項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 923-26-2 |
名称 | 2-ヒドロキシプロピルメタクリラート |
物質ID | 23A5123 |
分類実施年度 | 平成23年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点は101℃[密閉式](IUCLID(2000))であり、93℃を超える。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性の原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。なお、市販品はヒドロキノンモノメチルエーテル(100- 200 mg/L hydroquinone monomethyl ether(polymerization inhibitor).(Verschueren(4th, 2001)))を安定剤として含むという情報がある。そのほか、メタクリル酸エステルとしては(They are stabilized by adding hydroquinone or pyrogallol(HSDB(2002))、また、当該物質については(Inhibitor of polymerization:200ppm hydroquinone. Typical inhibitor level: 1200ppm monomethyl ether hydroquinone.(HSDB(2002))などの情報がある。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値は>2000 mg/kg bwで死亡例なし(OECD TG 401; GLP)(厚労省報告英文要旨(Access on Aug. 2011))との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
本物質80%を含む異性体混合物の原液1滴をウサギ3匹の眼に適用し、1時間以内に軽度の刺激および結膜炎、角膜炎および角膜混濁を生じ、翌日に化膿性結膜炎と虹彩炎が見られた。7日間の観察期間中に2匹でやや改善が見られたが、角膜炎と角膜混濁は持続した(SIDS(2007))。この結果から、回復には7日間以上要すると考えられ、またEC分類でR36である(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))ことを踏まえ、区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
フィンランド労働衛生研究所によるアクリル化合物の皮膚疾患調査の概説によると、1990年代に職業ばく露を受けた患者124人中、15人が本物質に陽性反応を示した(SIDS(2007))。一方、アクリル化合物2成分を含む接着剤により感作された38歳女性患者が本物質のパッチテストでも陽性反応を示した(SIDS(2007))。また、職業皮膚疾患が疑われた93人の歯科技術者の調査では、50%がアレルギー性接触皮膚炎と診断され、16人が本物質に陽性反応を示した(SIDS(2007))。さらに、職業ばく露では1990年代に1619人の患者が職業性接触皮膚炎を疑われ、アクリル樹脂による感作を受けた患者9人中2人が本物質のパッチテストで陽性反応を示した(SIDS(2007))。以上の報告を含め、本物質または本物質を含むアクリル化合物によるアレルギー性皮膚炎の発現を示す疫学的調査報告または症例報告が多数ある(DFGMAK-Doc.16(2001), SIDS(2007))ことから区分1とした。なお、EU分類はR43(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))であり、アクリル化合物としては、アレルギー物質としてContact Dermatitis(Frosch)に掲載(Contact Dermatitis(4th Ed.(2006))、List1相当)されている。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | in vivo試験データがないので分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験(OECD TG 471及び472, GLP)で陰性(厚労省報告(Access on Aug. 2011))の一方、チャイニーズハムスターの培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験(OECD TG 473, GLP))(厚労省報告(Access on Aug. 2011))及びマウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験(SIDS(2007))では陽性が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットの経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422, GLP)において、交尾率、受胎雌数、妊娠期間、受胎率、着床率、出産率などの性機能及び生殖能に試験物質投与の影響はみられず、出産児数、分娩率、新生児数、出生率、哺育4日目生存率なども対照群との間に差はなく、新生児に及ぼす影響もみられなかった(厚労省報告英文要旨(Access on Aug. 2011))。しかし、催奇形性を含む児の発生に及ぼす影響に関してデータ不十分であり、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ラットの単回経口投与毒性試験(OECD TG401; GLP)の結果、2000 mg/kg投与群の雄で投与直後に流涎が認められたのみで、500および1000 mg/kg投与群では雌雄とも異常はなく、剖検でも各投与群の雌雄とも異常はみられなかった(厚労省報告(Access on Aug. 2011))と報告され、経口では区分外相当となるが、他経路(経皮、吸入)による影響はデータがなく不明のため、特定標的臓器毒性(単回ばく露)の分類としては「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422, GLP)において、1000 mg/kg投与群で雄2例、雌1例が死亡し、流涎、自発運動能の低下および眼瞼下垂の症状が見られ、無影響量は区分2のガイダンス値範囲(10-100 mg/kg bw/day)を超える300 mg/kg bw/day(90日補正:雄163、雌123 mg/kg bw/day)であった(厚労省報告英文要旨(Access on Aug. 2011))との報告から、経口では区分外に相当するが、他経路(経皮、吸入)による影響はデータがなく不明のため、特定標的臓器毒性(反復ばく露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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