項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 103-84-4 |
名称 | アセトアニリド |
物質ID | 24A6011 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は530℃であり(CRC(2010))、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含むがこの元素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラット(雌雄)のLD50値は1959 mg/kg(OECD TG401)(SIDS(2001))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験(OECD TG404、GLP準拠)において、刺激性なし(not irritating)との結果(SIDS(2001))に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG405、GLP準拠)において、軽度の刺激性(slightly irritating)との結果(SIDS(2001))に基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - |
マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(OECD TG474; GLP)(体細胞in vivo変異原性試験)、およびマウスに腹腔内または経口投与による染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陰性結果(SIDS(2001))に基づき、区分外とした。なお、マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)、およびラットに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)では陽性の報告があるが、前者では対照群で小核を有する多染性赤血球の割合が高く弱陽性の結果、また、後者では試験条件の詳細が不明で根拠が乏しい(invalid)とされている(SIDS(2001))ことから、いずれも分類に用いなかった。また、in vitro試験としては、複数のエームス試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(SIDS(2001)、NTP DB(1983))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - |
データなし。なお、他の物質の発がん性に対する影響を検討するため、本物質をラットに混餌投与により過形成または異形成は見られず、また、肝腫瘍の誘発もなかったとする報告(SIDS(2001))はあるが、本物質自体の発がん性に関する試験データはない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422; GLP)において、200 mg/kg/day以上で出生仔の体重、および600 mg/kg/dayで生後4日目生存率のいずれも有意な低下が観察され、かつ、同用量で親動物の一般毒性として、脾臓と骨髄の過形成、ヘモグロビン濃度やヘマトクリット値の減少、さらに600 mg/kgでは死亡例が報告されている(SIDS(2001))ことから区分2とした。なお、詳細不明ながらマウスの四世代まで0.1%濃度を混餌投与した生殖試験でも、メトヘモグロビン血症やチアノーゼなど一般毒性が発現している用量で受胎能および生存率の有意な低下が見られたとの報告(SIDS(2001))がある。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液)、区分3(麻酔作用) |
危険 警告 |
H370
H336 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
インドの工場で本物質製造に関わる労働者が作業時間後に胸痛、心窩部痛を訴え、臨床的症状は見られなかったがチアノーゼ気味でヘモグロビン値が低下したとの報告(SIDS(2001))、本物質の使用による急性中毒の症例が報告されており、症状はチアノーゼ、疲労、めまい、傾眠、圧迫感、動悸などを特徴とし、嘔気、胃痛、視覚障害、開口障害などの報告(SIDS(2001))、さらにヒトで大量摂取による急性中毒ではメトヘモグロビンを産生するとの記述(SIDS(2001))もある。一方、動物試験ではイヌに本物質200 mg/kgの単回経口投与はヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビンに変える(HSDB(2003))とされる。以上の知見により区分1(血液)とした。また、雌雄ラットに経口投与した急性毒性試験(OECD TG401)の結果、LD50値は1959 mg/kgと急性毒性は比較的低かったが、投与後に観察された嗜眠、昏睡、歩行異常の症状(SIDS(2001))、またラットに180 mg/kgを経口投与した結果、痛覚の消失が見られた(IUCLID(2000))ことに基づき、区分3(麻酔作用)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(造血系、腎臓) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトが反復摂取すると、スルフヘモグロビンの産生によるとみられるチアノーゼを起こすことはよく知られている(SIDS(2001))。また、ヒトで継続的使用による中毒の症例報告として、胃腸障害、心臓障害、嗜眠状態、溶血性貧血、メトヘモグロビン血症、網状赤血球増加症、チアノーゼ、急性腎不全を特徴とする慢性中毒に至り、腎臓の高度な変性性変化は最も顕著な死後所見であると報告されている(SIDS(2001))。一方、ラットの反復経口投与毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422; GLP)において、22 mg/kg/day(90日換算:7.3 mg/kg/day:区分1相当)以上でヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値など血液指標の減少、67mg/kg/day(90日換算:22.3 mg/kg/day:区分2相当)以上で赤血球数の減少が見られ、病理組織学的検査では22 mg/kg/day以上で脾臓赤脾髄の過形成、大腿骨骨髄の過形成、200 mg/kg/day(90日換算:66.7 mg/kg/day:区分2相当)以上で肝臓の髄外造血、胸腺の萎縮が報告されており、ガイダンスの上限値を超える用量では死亡例とチアノーゼが観察された(SIDS(2001))。以上より、ヒトでの症例報告の所見、およびラットの反復経口投与試験における血液学的、病理組織学的所見に基づき、区分1(造血系)とした。また、ヒトでは顕著な所見として腎臓の変性性変化が報告されていることから、区分1(腎臓)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50=13.5 mg/Lである(SIDS, 2004)ことから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。藻類の急性分類区分3である(SIDS, 2004)が、急速分解性があり(BODによる分解度:68.7%(既存点検, 1995))、生物蓄積性もないと推定される(LogKow = 1.16(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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