GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 79-44-7
名称 ジメチルカルバモイル=クロリド
物質ID 23B5513
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P403+P235
P210
P280
P501
引火点82℃[密閉式](MSDS(Sigma-Aldrich)(2011))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点は410℃であり(ホンメル(1996))、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素、および塩素を含む有機化合物であるが、いずれの原子も炭素原子とのみ結合している。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値は1170mg/kg(ACGIH(2007))より区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値は180 ppm/6h(= 220.5 ppm/4h)(HSDB(2009))に基づき区分2とした。なお、毒性値(180 ppm)が飽和蒸気圧濃度(2566 ppm)の90%より低いので、気体の基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P264
P280
P321
P362
ウサギ゙の(眼と)皮膚に対し、刺激性は軽度から中等度(mild to moderately)で1週間以内に回復した(ACGIH(2007))との報告に加え、EU分類ではXi; R38であることを考慮に入れ、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギの眼(と皮膚)に対し、刺激性は軽度~中等度(mild to moderately)で1週間以内に回復した(ACGIH(2007))との報告に加え、EU分類ではXi; R36であることを考慮に入れ、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - モルモットを用いた試験において当該物質は感作性物質ではなかった(ACGIH(2007))と報告されているが、試験方法の記載がなく、OECDで承認された試験法かどうか不明のため「分類できない」とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
マウスの赤血球または骨髄を用いた複数の小核試験(in vivo変異原性試験)で陽性の報告(IARC 71(1999)、ACGIH(2007))があることから区分2とした。なお、その他にマウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた姉妹染色分体交換試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)では陰性(IARC 71(1999))、in vitro試験としてエームス試験の結果は概ね陽性(NTP DB(1979)、IARC 71(1999))、マウスリンパ腫を用いた遺伝子突然変異試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験では陽性(NTP DB(1979))が報告されている。
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
IARCで2A ,ACGIHでA2、産業衛生学会で2Aに分類されていることより区分1Bとした。なお、ラットの長期吸入ばく露試験において、鼻腔、鼻咽頭、喉頭、気管支を含む気道の扁平上皮癌の発生増加を示す報告(ACGIH(2007))が多数あり、ハムスターの生涯ばく露試験では対照群では認められなかった鼻腔の扁平上皮癌の発生(50/99)が報告されている(IARC 71(1999))。また、経皮投与でもマウスで適用部位に腫瘍の発生増加(IARC 71(1999))が報告されている。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(呼吸器系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
ラットに飽和状態の大気を1~2時間ばく露で、鼻粘膜、咽喉および肺の傷害を伴い全例が死亡した(IARC 12(1976)、ACGIH(2007))と報告されている。飽和蒸気圧濃度(11.3 mg/L)により4時間ばく露の換算値を求めると、5.7~8.0 mg/Lとなり、区分1に相当することから区分1(呼吸器系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、職業ばく露で肝障害が観察されている(IARC 71(1999))が、1例のみの報告で因果関係を含む詳細も不明のため分類できない。また、動物試験ではハムスターに1 ppmを30日間ばく露の結果、正常体重を示し生存した(ACGIH(2007))との記載があるのみで結果の詳細は不明である。なお、ラットに1 ppm以上の濃度で30日間暴露(1日あたりのばく露時間不明)、2年間の観察後、前がん病変と思われる喉頭の過形成と扁平上皮化生が1ppmと10 ppm、気管の扁平上皮化生が10 ppmで見られた(ACGIH(2007))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の96時間EC50 = 6.2 mg/L(AQUIRE, 2012)(加水分解生成物であるジメチルアミンのデータ)から区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 信頼性のある慢性毒性データは得られていない。加水分解生成物であるジメチルアミンは急性毒性区分2であるものの、急速分解性があり(4週間でのBODによる分解度:88%(既存点検, 1975))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = -0.38(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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