、区分2(心臓、筋肉)となる。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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